西日本鉄道(西鉄)の天神大牟田線・太宰府線では、平成29年まで特急形の8000形電車が存在しておりまして、白地に赤ラインの特徴ある電車の姿を見る事ができておりました。
この8000形電車は、福岡(天神)〜大牟田間の特急や、特急列車の運用に加えまして朝夕に運行します普通列車の運用、そして急行列車の運用までつく事もあるなど、3種別をこなしてもいましたので、その分ご覧の皆様の中にも乗車する機会があったのではないかとも思います。
しかし、特急用電車として運行されるようになっていた事が仇となりまして、早くに老朽化が見られ始めておりまして、最初に導入されました8051Fに関しましては約520万キロ、柳川観光列車でもありました先代「水都」こと8061Fに関しましては約580万キロと、この走行は42年で廃車となりました5000形電車5101Fの約540万キロからしますと破格の走行距離を走っておりまして、そういった事もありましてメンテナンスが追い付かなくなった事から、29年経過しました平成29年までに全車引退、そして解体に至っておりました。
そんな残念ながら全廃となりました8000形電車と言いますと、一番の目玉でありました所は、何と言いましても以下画像にあります12席の展望席ではなかったでしょうか。今回は、懐かしさを惜しみつつ、以前撮影しました8000形電車の展望席に関しまして皆様にご紹介してまいります。
この8000形電車の展望席は、前方一つ目の扉の前に存在しておりまして、タイトルにもありますように合計12席が設けられておりました。しかも、西鉄電車では特急料金自体設定されておりませんし、この8000形電車自体も先述のように特急列車以外にも急行列車・普通列車でも使用されておりましたので、8000形電車の先頭車両ではその12席の方が先に埋まるほど人気がある座席でもありました。
確かに、上の画像のように必ずと言っていいほど席が埋まっている訳ですから、利用客が非常に多い福岡(天神)駅から乗車の場合は特に争奪戦ではなかったかと言ってもいいのかもしれない所ではあります。
尚、この片側6席を覆っておりましたのが、以下画像の大窓でありました(画像は平成22年撮影)。残念ながら最前部1列目を狙えなかった方ても、この2・3列目にお座りの方は、その窓からも車窓を大きく眺める事ができておりましたので、この12席はまさに貴重な席であったと言ってもいいのではなかったかと思います。
私自身、平成元年の運行開始より何度もこの12席のどこかに座っておりましたが、残念ながら最前部はあまりありませんでした。しかし、ラッキーで最前部に座られた際にはその乗車している間に眺めを楽しんだりする事ができておりましたので、本当にこの席の存在も大きかったのではないかとも思うほどでした。
今回は8000形電車の展望席12席に関しましてご紹介しましたが、先述のように残念ながら平成29年までに全車引退しておりまして、もうこの電車自体の姿を見る事はありません。確かに、運行開始から25年以上経過しておりまして、かつ走行距離も従来車両よりも長く走っていましたので、その分老朽化が進んでいた事にも間違いなかったようですが、そんな中でも、この展望席の人気はこの8000形電車特有な所もあったようではあります。とにかく、ご覧の皆様の中にも利用された方もいらっしゃるのではないかとは思われますが、その存在は現存しない分いつまでも記憶に残して欲しい所ではあります。