鉄旅と温泉⑤-2(三朝温泉)

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 出雲市で一泊した翌日は借りていた駅レンタカーを出雲市駅で返却して山陰本線で鳥取県の倉吉駅へ向かいます。

 乗車したのは伯備線経由で岡山駅と出雲市駅を結ぶ陰陽連絡特急「やくも」です。

 翌年に引退が決まっている381系特急型電車。国鉄特急型電車が最後まで定期列車として活躍をしていました。

 381系は平地が少なく山間部における急な曲線が多い我が国の在来線における到達時分の大幅な短縮を実現させるために日本国有鉄道(国鉄)が開発した急なカーブでも高速で通過できる車体傾斜式(自然振子式)という構造を持つ車両です。


 車体の軽量化を図るためアルミ車体とし、重心を下げるため冷房機器などの屋上機器を全て床下に収納、車体裾も大きく絞ったタマゴ形の車体断面を持つこの車両が大きく車体を傾斜させて急曲線を高速で通過する姿はカッコよかったものですが、当初は高速で曲線を通過するため遠心力による揺れも大きく乗り物酔いをする乗客が多発するなど悪評にも晒された車両でした。しかし、以後、JR各社の特急型車両にはこの遺伝子を持った車両が多く誕生して到達時分の短縮を実現させた功績は大きい車両でもありました。


 中央本線塩尻駅以西(通称•中央西線)及び篠ノ井線電化完成に合わせて昭和48年(1973年)に名古屋〜長野間の特急「しなの」でデビューしました。

 その後はやはり急な曲線が多い阪和線•紀勢本線の特急「くろしお」に導入され、さらに伯備線電化に合わせて特急「やくも」にも導入されました。

 国鉄分割民営化以降、「しなの」「くろしお」は新型電車に置き換えられ、紀勢本線で走っていた車両は一時期北近畿地区な特急列車へと転用された時期もありましたが、その後は新型車両に置き換えられています。

 伯備線の「やくも」はいつまでも新型車両に置き換えられることなく381系が使用され続けていましたが、とうとう昨年順次新型車両に置き換えられました。これにより国鉄時代に製造された特急型電車は定期列車から姿を消しました。


「やくも」には米子駅まで乗車しました。

 米子駅で乗車してきた「やくも」を見送ります。

 ここから乗り継ぐ特急列車までの時間が少しあったので米子〜境港を結ぶ境線の鬼太郎列車を眺めたり駅の外に出て駅前をぶらぶらと徘徊しました。




 米子駅前のこの風景、宮沢賢治の出身地である岩手県花巻市の花巻駅前だよと嘘をついても騙されてくれそうな気がします(向こう側に見える米子郵便局の大きな建物が無ければですが•••)。

 米子駅からは特急「スーパーまつかぜ」に乗り継ぎます。


 倉吉駅で下車して、こちらでも予約しておいた駅レンタカーに乗り換えて三朝温泉へ向かいます。


 宿泊したのは「木屋旅館」

 私たち夫婦好みの古い和風旅館だったので予約した旅館です。


 三徳川に面した部屋です。

 チェックインしてから温泉街を散策しました。


 昭和の温泉街といった匂いが漂う温泉街の風景は私が好きな景色です。


 射的に手動ハンドルのパチンコ、スマートボールなど昔はどこの温泉街にもありましたよね。


 スマートボールで遊んだのは何十年ぶりでしょうか•••?










 三朝温泉は以前から訪れたかった場所です。

 世界的にも希少な高濃度の放射能泉です。懐かしさを感じる温泉街の風情は再訪したくなる温泉のひとつです。

 次回は再び出雲市へ戻ります。