旧国鉄が増備した一般形気動車で、現在では数多くのバリエーションが存在するキハ47形。JR西日本下関総合車両所新山口支所配置のキハ47 1507は、寒地向け・トイレなしの1500番台「最後の1両」として注目を集めています。
2月1日に山口線の運用に入るキハ47 1507=新山口駅
キハ47形は1977年に登場したキハ40系の両開き扉・片運転台のグループで、寒地向けは500・1500番台に区分されました(500番台はトイレ設置)。1500番台は21両製造され、当初は全車が新潟地区に配置。84年の越後線、弥彦線の電化を受け、約半数が西日本に移りました。
その後、JR四国が継承した5両は2010〜11年に引退(キハ47 1501は後にキロ47形「伊予灘ものがたり」に改造。1505はJR九州に譲渡され、キロシ47形「或る列車」に改造)。JR東日本が継承し、新潟地区に残っていた11両も19〜20年に運用を終え、ミャンマーへ渡りました。
一方、JR西日本が継承した3両のうち2両は、客室中央部を除きロングシート化されキハ47 3501、3502に改番。JR九州の2両も機関換装や2軸駆動化改造を受け、現在はキハ47 4509、4510として活躍を続けています。ただ、純粋な「1500番台」としては、新山口のキハ47 1507が唯一の存在となりました。
【参考】JR四国から譲渡されたキハ47形を改造したJR九州の団体向け観光列車「或る列車」。写真後ろ側の2号車が元キハ47 1505=鳥栖駅、2024年
【参考】下関総合車両所鉄道ふれあいフェスタ2024で公開されたキハ47 3502(元キハ47 1506)
キハ47 1507は1979年に製造され、85年に広島地区に移ってきました。現在は山口県内のJR山陰本線、山口線、岩徳線での運用が多いようです。通常のキハ47形とそこまでの形態差はないものの、その経歴と車番から沿線の鉄道ファンには注目されています。
山口県のような暖地で寒地向け車両が活躍しているのは国鉄時代の広域転配がきっかけですが、その後40年間も元の番号のまま残っているのは珍しいように感じます。
さまざまな観光列車に改造されバラエティー豊かなキハ40系の中で、地域の足として黙々と走る一般形車両はどちらかと言えば地味な存在です。しかし「最後の1両」となったキハ47 1507は、今後も全国のファンから特に注目を集めそうです。
キハ47 1507の外観は通常型とあまり変わりませんが、空気ばね台車を履いているなどの特徴が見られます
夕日を浴びて下関駅南の留置線で休むキハ47 1507。長く活躍してほしい1両です
※不要なジャンパ栓関係を撤去した最近の山口・広島のキハ47形は以下をご覧ください