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北海道の廃線跡探訪 第107回 士幌線(6/7)糠平~十勝三股間


1.ごあいさつ

ご訪問ありがとうございます。

北海道の廃線跡探訪 第107回 士幌しほろその6 糠平ぬかびら十勝三股とかちみつまたです。


糠平からの路盤は、メトセップまで自然歩道として整備されています
。トンネルは通れないので、迂回しなければなりませんが、季節によっては絶好の廃線跡歩きが楽しめます

なお、これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。

2.糠平~幌加

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1/5万地形図「糠平」昭和51年修正に加筆

路盤は、糠平からメトセップ(第4音更川橋梁)まで、北海道自然歩道「東大雪の道」となっている

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①糠平駅跡から幌加方を望む 2023年10月撮影

少し行くと糠平川橋梁があり、これもアーチ橋だが、新線のものなので1955(昭和30)年建造と新しく、転用にあたり両側に柵が設置され、路面も舗装されている。

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②遊歩道橋となった糠平川橋梁 2009年8月撮影
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②同 2009年8月撮影

つづいて第7糠平トンネル(67m)となる。
トンネルは通行できず、自然歩道は丘上を迂回している。第8(40m)・第9(116m)・第10(474m)もすべて同じ。

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③第7糠平トンネルの糠平方ポータル 2009年8月撮影
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④同 幌加方ポータル 2009年8月撮影

迂回路は急坂の山道だから、トンネルや橋梁のある鉄道のありがたさが実感される。

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⑤第8糠平トンネルの糠平方ポータル
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⑥第8糠平トンネルの幌加方ポータル

トンネルを遊歩道に転用するのは、安全対策や照明設備などで維持管理費用がかかるのはわかるが、短いトンネルなど活用できないものかと思う。

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⑦第9糠平トンネルの糠平方ポータル 2009年8月撮影
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⑧同 幌加方ポータル 2009年8月撮影

迂回路も自然に配慮はしているが、トンネルを通った方が自然へのダメージは少ないのではなかろうか。遊歩道となった旧国道のトンネルはそのまま活用されているのだが。

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⑨第10糠平トンネルの糠平方ポータル 2009年8月撮影
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⑩同 幌加方ポータル 2009年8月撮影

この自然歩道は、よくある廃線跡活用の遊歩道とは違い、国立公園内ということを配慮してか、安全確保のための柵や案内標識などが設置されている以外、舗装もされず、バラストも残っている。

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⑦第9糠平トンネルから糠平方を望む 2009年8月撮影
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1/5万地形図「糠平」昭和51年修正に加筆

三の沢橋梁は、国道沿いに駐車場があり、並行する国道橋から全景が見られる

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⑪三の沢橋梁にある案内板 2009年8月撮影
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⑪三の沢橋梁 2009年8月撮影
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⑪国道から見た三の沢橋梁 2023年10月撮影(タイトル写真は2013年2月撮影)

三の沢橋梁の先では「森のトロッコ鉄道 エコレール」が木製レール(現在は鉄板張り)を500m敷設、足こぎの木製トロッコを走らせている

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⑫路盤に敷かれたトロッコの線路 2009年8月撮影
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⑬トロッコ区間にある小橋梁 第1四の沢橋梁? 2024年5月撮影

1連アーチ橋の五の沢橋梁を過ぎると、路盤はタウシュベツ展望台への道とクロスする
休日には展望台を訪れる人も多く、国道にある駐車場に停めきれなくなるほどだが、自然歩道を行く人はほとんど見かけない。

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⑭五の沢橋梁 2014年9月撮影
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⑮タウシュベツ川橋梁展望台への道との交叉地点から幌加方を望む 2009年8月撮影

自然歩道終点のメトセップには第4音更川橋梁があったが、13連のガーダーや橋脚は撤去され橋台が残るのみになっている

案内板には、「糠平湖を巡る道」の終点は十勝三股、「北海道遺産を訪ねる道」の終点は「タウシュベツ川橋梁」とあった。はたして糠平湖を渡れるのだろうかと驚いたが、もはや実現可能性がなくなったのか、2023年には案内板はなくなっていた。
そのかわり、以前はあまりよい状態ではなかった路盤は、終点まできれいに整備されていた。
対岸を遠望すると、護岸の石垣の上方に幌加方の橋台がかすかに見えた。

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⑯途中に残る擁壁 2023年10月撮影
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⑰自然歩道終点 このときは終点の手前はヤブだった 左が案内板 2009年8月撮影
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⑰第4音更川橋梁の糠平方橋台 2023年10月撮影

第4音更川橋梁を渡った対岸で新線と旧線は合流し、国道の丸山橋の先で再び国道に近づいてくる。

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第4音更川橋梁を渡る十勝三股行き725D キハ12 5+キハ12 15 1978年9月撮影
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1/5万地形図「糠平」昭和51年修正に加筆

音更トンネルは、旧線のタウシュベツ川橋梁へ向かう林道の踏切跡から近く、内部には線路が敷かれたままになっていた
幌加方のポータルは国道の近くにあり、このトンネルも登録有形文化財になっている

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⑱音更トンネルへ向かう糠平方の築堤 2023年10月撮影
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⑲音更トンネルの糠平方ポータル 2023年10月撮影
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⑳同 幌加方ポータル 2023年10月撮影
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⑲音更トンネル内部 2009年8月撮影

この区間には、ほかにも小さなコンクリート橋やアーチ橋が散在している。

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㉑無名沢橋梁 2023年10月撮影
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㉒枯葉川橋梁 2023年10月撮影
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㉒同地点から幌加方を望む 2023年10月撮影

3.幌加~十勝三股

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1/5万地形図「糠平」昭和51年修正に加筆

幌加には一部の線路やホームが残り、駅名標も設置されている。
近くに駐車場もあるためか、近年は観光客をよく見かける。

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㉓十勝三股方から幌加駅跡を望む 2009年8月撮影
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㉓模造駅名標 2023年10月撮影
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㉓糠平方からホームを望む 2023年10月撮影
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㉓糠平方の線路終端から糠平方を望む 2023年10月撮影

1954年の洞爺丸台風による風倒木処理のため活況を呈したという駅附近も、今では人家は皆無となっている。

幌加の北には長さ109mの第5音更川橋梁があり、国道からもよく見える

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㉔第5音更川橋梁 2024年5月撮影
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㉔国道から見た第5音更川橋梁 2023年10月撮影

続く第6音更川橋梁は国道から少し入ったところにある。第5音更川橋梁とよく似た橋だが、長さは96mと少し短い。

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㉕健在だったころの第6音更川橋梁 2009年8月撮影

2019年春ころ、幌加方の河岸がえぐられ、橋台が下がったため、大きなアーチ部分が折れてしまい、崩落の危機にある
幌加方は路盤部分の骨材が失われ、空洞になった内部が見えていた。

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㉕同 折れた大きなアーチ部分 2023年10月撮影
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㉕同 幌加方より橋上を望む 2023年10月撮影
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㉖第6音更川橋梁手前の小橋梁 2023年10月撮影

十三の沢橋梁は林道を入り、路盤との交叉点から少し歩くと出会える。

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㉗十三の沢橋梁 2009年10月撮影

今回はここまでです。

おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回は、十勝三股附近と旧線区間です。

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