番外 廃止から今年で23年、九州急行バスからの移籍車でも運行、西肥バス平戸~福岡間「快速特急」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

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 西肥自動車(西肥バス)には、高速バス用としまして、九州急行バスからの移籍車でもあります西日本車体(西工)S型(いずれも三菱U-MS726S)がかつては所有しておりまして、上の画像にあります福岡~佐世保線「させぼ号」、さらにさかのぼりまして長崎~佐世保線、そして後述の路線でも活躍する姿が見られておりまして、福岡以外にも長崎でもその姿を見る事ができておりました。
 
 これら車の特徴は、九州急行バス時代の装備を活用した形でもありまして、偏心3列シートでもありましたし、中央階下にトイレが、末期にはラジオのみ聴く事はできておりましたが、マルチステレオが補助席部分も含めまして使用する事ができておりまして、早くに九州急行バスを離れまして西肥バスに移籍していた車もあっただけに、最終的には九州急行バスよりも在籍期間が長い車さえも存在していたほどでした。
 
 これら車は、平成3年式から5年式まで、合計7台が西肥バスに移籍しておりました。しかし、その後は平成3年式は全廃となりまして、最終的には平成5年式の車でもありましたF499とF500の2台が残りましたが、平成25年に三菱エアロエース新車の導入に伴いまして、残念ながら全廃へと至っております。
 
 

 以下画像・表が、この2台に使用されておりました行先表の中身であります。
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 1 西肥バス
 2 回送
 3 ノンストップ 福岡
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ノンストップ 佐世保
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ノンストップ 佐世保(松浦町)
 6 福岡空港・波佐見有田 佐世保(松浦町)
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ノンストップ 佐世保・佐々
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スーパーノンストップ 福岡
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スーパーノンストップ 佐世保・佐々
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スーパーノンストップ 佐世保
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回送
 12 福岡空港・波佐見有田 佐世保・佐々
 13 福岡空港 福岡
 14 福岡空港 ハウステンボス
 15 
ノンストップ 佐世保バスセンター
 16 福岡空港・波佐見有田 佐世保
 17 波佐見有田・福岡空港 福岡
 18 
回送

 

 この行先を見る限りでは、スーパーノンストップ便などをはじめ、行先表示自体も追加されているのでは?と思いがちですが、実は追加されているのではなく、書き換えられている(貼りかえられている)行先でもありました。

 

 実際に、この近年には、スーパーノンストップ系統(平成21年~)をはじめ、佐々バスセンターまでの系統・ハウステンボス系統(平成22年~)、佐世保駅前バスセンターではなく松浦町までの系統(平成23年~)など新たに生まれておりまして、その都度これまで使用されなくなった行先表示の変更がなされておりました。

 

 

 また、このタイプの車には、廃止・休止になりました北九州線「九十九島号」や熊本線「さいかい号」、また長崎~佐世保線の行先も入っておりまして、このうち上の表の15番ノンストップ 佐世保バスセンターがその名残でありまして、14番には同じくノンストップの長崎行きの行先も入っておりましたが、運行区間に入っていなかった事もありまして、行先の変更がなされていたようであります。

 

 

 さて、そんなこの2台は、導入当初はこれからご紹介します運用がありまして平戸営業所に所属しておりまして、これからご紹介します路線に使用されておりまして、上の表にある行先は使用されておりませんでした。今回は、過去の画像よりその姿に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 それが、平戸~伊万里~唐津~前原~福岡間で運行されておりました「快速特急」でありまして、運行区間からもわかりますように、西肥バスの車両が昭和自動車(昭和バス)の路線に乗り入れる形で運行されていた訳でありますが、かつては昭和バスも同様にこの快速特急も運行されておりまして、博多駅~唐津~平戸口桟橋間で運行されておりました。しかし、その後昭和バスが撤退、西肥バスが単独運行になりまして平戸桟橋まで延長されるも、平成14年にこの快速特急は廃止になっております。
 
 (平成3年昭和バス時刻表より、赤線部分が快速特急の部分です、当時は西肥バス1往復、昭和バス福岡→平戸口間1本、平戸口→唐津間(伊万里→唐津間普通)で運行されておりました。)
 
 (唐津→前原→福岡時刻)
 
 (福岡・唐津→伊万里→佐世保・平戸口時刻)
 
 

 この快速特急の停車地は、西肥バス運行時の末期は以下のようになっておりました。 平成14年に廃止と言う事で、前年平成13年に昭和バスは西九州自動車道~福岡都市高速が直結した事で、新生「からつ号」として運行されておりましたが、快速特急は引き続き国道202号線の下道を経由しまして運行されておりまして、前原停車がそれを伺わせておりましたし、東唐津停車もかつての東唐津駅があった名残も見られていたのではないかと思われます。

 

 平戸桟橋~平戸口桟橋~松浦バスセンター~伊万里バスセンター~唐津バスセンター~東唐津~前原~西新修猷館前~天神~博多駅

 

 ちなみに、「からつ号」が福岡都市高速~西九州自動車道と直結していなかった頃は、下道区間都市高速百道ランプ~西九州自動車道周船寺インター間の国道202号バイパスや交差点では渋滞する姿が見られておりまして、所要時間も稀に快速特急の方が早くなると言う現象まで見られていたそうです(以前利用されていた方談)・・・。

 

 

 さて、ここからはかつての画像からご紹介してまいります。画像は、平成11年に撮影しておりました、今はなき伊万里バスセンターでのシーンでありまして、この時はF499が使用されておりました。
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 このかつての画像でわかりますのが、行灯の部分に広告・種別板が取り付けられていた事でありました。つまり、その後の上の画像の「させぼ号」転用後の姿のように「西肥バス」の行灯がある部分を隠していた事がわかるのではないかと思いますし、路線バスみたいな印象が見られていた事が伺えていたように思います。
 
 また、以下画像にもあります側面も公式側に非常口が設置されていた所がかつての九州急行バス時代の印象を残していながらこの路線に運行されていた事もわかるのではないでしょうか。尚、シートは3列シート・トイレつきである訳ですが、この時は装備してありましたテレビ・オーディオのサービスはラジオ以外行われていなかったようでありまして、他にトイレ以外は活用されていなかった事も伺わせておりました。
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 私自身も、当時の事は覚えておりましたが、この時の印象は、元々が利用客もいらっしゃらなかった所が残念な所ではなかったかと思っております。実際に、車両もこのように変わったりしましててこ入れを行っていた事もわかりますが、その後「からつ号」が運行されていた中でも一般道経由で運行されていただけに、これが西九州自動車道・福岡都市高速経由に移していたならばどうなっていたかとも思う所ではなかったでしょうか。
 
 特に、伊万里~福岡間では「いまり号」の派生路線としても良かったのですが、ちょうどこの頃には会員制高速ツアーバスでした、旧「YOKAROバス(現・さつき観光)の存在もありましたので、「快速特急」自体もより廃止となる材料が見られていた事も仕方がなかったようにも思います。
 
 
 尚、これら専用車は、冒頭からご紹介しておりましたように、廃止後に旧大野営業所に転属しまして「させぼ号」専用車に、さらに北部営業所に移りまして、平成25年に廃車となるまで運行されるに至っておりました。
 
 
 また、3月末には「快速特急」の運行区間でありました、伊万里~松浦間の廃止も予定されております。現在は普通便しか運行されていないこの区間ではありますが、松浦~平戸間とともにそうした路線バスしか運行されていない事に関しましては正直残念でありますし、西肥バス自体が運行されなくなる事自体も残念であると言えましょうか。
 

 

 今回は、西肥バスの九州急行バスからの移籍車による平戸~福岡間の「快速特急」の姿をご紹介しましたが、タイトルのように廃止となりまして今年で23年になります。車両自体も、「させぼ号」以外にも活躍歴が見られていた事がわかりますが、「快速特急」時代の姿からも、かつてはそうした姿が見られていた事がわかるのではないでしょうか。しかも、これまでも述べておりますようにこれら車に関しましては九州急行バスよりも長い在籍でしたので、より西肥バスの印象が濃く見えていたようにも思う所です。ご覧の皆様も、かつてこう言った路線も存在されていた事を存じていただければとも思っております。
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 (注)当時の撮影技術上、画像が荒い部分があります事はご容赦ください。