EF65PFが東京南局の欧風客車「サロンエクスプレス東京」を牽引して駅に佇んでいます。その傍らにはスカ色の近郊形電車。これだけだとここが何処の駅だか判別がムズいかと思いますが、実は逗子駅です。つまり、傍らのスカ色の電車は横須賀線の113系ということになります。
大鉄局の「サロンカーなにわ」とともにジョイフルトレインの嚆矢になった「サロンエクスプレス東京」は、団体運用の合間を縫って臨時特急としても活躍することになりますが、その当時のツートップは「サロンエクスプレス踊り子」と画像の「サロンエクスプレスそよかぜ」ではないでしょうか。
上野-中軽井沢間を結んでいた臨時特急「そよかぜ」がその本領を発揮するのは春夏のシーズン。時に「あさま」「白山」のフォロワーになりつつも、避暑地への輸送手段として「そよかぜ」の運転が設定されると、「待ってました」とばかりに、運転日は常時満席だったという話は聞いたことがありますが、その派生列車として昭和59年春から運転が開始されたのが「サロンエクスプレスそよかぜ」でした。
前述のように電車特急としての「そよかぜ」は上野-中軽井沢間の設定でしたが、この「サロンエクスプレスそよかぜ」は横須賀線の逗子発着で、さらに中軽井沢まで行かず、軽井沢止まりでした(「軽井沢止まり」は初めて知った)。
運転開始当初の時刻だと・・・
【下り(9031レ)】 【上り(9032レ】
逗 子発 8:14 軽井沢発 13:38
鎌 倉発 8:20 高 崎発 14:40
横 浜発 8:47 大 宮発 15:42
新 宿発 9:23 新 宿発 16:24
大 宮発 10:02 横 浜発 17:00
高 崎発 11:21 鎌 倉発 17:27
軽井沢着 12:14 逗 子着 17:34
でした。
牽引機は高崎-軽井沢間はともかく、逗子-高崎間はその時々で違ったようで、メインは画像のEF65PF(東)でした。以前、弊愚ブログで「サロンエクスプレスそよかぜ」を取り上げたように、EF65Pが牽引したり、EF64 1000が牽引したり、スケジュールに空きがあるとEF58 61が牽引することもありました。
画像は如何にも東京機関区のEF65PFが牽引しているように見えますが、機番をまじまじと見ると「1089」と読めます。1089号機は新鶴見機関区の配置で、普段は首都圏近郊で貨物列車を牽くのが日課だけに、当代きっての人気列車「サロンエクスプレス東京」を牽引するのは、1089号機にとって一世一代の晴れ舞台だったのかもしれません。
普段は団体旅行で手続きをしないと乗れない欧風客車ですが、「踊り子」や「そよかぜ」のように、切符を買えば乗れるチャンスがあったんですよね。
ところで、今もって謎なんですが、何で「サロンエクスプレスそよかぜ」は逗子発着だったんですかねぇ~?
逗子や葉山、鎌倉に住んでいる人が軽井沢に別荘を多く持っていたから?
【画像提供】
フ様
【参考文献・引用】
ライブドアブログ「Rail・Artブログ」
ウィキペディア(サロンエクスプレス東京)