2020年に運転を開始して以来、毎年時期により関西から山陽・山陰・南紀方面への期間限定の運転が定着し、その合間にはそれ以外の発着地を結んでの運転も行われているJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」(以下、「銀河」と略します)
「銀河」が登場した時には、他のJR各社でもこれと同様なコンセプトを持つ列車がいろいろ登場するのではないかと楽しみにしていましたが、今のところそのような列車はJR九州の「36+3」ぐらいしか見当たりません。(「銀河」は途中停車駅や車内での物販やおもてなしもあるのでその意味では長距離運転の観光列車としてとらえることもできますが)
しかし、全国的には「銀河」同様のコンセプトの列車を走らせることのできる路線やルートは数多く存在すると思われます。
特に路線網も広大でエリア内に含まれる観光地や都市も多いJR東日本が「銀河」タイプの列車を走らせないのは何とももったいない感じがします。
そこで、JR東日本エリアで「銀河」タイプの列車を走らせるとすればどのような運転形態になるか、勝手に妄想してみました。
まず、東日本版「銀河」の運転ルートとしてありそうなものを思いつくままに挙げてみたいと思います。
①首都圏ー青森間(仙台経由)
②首都圏ー秋田または青森間(羽越・奥羽線経由)
③首都圏ー仙台または盛岡間
④首都圏ー新潟間
⑤首都圏ー長野間(中央線・篠ノ井線経由)
と、一応他のJR各社にまたがらない区間としては、こんな感じになりますかね。
これらの運転区間の「首都圏」を具体的にどこの駅にするかについては、上野・東京・新宿・品川・横浜・大宮・八王子・千葉あたりが考えられます。
首都圏を通らないルートを設定することも考えられるでしょうが、集客面を考えるとどうしても首都圏発着に偏りがちになるのはやむを得ないかもしれません。
これらの運転系統のうち、①と③は、首都圏ー仙台間のルートにおいて、東北線と常磐線のどちらを経由するのかという問題がありますが、これは列車の運転形態(首都圏ー仙台間が昼行か夜行か)によって選択されることになるでしょう。もし①と③を同時期に運転するなら列車によってどちらの路線を経由するかを決めることもできるでしょう。
④についても、使用車種によっては上越線経由と磐越西線経由のいずれも設定可能になります。
また、③に関しては、三陸方面や山形方面へ延長運転することも考えられるでしょう。
ダイヤについては、
①は昼行運転または首都圏ー仙台間を夜行運転するダイヤ
②は首都圏ー新潟(または新津)間は夜行となるダイヤ
③は昼行運転(①の設定ダイヤによっては夜行もあり)
④⑤は昼行(多客期など夜行の需要が見込まれるときは夜行も)
とするのがよさそうです。
車両は「TRAIN SUITE 四季島」E001系のようなシステムとすれば、直流・交流電化区間の別、さらには電化・非電化の別に縛られずにルートや区間を選定できるのでよいのではないかと思います。
編成両数はルートや区間にもよりますが8~12両くらいが適当かと思われます。
社内設備は「銀河」のような構成がよいかと思いますが、「銀河」の3・5号車にあるような、リクライニングシート席や普通車指定席コンパートメント(ファミリーキャビン)やノビノビ座席(クシェット)にそれぞれ相当する座席はぜひ「銀河」よりも席数を増やしてほしいところです。
以上、JR東日本エリア(一部第三セクター路線へも乗り入れることにはなりますが)で「銀河」のような列車が走るとしたら、というテーマで妄想を広げてみました。
各地域ごとに走る観光列車もいいですが、そこへ向かう列車でも楽しい経験ができる列車が走るとなれば、特に沿線人口の多いJR東日本エリアではかなりの好評を博すことができるのではないかと思います。
JR東日本としては長距離輸送は自社の新幹線に誘導したいのは当然でしょうが、スピードや効率重視の新幹線では真似のできない「銀河」のような列車やサービスも長距離移動の選択肢として十分に提案する価値はあると思います。