KATO製のモハ164-0番台・初期旧製品(品番458)のトイレ側デッキ部分を切り継いで、回送運転台が設けられているモハ164-500番台に加工しました。この車両を、中央東線の急行「アルプス」に使用されていた姿に再現するには、パンタグラフを狭小トンネル対応で折り畳み高さが低いPS23に変更する必要があります。
パンタグラフは、KATO製モハ114-300番台用で、ASSYパーツの「モハ114 パンタグラフPS23」(品番74014-1F)を使用することにします。
PS16Aを搭載した湘南色のモハ164-500番台(左)と、PS23を搭載したスカ色のモハ114-300番台(右)です。パンタ上昇時には、極端な差異は感じません。
パンタグラフを折り畳むと明確な差異が現れます。スカ色に搭載されたPS23は、屋根にへばり付いたような姿勢になり、折り畳み高さの低い特徴が見事に再現されています。
連結面側から見た際にもパンタ上昇時の差異は殆ど感じません。
パンタ折り畳み時にはPS16Aの幅広感が目立つものの、この角度ではあまり差異を感じません。
パンタグラフを取り外すと、屋根板のパンタグラフ取付部の構造に違いがあることが明確に判りました。右側のPS23搭載用の屋根板には、パンタの置台と共に中央部に彫り込まれた溝が存在しています。
側面方向から見ても違いが良く判ります。
左側のPS16Aではパンタ置台が碍子と一体に表現され、2本の取付用ピンが中心部にあります。右側のPS23では碍子の下は取付用ピンになっており(置台は屋根板にあり)、枠組み下部の中心部にはパンタ上降設備が表現され突起物となっています。PS23を搭載する屋根板に溝が彫られていたのは、この突起物を回避するためでした。
以上のことから、モハ164-500番台にPS23を搭載するためには、屋根板に加工が必要ですので、スカ色車両の屋根板で寸法採りを行います。
パンタ置台は1.2mm×2mmの基台上に、φ0.6mmの取付穴が開いた1.2mm角の台が載り、最大高さが0.5mm。取付穴の間隔は、前後方向9mm・枕木方向7.5mm。一方、彫り込み溝は2mm×7.5mmで深さは0.5mm。直角に交わる溝は左端から左辺まで2.2mm、幅0.8mm×長さ2.5mmで深さは0.7mmです。(何れも物差しを当てて目視計測した値です)
【追記】 2025.2.6 後日、ノギスで改めて計測したところ、パンタ置台は一回り大きいことが判明。上記数値を変更して製作することにしました。
モハ164の屋根板を加工します。上記製品の様に中央部の溝を彫るの は難しいので、一旦開口して屋根裏から当て板で塞ぐことにしました。
最初にφ0.6mmのパンタ取付穴を4ヶ所開けて、元のパンタ取付穴から糸鋸で溝の開削に着手したところです。
中央部の溝に相当する穴が開きました。パンタを仮装着して当たりのないことを確認した際に、パンタ取付穴の内で左上が位置ズレが判明したので、φ0.6mmの刃を装着したピンバイスで削りながら微調整していました。この作業中に、あろうことかピンバイスが机上から床に転げ落ちる事故が発生。
ドリルの刃が見事に折れてしまい、作業はここで中断せざるを得なくなりました。(続く)
【関連記事】
・KATO モハ164-500に改造(14)