当ブログでもこれまでもご紹介しておりますように、筑肥線(唐津~姪浜間)・唐津線(唐津~西唐津間)・福岡市交通局(福岡市地下鉄)空港線(姪浜~福岡空港間)におきましては、JR九州の車両では上の画像の305系電車、そして303系電車が活躍しておりまして、これら2形式の電車におきまして、全線にわたりまして運行されております。
この運行区間では、特に筑前前原~姪浜間はJR九州の駅別ランキングで50位以内に入りました駅が複数存在している区間でもありますし、路線別でも上位に入っておりますので、その分需要は高い事が伺える区間でもあります。
そんなこの2形式は、上の画像1の303系電車が平成11年より、画像2・以下画像の305系電車が平成27年より運行されております。そんなこの305系電車も今年で運行開始から10年になりますが、その間にも多くの乗客を運んでいる訳でもありますので、それだけこの区間を支えている事には間違いないようではあります。
(W1編成)
一方、これら区間を運行しておりましたが、残念ながら撤退しました電車も存在しておりまして、それが103系1500番台電車でもありまして、現在はワンマン運行を行う3両固定編成が西唐津・唐津~筑前前原間におきまして運行されておりまして、この区間の主力として引き続き存在感を見せております。この中には、これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、E12編成によりまして「国鉄塗装」に塗り替えられた編成も見られておりまして、大変注目を浴びております。
(E12編成)~クハ103-1512(姪浜方先頭車)とクモハ103-1512(西唐津方先頭車)
(E17編成)~クハ103-1517(西唐津方先頭車)とクモハ102-1517(姪浜方先頭車)
けれども、平成27年に305系電車に置き換えられる前、この103系1500番台電車は筑前前原~姪浜・福岡空港間でも運行されておりました。その結果、32年もの間運行されてまいりました筑前前原駅以東で運行されてまいりました6両編成での運行も終了と言う事になりまして、6両固定編成は残念ながら全廃に至っております。
尚、103系1500番台電車のクハ103形ではATC使用停止工事が行われておりまして、実際に「ATC使用停止工事済」と書かれたシールも見られております。つまり、福岡市地下鉄線内にはもう入る事ができなくなっている事がお分かりいただけるのではないかと思います。
さて、今回ここからご紹介しますのは、10年前の平成27年撮影画像より、その全廃となりました6両固定編成車に関しまして、最後の姿を収めておりましたので皆様にご紹介してまいります。
この6両固定編成車は、E01~E10編成の計30両からなりまして、305系電車への置き換えの対象編成でもありました。ちなみに、E01~E10編成と述べておりますが、編成番号自体は3両一組で表しておりまして、小倉総合車両センター(←小倉工場)入場時には3両一組での入場となっておりましたので、3両ずつ編成番号が記されておりました。
103系1500番台電車の6両固定編成車は、平成26年暮れに小倉総合車両センターに最も状態が悪かったE02編成が最初に廃車回送が行われまして、その後同所において解体がなされました。そして、以下画像にあります相方のE01編成に関しましても、平成27年2月に小倉総合車両センターへ廃車回送、その後解体が「執行」されております。


一方、他の6両固定編成車であります。これら車両は最後の編成が平成27年3月3日まで運行されておりまして、これら編成も運用を終了します「その日」まで元気に運行されておりました。
まずは、E03+E04編成であります。この編成は、平成27年2月10日に後述の竹下駅構内へ回送されるまで画像のように元気に運行されておりました。しかし、後述の画像からもわかりますように車体の状態も良くなく、そんな中で西唐津~福岡空港間を運行しておりました。




次は、E05+E06編成であります。この編成は、平成27年2月20・21日の2日間かけまして、門司駅構内へ回送されるまで運行されておりました。この画像は平成26年暮れに撮影しておりました画像を掲載しておりまして、E05編成先頭での姿での画像を掲載しておりますが、E06編成先頭での画像をうまく収めていなかっただけに悔やまれる所でもありました。


次は、E07+E08編成であります。この編成が後述のように最後まで残りました6両固定編成でありまして、平成27年3月3日に運用を終了、3月10・11日の2日間かけまして門司港駅構内へ向けて回送されました。尚、この編成が最も状態がいい編成でもあった訳でありますが、やはり流れ上離脱となってしまった事は正直残念な所ではなかったかと思っております。
そして、E09+E10編成であります。この編成は後述のように平成27年2月26・27日の2日間かけまして門司港駅構内へ向けて回送されておりました。この編成に関しましても、状態も比較的悪くはない状態でもありましたが、こちらも流れ上離脱となってしまった事はやはり残念でならない所ではないかと思う所であります。
(平成27年1月末撮影)


(平成27年1月末撮影)


こちらの画像は、平成27年2月26日所属先でありました唐津車両センターから戻らない旅へ発つ前のE09+E10編成の姿であります。先頭には、非電化区間であります唐津線(唐津~久保田間)を通りますので、先頭にはDE10 1756号機が立っておりました。


この時には、横に305系電車W4編成の姿もありました。このW4編成自体も運行開始してからまだ日が浅い訳でもありましたが、まさにこの姿を見ますと新旧のバトンタッチがなされていたように思いました。見ていて、103系電車側が・・・
「俺はもう後がないが、とにかく後は頼むぞ」
と述べ、305系電車側が・・・
「わかりました、これからは筑肥線を支えて行きますので、安心して休んでください」
こちらの画像は、平成27年2月10日に唐津車両センターから竹下駅構内へ向けて回送されてきましたE03+E04編成であります。竹下駅のホームからもこの姿を見る事ができておりまして、この後向かう事になります小倉総合車両センターへ行く前の疎開留置がこの駅構内でなされている姿が竹下駅のホーム内からも見る事ができておりました。もちろん、この電車は直流電車ですので、交流区間は走る事ができないのはあとは廃車回送しかない事をも伺わせる姿でした。




先述のように、この編成の姿を見ましてもわかりますように、状態が良くない事が見ていてわかるのではないかと思います。よく見ましても車体上部にはパテ埋めしたような跡が残されているなど、正直痛々しい事が伺えていたのではないかと思います。やはり、筑肥線も玄界灘沿いを走る路線、ですから痛みも激しくなるのもわからなくはないのではないかとも思います。
ちなみに、クハ103-1504と言いますと、平成10年に今宿駅構内で発生しました強風による転覆事故で被害にあった車両でありました。その後、当時の小倉工場において修復を受けまして運用復帰しましたが、こう言った事もありまして、筑肥線内で強風(暴風)がありました際には運転見合わせが多くなるきっかけにもなっている事を忘れてはいけないのではないかと思います。
それにしても、竹下駅ゆえ交流電車が頻繁に走っておりますが、直流電車でありますこの103系電車は自走する事は当然できません。ですから、この画像のように813系+817系電車の姿を見ましても自走ができない訳でもありますから、正直無念とした印象は避けられないのではないかとも思う所ではなかったかと思います。尚、この編成はこの年の12月15日までこの地に留置しておりましたが、残念ながら小倉総合車両センターに廃車回送、その後解体されております。


こちらの画像は、平成27年3月3日に筑前深江駅にて撮影しておりました、6両固定編成では最後まで残りましたE07+E08編成でありますが、この日の運用を最後に定期運用からは離脱、以降は3両固定編成×2編成によりまして103系電車の運用がなされる事になりました。


そのE07+E08編成運用離脱2日後の画像です。よく見ますと、隣には305系電車W5編成との並びも収める事ができましたが、画像からもわかりますように行先表示は「回送」となっておりまして、以降この唐津車両センターを出るまでもこの表示は変わりませんでした。


こちらは、小倉総合車両センターにおきまして、解体待ちとなりましたE05+E06編成の姿であります(工場祭り時に撮影)。この編成と言いますと上の画像の305系電車W4編成との姿が懐かしい所ではありましたが、E06編成は編成がばらしてある姿もありまして、まさに最期の姿を見る事ができたんだなという事を実感させるような姿でもありました。
今回は、今年で引退から10年になります、103系1500番台電車6両固定編成の最期の姿に関しましてご紹介しましたが、引退からもう10年になりますし、それとともに後継車両の305系電車もデビューから10年になる訳ですので訳ですから正直早いものです。現在は305系電車自体も303系電車とともに中心的な存在となっておりますが、それまでは103系1500番台電車6両編成でしたので、この存在も正直大きかったとしか言えようがないでしょうか。とにかく、10年前にはご紹介したような姿が見られておりましたが、現存の3両編成とともに忘れないでいただきたいものであります。