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2.22 阪急神戸線・宝塚線ダイヤ改正。

2月22日(土)に阪急神戸線宝塚線ダイヤ改正が行われます。

2022年12月17日以来、2年2ヶ月ぶりとなります。

 

今回の目玉は神戸線で、平日の朝夕ラッシュ時間帯を中心に

大きな変更が行われます。

 

すでに詳細な時刻・ダイヤが発表されているので

プレスリリースに沿って改正内容を見ていきましょう。

 

(線路がつながっている能勢電鉄山陽電鉄阪神電鉄近畿日本鉄道京都市営地下鉄烏丸線も同日にダイヤ改正を行いますが、この記事でふれるのは阪急線のもののみです。)

 

 

 

ダイヤ改正の概要

 

まずはプレスリリースに記載されているポイントを見ていきます。

 

神戸線

・10両編成で運行している通勤特急を8両編成に変更

阪急で最後まで残った10両編成の運行が終了。

最混雑列車が減車となることから、以下に示す増発・ダイヤパターンの変更で

乗車率の分散と利便性の向上を目指すダイヤ改正となります。

・平日朝の梅田行き特急塚口停車の通勤特急に変更

通勤急行塚口通過に改め快速に変更

 朝の梅田行き快速は春日野道~武庫之荘から梅田への先着列車に。

・夕方ラッシュの特急を塚口・六甲停車の準特急に変更

 神戸方面の準特急は園田で普通を追い越すようになります。

 

宝塚線

・夕方ラッシュの宝塚行き急行を曽根・岡町停車の通勤急行に変更

・石橋阪大前で箕面線と接続する下り列車を日生エクスプレス急行雲雀丘花屋敷行きに変更し所要時間を短縮

・朝ラッシュ時間帯の梅田行き普通の始発駅を列車ごとで入れ替え

 

 

以上がポイントとして掲げられていました。

これだけでも神戸線が列車種別・ダイヤパターンの変更が大きいのに対し、

宝塚線は従来のダイヤを踏襲した小規模な変更であることがわかります。

 

 

以下、路線・時間帯ごとに変更ポイントを詳しく見ていきましょう。

 

 

 

阪急神戸線 朝ラッシュ時間帯

①10両編成の通勤特急を8両編成に変更

神戸線では10両編成の通勤特急が運行されていました。

神戸三宮~大阪梅田の運行で、予め組成された10連固定編成が使用されていました。

10両編成の運行は阪急で唯一、最後となっておりましたが、ラッシュ時間帯の混雑がコロナ渦前と比べて緩やかとなっていること等を理由に列車が8両編成に統一されます。

西宮北口駅で現在工事中のホームドアが8両編成分のみとなっており、以前から10両運行の廃止が噂されていましたが、この度、現実となります。

 

ただ、これまで他路線で10連の運行がなくなった際は単なる減車だったのに対し、

神戸線ではダイヤパターン変更・増発と混雑対策がとられます。

実際、私も通勤でピーク時間帯に10両編成の列車を利用していますが、

伊丹線接続駅の塚口での乗車ボリュームが大きく、塚口~十三間が特に大変な混雑で、減車して大丈夫か不安に思っていました。

対策がとられるようで安心しています。

 

②大阪梅田行き特急通勤特急に変更

現状、上りの最速達列車は特急と通勤特急が交互に運転されていますが、

特急も塚口に停まる通勤特急に変更され、乗客の分散が狙われます。

なお、8両編成となった通勤特急には女性専用車両が神戸方一両目に設定されます。

また、通勤特急の始発駅は新開地または高速神戸となり、

10両編成では入れなかった神戸高速線内からの利便性が向上します。

 

通勤急行塚口通過に改め快速に変更

特急だった列車(通勤特急)が塚口停車となる代わりに、

塚口を通過する新種別が登場します。ついに千鳥停車の導入です。

通勤急行の種別名が快速に変更となります。

また、現状、通勤急行が西宮北口通勤特急を待避しているものを

快速十三・大阪梅田まで先着させる列車として有効本数が増やされます。

中間の通勤特急の停車しない駅からの新たな速達列車となります。

 

④列車本数の増発

宝塚からの今津線経由準急1本快速が(通勤急行と比較して)2本増発されます。

準急の7本目は、前回ダイヤ改正以前の6本目の時間に。

快速はこれまでの前後の時間に追加で運転されます。

 

また、プレスリリースには記載されていませんでしたが、

ピーク時間帯の列車間隔が全体的に詰められています。

運行サイクルが16分→15分となり、1時間に1~2本の増発が行われています。

十三駅の到着本数で見ると8時台が22本→24本となっています。

 

⑤列車運転順序の変更

快速準急通勤特急の直前を運転することで混雑の平準化が図られます。

西宮北口塚口から通勤特急に混雑集中しないよう対策がとられます。

 

これまで通勤急行・準急は園田より先、普通の後追い運転となっていましたが、

改正後は園田で普通を追い越すことになり、準急の所要時間が若干短縮されます

代わりに普通は園田で二本連続待避を行うことになります。

 

ここで、列車増発につきもののデメリット。

通勤特急について、西宮北口→大阪梅田で全体的に2分程度、所要時間が延びてしまっています。

普通の園田駅停車時間がどうしても長くなるため、せっかく追い越しても、その前の普通にすぐ追いついてしまうためと思われます。

停車本数の多い塚口・十三で列車の渋滞が起きないか心配です。

 

⑥下り列車も増発・種別の変更

これまで上り列車についてばかり書きましたが、

下り列車では回送列車を客扱いする形で増発が行われます。

西宮北口方面へ急行が13本増発されます。

(基本は西宮北口行きで、最終13本目のみ神戸三宮行き)

朝の下り急行については2016年3月改正で回送化されて以来の復活となります。

それ以前よりも多い本数での運転となります。

下りは列車本数が1サイクル15分に4本から6本への増発となります。

 

また、急行塚口に停車するため、急行の直後を走る通勤特急特急に種別が変更となっています。塚口から神戸方面へは西宮北口で乗り換えが必要となりそうです。

 

 

阪急神戸線 夕方ラッシュ時間帯

特急準特急に変更

現状の夕方ラッシュ下りのダイヤは、梅田から西宮北口まで全ての列車が先着となっていますが、その反面、普通を先頭に列車が詰まり徐行運転となっています。

そこで、特急塚口・六甲に停車する準特急に変更することで、神戸三宮以遠への所要時間を延ばすことなく利便性を確保します

上り列車についても同様に特急から準特急への変更が行われます。

上り準特急は神戸三宮16時30分発よりと早めのスタート。

沿線に私立学校が多く、普通列車の混雑緩和が狙いのようです。

六甲民は前回改正に続いて大勝利。

塚口は後述する快速の代わりの停車です。

 

通勤急行塚口通過に改め快速に変更

朝ラッシュと同じく、下り通勤急行快速に変更となります。

残念なことに西宮北口で引き続き準特急を待ち合わせるため、

速達性はあまりありませんが、準特急の直前を走るため、

西宮北口今津線乗り換えの乗客を担うことが期待されます。

 

現状、通勤急行は大阪梅田駅21時台前半までありますが、

快速は21時台の運転がありません。

 

③下り普通は園田で待ち合わせ

プレスリリースで、準特急を待ち合わせすることが明記されていましたが、

ダイヤが発表され蓋を開けると快速と二本連続待避を行うようです。

塚口へは準特急武庫之荘へは快速が先着するため、普通は園田まで先着すればいい、と割り切られたのでしょうか。

 

④増発時間帯の繰り上げ

帰宅時間帯が早まっていることを受けてか、増発時間帯が20分ほど早まっています。

大阪梅田駅17時10分台、20分台の増発分は快速ではなく普通2本建ての運転です。

 

 

大幅に運転本数が増加する神戸線準特急

明るい時間帯から見られることになりそうです。

 

運行される種別が変わります。

 

現行ダイヤの西宮北口駅、接続の風景。

運行される種別は両方とも変更になります。

 

 

阪急神戸線 夜間時間帯

深夜時間帯の増発

コロナ渦で大きく本数が減った神戸三宮→西宮北口の終電付近の電車が増発されています。23時台後半から終電にかけて、15分間隔が10分間隔となり2本増発です。

終電の時刻に変更はありません。

 

阪急神戸線 その他細かい点

プレスリリースには載っていなかった細かい変更点です。

 

【平日ダイヤ】

・現行 西宮北口6時52分発の通勤特急大阪梅田行きは時刻・停車駅そのまま急行に変更

 下りの同区間の列車も急行であることから合わせる形での種別変更。

 上り列車にも急行が復活となります。

・現行ダイヤで1本存在する武庫之荘始発の普通大阪梅田行きは設定時刻を

 30分前倒しして武庫之荘7時00分発に。

 快速からの接続ではなくなります。

西宮北口始発の7時32分発 普通高速神戸行きは大阪梅田からの連続運行となり、

 神戸三宮行きに変更となります。朝ラッシュに西宮北口で乗り換える運用が消滅。

西宮北口7時18分発 通勤特急神戸三宮行きは7時16分発 特急新開地行きに変更。

 前後の通勤特急との間隔が調整されて続行運転が解消されています。

 

・平日ダイヤ日中に山陽電鉄 普通神戸三宮駅乗り入れが消滅しています。

 土曜休日ダイヤでは乗り入れが継続されています。

 

今津北線で夕ラッシュ時6分間隔の時間帯が拡大され、増発されています。

 西宮北口駅17時30分頃~20時30分頃まで。

・夕方ラッシュ時以降、準特急高速神戸行きが増加

 現行ダイヤは21/22時台の準特急で2本→17時台以降で計6本

・上り列車の12分ヘッド化が神戸三宮駅20時30分発より開始。

 現行ダイヤより1時間早まる。

・上記変更の影響か新ダイヤ 大阪梅田20時17分発の快速は唯一の新開地行き

 

【土休日ダイヤ】

神戸三宮駅22時49分発、23時31分発の普通西宮北口行きが増発

 土休日ダイヤについてはプレスリリースで明記されていなかったものの増発。

 代わりに、現行19時09分発・22時32分発の西宮北口行きが廃止されています。

 入庫回送を旅客列車化、またはその逆を行って調整が行われています。

・大阪梅田駅20時台発以降、下り列車の時刻調整が行われています。

 特に特急の発車時刻がわかりにくくなっており、(00分からの12分ヘッドでない)

 下り優等列車の発車時刻を固定しがちな阪急としては珍しい対応に思います。

 よって、梅田行き特急の入線がスムーズになり折り返し時間も確保されています。

 

 

続いて、宝塚線です。

 

阪急宝塚線 朝ラッシュ時間帯

普通列車の始発駅変更

宝塚線の上り普通列車は、ピーク時間帯に池田始発・豊中始発の列車が交互に運転されていますが、両列車の順序が入れ替えられています。

岡町・曽根に停車しない急行の直後を豊中始発列車とすることで、両駅から混雑し過ぎないようにすることが狙いのようです。

 

上記変更のため、下り列車の終着駅にも入れ替えが生じていますが、

朝ラッシュ時間帯はこれ以外に変更がありません。

 

 

阪急宝塚線 夕方ラッシュ時間帯

①宝塚行き急行を曽根・岡町停車の通勤急行に変更

現状、宝塚行きの急行は先行の普通を抜かさず徐行運転となっています。

「遅いのなら駅に停めてしまおう」ということで、

曽根・岡町に停車する通勤急行に変更することで、豊中以遠への所要時間を延ばすことなく利便性を確保します神戸線と同じ手法ですね。

 

雲雀丘花屋敷行き急行は急行のままなので、途中駅までの列車の方が種別が上位である珍しいダイヤパターンとなります。

通勤急行という種別は2015年3月ダイヤ改正で廃止されて以来の復活ですが、

当時と停車駅が異なります。

似たパターンでの設定が過去にあったようですね。

(1997年11月~2000年6月、 梅田、十三、服部から先の各駅)

 

②石橋阪大前で箕面線と接続する下り列車を日生エクスプレス急行雲雀丘花屋敷行きに変更し所要時間を短縮

特急日生エクスプレス雲雀丘花屋敷行き急行は、曽根で普通を追い抜くため

所要時間が短くなっています。箕面線をこれら列車と接続させることで所要時間を3~4分短縮します。

このため、下り列車のダイヤが後ろに3分スライドとなっており、

大阪梅田駅7分発だった日生エクスプレス・急行雲雀丘花屋敷行きが0分発に、

宝塚行き通勤急行は3分発に変更となっています。

 

上り列車も同様に3分スライドしており、この影響で

上り急行から十三駅で他路線の優等列車への接続が悪くなっています。

(京都線へは対面でギリギリ乗り継げる?)

 

阪急宝塚線 その他

ダイヤ改正と直接関係ないのかもしれませんが、

雲雀丘花屋敷駅で稼働していたフラップ式旅客案内表示器の運用が終了しました。

新型の液晶式案内装置がすでに稼働を開始しています。(下りホームにも新規設置)

神戸線岡本駅に導入されたものと異なるタイプとなっていて、

他の駅にも波及するのでしょうか。

 

宝塚線の改正ダイヤは大きな変更がない印象ですが、

現在、蛍池・石橋阪大前の各駅でホームドアの設置工事が行われており、

停車時間の変更などが盛り込まれているはずです。

 

 

番外編 甲陽線について

今回のダイヤ改正で大きな影響を受ける路線があります。

甲陽線です。

ピーク時間帯の増発(運転間隔の短縮)によって、神戸本線は16分サイクルが15分サイクルに短縮されます。

単線の甲陽線の最短運転間隔は8分間隔で、これ以上の増発は困難だったのです。

 

改正後の苦楽園口駅時刻表。

改正前、きれいに8分間隔だったダイヤは8~11分間隔と不均等に。

夙川駅での上り通勤特急との接続時間は6分~2分となり、良く言えば余裕が生まれ、

悪く言えば所要時間が延びてしまっています。

 

2006年10月28日ダイヤ改正で夙川駅に特急が停車して以降初めて、

日中の運転時刻にも変更が加えられ、本線との接続が悪化しています。

(夕方ラッシュの運転時刻にそろえられました。)

日中の所要時間、大阪梅田→甲陽園は22分→29分に増加しています。

 

コロナ渦で減らされた平日22時台・もともと不便だった土休日21時台に増発・接続改善がされているのが救いです。

 

 

甲陽線の各駅にもセンサー式ホーム柵が導入されました。

 

 

今後の車両の動き

神戸線の10両運行廃止で、増結用の2両編成に余剰が発生します。

6000系1本、8000系2本、8200系2本の計5本が対象です。

これまで阪急ではダイヤ改正ごとに10両運行の縮小が続き、運用から外れた車両は

支線転用、能勢電鉄へ譲渡、複数つなげて本線復帰など各車、様々な運命をたどっています。

前回の改正から再就職先をまだ見つけられていない車両もあって処理に時間はかかるでしょうが、今後が気になります。

 

座席収納車両としてデビューし、他形式よりも広い乗降ドアを持つラッシュ特化型車両の8200系。この車両が本線のラッシュ輸送に復帰することはあるのでしょうか。

 

 

また、新型車両2000系がダイヤ改正後の2月24日(月祝)より宝塚線で運用を開始することが公式より発表となっています。

 

 

古い車両の多い宝塚線

8両編成は残り3本となった5100系の去就が気になるところです。

 

 

総評

20年以上根本の変更がされてこなかった神戸線のラッシュ時ダイヤ。

それだけ安定したダイヤだったということなのでしょうが、

10両編成運行の廃止という転機を迎えて大きな変更が加えられました。

列車ごとの分散した乗車を狙い設定される新種別の快速。

この種別が成功するのかが今後のカギとなりそうです。

一利用者として行く末を見守っていきたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。