番外 平成28年改正、旧称肥前山口駅時代まで見られていた、783系運行の特急「みどり」分割シーン | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しています。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 長崎線で運行されております普通列車では、朝に運行されております門司港行き普通列車が、早岐駅(長崎県佐世保市)4920M肥前浜駅(佐賀県鹿島市)2824Mにおきまして、途中の江北駅旧称・肥前山口駅、佐賀県江北町)で併結を行いながら運行されておりまして、長崎線では江北駅→鳥栖駅間では最長の8両編成で運行されております(上の画像が鹿児島線黒崎駅で撮影していた4920Mです)。
 
 この列車は、811系電車による運用でありまして、早岐駅を5時33分発(4920M→2824M)、肥前浜駅を6時02分に発ちまして、門司港駅には10時31分着となっておりまして、運行距離は早岐駅からの場合は186.3キロ、肥前浜駅からの場合は164.4キロとなっておりまして、それだけ長い距離を運行している事も伺わせております。
 
 さらにこの運行列車は、長崎線の列車に加えまして、佐世保線からも途中の江北駅で併結して運行されております唯一の列車でありまして、かつて肥前山口駅時代、特急列車ではこれまでもご紹介しておりますように485系電車及び783系電車で存在しておりました「かもめ」「みどり」のような併結列車の姿が見られているのが特徴でもあります。そのため、8両編成と言った姿が見られておりまして、かつ長崎線江北~鳥栖間では最長の8両編成と言う編成が実現するにも至っております。
 
 
 その一方、下り列車ではこのような江北駅で分割しまして長崎線・佐世保線を走る事になる列車は残念ながら見られなくなっておりまして、平成30年までは817系電車で鳥栖→肥前山口(旧称)→早岐・肥前大浦間で運行されていた列車で鳥栖→肥前山口間で817系電車最長の6両編成でも運行されておりましたが、この改正によりまして3つの列車に分かれた事で、残念ながらその姿は見られなくなっております。
 
 けれども、現在も上の画像・以下画像にあります吉塚発早岐行き(2951M)におきまして、途中4両を江北駅で分割という列車が存在しておりまして、かろうじてそういった姿は見る事ができております。
 
 
 (分割シーン)
 
 (分割完了後)
 
 ちなみに、この運行は以前は415系電車で見られておりました。しかし、令和4年9月改正で811系電車に改められておりまして、現在415系電車自体は佐賀駅までしか長崎線で見られなくなっております(2825M→2826M)。
 
 (肥前山口駅分割シーン)
 
 
 さて、ここからご紹介しますのは、かつて特急「みどり」におきまして、783系電車の運行に限りまして、旧称の肥前山口駅で分割する運用が存在しておりました。今回はその話題に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 普段「みどり」では、これまでもご紹介しておりますように、博多~早岐間におきまして、ハウステンボス駅発着の特急「ハウステンボス」を連結する事もありまして、早岐駅にて分割・併結する運用が存在しております。
 
 (早岐駅分割シーン)
 
 しかし、これ以外にも「みどり」の運用も平成23年のダイヤ改正から平成28年のダイヤ改正まで肥前山口駅で分割する運用が存在しておりまして、高需要区間であります博多駅~佐賀駅間の混雑緩和に役に立っておりました。
 
 その肥前山口駅で分割して運行されておりましたのが27号(平成27年改正時の時点)でありまして、対象列車は肥前山口駅に到着しますと、画像の前4両の「ハウステンボス」編成を分割しまして、後4両が本来の「みどり」編成でもありますので佐世保駅へと向かう事になっていましたが、前4両の「ハウステンボス」編成は、肥前山口駅で乗客を降ろしまして、肥前山口駅の隣の駅であります肥前白石駅へ回送されておりました。
 
 
 この撮影時(画像はいずれも平成25年撮影です)、「ハウステンボス」編成では、行先表示は上の画像のみどり 肥前山口」(方向幕40番に設定)は出しておらず、既に「回 送」の表示でありました。尚、以下画像の行先表からもお分かりいただけますように、幕の「回送」の行先は23年3月の改正時に新たに追加されたものでありまして(方向幕29番)、以前はこれまでの「回送」位置であります3番まで戻さないといけなかった頃からしますと手間が省けておりました。
 
 (行先表)~平成25年当時、現在の行先とは異なります
 (幕の「回送」)
 
 (LEDの「回送」)
 
 
 「みどり」と「ハウステンボス」の分割面です。この783系電車では自動解結装置を備えておりますので、乗務員室にありますスイッチで解結する事ができますし、ほろ自体も自動でたたむ事もできますので、肥前山口駅に着いてすぐにこのような姿になる事も可能でありました。こう言った所もありまして、停車時間の短縮にも貢献しておりました。それにしても、「ハウステンボス」編成は後に橙色化されますが、この頃はカラフルな塗装であった所が懐かしい所でしょうか。
 
 
 さて、間もなく発車と言う事になりますが、発車前でも解結を担当しました駅員が連結面を見ながら発車を待っておりました。やはり、もしも解結していなかったらいけませんので。
 
 
 こうして、「ハウステンボス」編成の回送列車が肥前白石駅へ向かって行きました。この後しばらく肥前白石駅に停車しまして、折り返し肥前山口駅へ回送、そして佐世保駅からやってまいりました「みどり32号」の編成に連結しまして、肥前山口駅より8両編成として再び博多駅へ戻る事になります。
 
 
 「ハウステンボス」編成が去った後の「みどり」編成の姿です。この身軽な4両編成で、この後佐世保駅へと向かう事になります。ちなみに、LEDの愛称表示も点灯しているのも見ていてわかるのではないでしょうか。
 
 
 その後、平成28年のダイヤ改正におきましてこの変則の運用は廃止されまして、「みどり」における肥前山口→江北駅での分割・併結といった流れも見れなくなっております。また、同じく「みどり」として分割・併結列車が存在しておりました、早岐駅での分割・併結する運用もこの改正におきまして廃止されておりまして、早岐駅での分割・併結列車は「ハウステンボス」と分割・併結して運行される時のみとなっております。
 
 
 今回は、旧称肥前山口駅時代に見られておりました、「みどり」の分割シーンに関しましてご紹介しましたが、これまでもご紹介しておりますように、この江北駅では、かつては「かもめ」・「みどり」の分割・併結でよくにぎわっていたものでしたが、その姿が見られなくなった事からも時を感じさせられる所でもあります。そんな江北駅も、肥前山口駅時代から普通列車から急行列車・特急列車の分割・併結シーンが見られていた所からも、長崎線・佐世保線の要所としてふさわしい光景ではなかったかと思いますが、そうした光景が少なくなっているとは言えども残してもらいたい部分ではないかとも思う所ではあります。