JR西日本 新規車両導入計画は出ないのか
JR西日本の車両導入計画がどうなっているかについて久々に見ておこう。
2024年4月1日現在での車両導入予定状況を見ると以下の通りである(参考弊記事:JR西日本の保有車両2024年版が公開)。
・381系 約60両を新製車両に置換計画あり(投入予定時期 2023~2024年)
・113、115、117系 約100両を新製車両に置換計画あり(投入予定時期 2023~2024年)
※置換計画については、今後変更する可能性があります。
そして前者が273系「やくも」、後者が227系500番台Uraraである。273系もUraraも予定通りのそれぞれ44両、101両の増備が終わっている(鉄道ファン)。その他、増備の計画があったのは本線系統の225系である。こちらはそもそも2023年度までの計画で、現状本線系統から221系を追い出しきっている(ニュースリリース記載の、201系運用終了はまだである)。
…となると現状JR西日本は進行中の車両製作計画を抱えていないことになりそうである。今後本当にどうするのだろうかというのが気になるところである。まずは2024年6月の株主総会資料(資料作成は5月)をみてみると、
①当連結会計年度中に完成した工事のうち、主なものは次のとおりであります。
・車両新造工事(新幹線68両 在来線97両)
②当連結会計年度末現在施工中の工事のうち、主なものは次のとおりであります。
(中略)
・車両新造工事(新幹線16両 在来線173両)
(略)
ということになる。要は2024年度末時点で車両新造計画(目下作成中は当然含むだろうし、契約済も恐らく含まれる)が在来線で173両あるということになる。当然、273系と227系500番台の全てを足しても173両に満たないということになる。また、2025年度に向けた中期経営計画アップデート(ニュースリリース)があり、そのFAQを読む限り追加の投資で1000億円との記載と、(新幹線と)京阪神郊外における車両の老朽取り換えの前倒しが明記されている。
京阪神郊外と言えば、概ね京阪神地区の路線図とその若干外側辺りを眺めればよいとして、国鉄型電車を
・和歌山支社は227系1000番台で全て置き換わっている
・北陸エリアは521系と小浜線の125系と既に車両更新は済んでいる
・福知山支社の113系が10両残っている(JR編成表、配置表より)
・103系が加古川線に14両、播但線に18両残っている(同上)
・豊岡に気動車が19両残っている(同上)
とざっくりこの辺を足せば電車が42両、気動車が19両という形になる。統計(鉄道車両等生産動態統計調査)を見れば、JR向けの車両新造額をみると、新幹線以外の電車が1両平均1.1億円程度(※作成両数によって大幅に差が出得る)、ディーゼル車は3億円程度ということになる。小ロットの作成で電車1両2億円かかるとしておいても上記の置き換えでせいぜい150億円程度あれば置き換えが利くということになる。
なお、こちらは参考までになるのだが、「燃料電池車両開発の具体的な検討を開始」というリリースがあり、2030年代早期の運転開始としている。これはより中長期的に話が進む話であるため、別論であろう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません