2024年8月9日(金)
本日やってきたのは、阪急大阪梅田駅。夕方のラッシュ時間帯に差し掛かり、駅構内は多くの人で混雑しています。
ここ大阪梅田駅には京都線・宝塚線・神戸線とざっくり3方向の路線が乗り入れています。今回乗車するのは宝塚線…ですが、宝塚へは行きません。
宝塚線系統は、大阪梅田~宝塚駅間を結ぶ「宝塚本線」とその途中で分岐し石橋阪大前~箕面駅間を結ぶ「箕面線」によって構成されています。しかしよく見てみると、他にも支線が描かれているような…?
上の方に小さ~~く「能勢電鉄線」の文字を発見。川西能勢口駅で分岐し、さらにその先でも分岐があるという細かい支線ですが、流石に阪急の路線ではないし、こんな支線のそのまた支線の先まで直通する列車なんてあるはずが…。
いや、あるんかい。
今回乗車するのは、大阪梅田17時57分発の特急〔日生エクスプレス〕日生中央行です。列車名が付与されていますが、指定席などはなく車両も通常の通勤車両です。
運行日は平日の朝夕ラッシュ時のみで、朝の日生中央発と夕方以降の大阪梅田発がそれぞれ7本ずつ設定されています。
使用車両は阪急1000系。2013年にデビューした比較的新しい車両で、シャープな目つきが特徴的です。
2010年代デビューの車両らしく、車内には大きなLCDを配置。横長で継ぎ目がなく、長い路線図もとても見やすいです。
17時57分、列車は時刻通りに大阪梅田駅を発車。8両編成の車内は立ち客も多数いますが、体を押しつぶされそうになるほどぎゅうぎゅうというわけでもなく、それなりのゆとりがあります。
列車は途中十三、石橋阪大前、池田、川西能勢口、平野、畦野、山下、終点日生中央の順に停車します。
淀川を渡り、18時00分に十三駅へ到着。京都本線・神戸本線からの乗り換えの需要もあり、ここでぐっと車内の混雑度合いが増しました。
十三を出ると、三国、庄内、服部天神、岡町、豊中、蛍池の6駅連続通過が待ち構えます。この特急日生エクスプレスは宝塚線内の最優等種別としても君臨しており、急行の停車する豊中や蛍池までもあっさりと通過してしまうのです。
曽根駅では大阪梅田を6分早く発車した先行の普通 川西能勢口行を追い越し。しっかりと優等列車らしい走りを見せてくれます。
モノレールの線路が見えるここは蛍池(ほたるがいけ)。大阪空港への乗り換え需要が大変大きい駅ですが、あっけなく通過してしまいました。
18時12分、石橋阪大前駅に到着。駅に入る少し手前から線路が分岐するJR千葉駅スタイルで、右に向かうのが箕面線となります。
長いノンストップの区間もここで終わり、多数の下車があるか…と思いきや、実はそうでもない様子。やはり日生中央への直通を謳う列車だけあって、能勢電鉄線内まで通しで利用する需要の大きい列車となっているようです。
この付近まで来ると大阪の中心部からはやや離れており、辺りには住宅が広がります。夏とはいえ次第に太陽が傾く時間帯へ差し掛かりました。
池田市の中心駅である池田駅を発車し、猪名川を渡ると大阪府から兵庫県(川西市)へ入ります。
18時18分、川西能勢口駅に到着。JR宝塚線の川西池田駅にも近く、川西市役所の最寄駅でもあります。
当駅は3面5線の構造をもつ大きな駅で、特急日生エクスプレスは上り・下りとも3号線(阪急では番線のことを「号線」と呼びます)を使用します。阪急宝塚本線と能勢電鉄線の直通運転が可能なホームは3号線の1つのみで、大阪梅田方面から入線する際はいったん上り線を塞ぐようにして渡ってやってきます。
進行方向を変え、すぐに川西能勢口駅を発車。ここからいよいよ能勢電鉄線へ入ります。
能勢電鉄線内へ入ると、まずは早速絹延橋、滝山、鶯の森、鼓滝、多田の4駅を連続で通過。とはいっても駅間距離は短めで線形もうねうねとしており、阪急線内と比べるとあまりスピードは出しません。
沿線には新興住宅地が多く、その一つである緑台・光陽台・水明台の最寄駅である平野駅に到着。またそこから一つ山を越えた先にある畦野駅も同じく駅前に新興住宅地が広がっており、どちらの駅でも乗客の降車があり少しずつ車内の人が減っていきました。
一方で車内を見渡してみると、十三を出発した頃よりは空いているものの、決してガラガラというわけではありません。すなわち終点の日生中央まで乗り通す需要も大きく、この列車がまさしくその需要に応える存在であるというわけです。
山下駅で妙見線と分岐し、最後の1駅区間だけは「日生線」となります。能勢電鉄線は路線の大部分が川西市内にありますが、終点の日生中央駅は猪名川町となります。
18時37分、終点の日生中央駅に到着。
大阪梅田駅から28.0km、ちょうど40分で到着です。
駅名標は阪急のものとは完全に異なっていますが、一応能勢電鉄は阪急の子会社という立ち位置。線内で運用される全ての車両が阪急でも使用されていたマルーン色の車体なので、首都圏で言うと小田急と箱根登山電車の関係にやや似ているかもしれません。
1日約9,000人の乗降があるものの無人駅で、駅事務室もありません。つまり「かつては有人駅だった」等ではなく開業当初から無人駅なのです。
駅周辺に広がる新興住宅地は「阪急日生ニュータウン」。駅名にも含まれるこの「日生」とはこのニュータウンの開発を行った日本生命保険に由来しています。
駅前には大きなバスロータリーも構え、周辺の新興住宅地各方面へと向かうバスが発着します。駅近くには美山台・丸山台と呼ばれる地区のほか、山を越えた先には白金・若葉などの地区があります。
なお特急日生エクスプレスを除くと、全ての列車が能勢電鉄線内で完結する普通列車のみ。そう考えると、平日1日7往復のみの日生エクスプレスは貴重な存在です。
#目指せ中央駅全駅踏破
— わたかわ (@e235yokoso) 2024年8月9日
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日生中央
(能勢電鉄日生線)
「阪急日生ニュータウン」の拠点駅であると同時に、兵庫県猪名川町唯一の鉄道駅でもあります。
「日生」はこのニュータウンの開発にあたった「日本生命」から来ており、平日の通勤時間帯は阪急大阪梅田へ直通する特急が運行されています。 pic.twitter.com/yyukH8xOOM
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。