板谷峠の新トンネルはどうなる? | yesterday once more

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東北発。コレクションと旅日記です。

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 これを書いている時点で米沢市の積雪深は53cm。平年並みと言えるか。ちなみに福島市はゼロである。

この間に跨る板谷峠は勾配、曲線の条件に気候条件の厳しさが加わる。(おまけにイノシシ、シカの獣害も加わる。)

線路の条件は克服したものの大雨、大雪でウヤとなることも多い。災害の未然防止となればやむを得ないが、ちょうど昨日、山形県未曽有の投票率39%という信任投票で5選を果たした山形県知事はこれを強気で問題視している。

 最初からフル規格でなくともいいと言ったではないかという新在直通の新幹線、通称ミニ新幹線はしょっちゅう止まる。だからフルで造り直せというお考えのようだが話はそう簡単ではない。

 止まるたびに山形県庁うるさいなと思ったか、それとも運休になる減収分を回収できるならと思ったかは定かでないが、JR東が長大トンネルを新設する「調査」を行う事になっている。もちろん現時点では建設を確約していない。秋田新幹線の岩手・秋田県境の「仙岩峠」区間がトンネル新設で決まったことからここも、と山形県庁は勢いを得ている。「掘って掘って掘りまくれ。」というどこかの国の新任の大統領と気が合うかも知れない。掘るものがかなり違うが。

 それはそうとしてどこを通す想定なのか? たまたまこのあたりでスナップした写真が出てきた。手前が福島方、奥側が米沢方になる。

福島から笹木野、庭坂とほぼ直線で配線されたルートは庭坂小学校のあたりで右に緩くカーブする。さらに進んで広域農道を跨ぐところからさらに右カーブして峠にかかる。通称「庭坂の大カーブ」。ぐんぐん登っていくので少し感動する。

ここを建設したのは明治時代。長大トンネルを掘る技術などなかったのだから山にぶつかれば逆らわずに等高線にしたがって標高を稼ぐしかなかったのだ。

トンネルに入るとすればここで右カーブせずに直進して山にぶつけるのではないかと単純に考える。大縮尺の地図で見る限り、高速運転を妨げない曲線と標高を考慮して関根付近で既設線に接続するルートになるかも知れない。まあ、関連して関根駅をどうするかという議論があるだろうと思うが。

 仮に掘るとしても完成は20年か30年後になるだろう。完成のあかつきに「さよならE8板谷峠号」が運転されるかも知れない。そうなっても年齢的に自分は空の上から大カーブを眺めることになりそうだ。今のうちに写しておこうかとも思う。線路に寄るなら熊鈴を鳴らしながら。

 

くどい補足:写真はだいぶ前のもので、今は「釣堀跡」から線路沿いに少し下りたところに無線基地局のような施設ができている。携帯電話用にしては小さいが下からのアングルだと視野に入ってくる。

 

 

 

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