城野駅からは日豊本線を南下し、大分駅を目指します。途中、特急「ソニック」号に何度も抜かされました…。
日豊本線は全区間電化されているので、ここからは再び電車に乗車します。日豊本線の小倉口で運行される普通電車は、基本的に813系です。813系にはいろいろなバリエーションがありますが、中でもわかりやすいのが正面の上部が丸まっているものと平たいものがあることです。私が乗車したのは、上部が丸まっているタイプでした。乗車したのは普通列車の中津駅行きです。
日豊本線は博多駅―大分駅間の特急ソニック号が毎時2本運転されており、その間に普通列車が運転されています。小倉駅から行橋駅までは毎時3本、行橋駅より少し先の新田原駅までは毎時2本の普通列車がありますが、その先まで行こうとすると毎時1本しかないので、新田原駅よりも先に行こうとするときは、旅程を組む際に注意が必要です。
(苅田駅にて特急退避)
途中の苅田駅では後から来る特急ソニック号の退避がありました。特急ソニック号は減速することもなく、苅田駅をトップスピードで走り抜けていきました。日豊本線の普通列車に乗っていると、特に行橋駅を過ぎると車窓に緑が多くなりローカル線の雰囲気ですが、こうして高速で通過する特急列車の姿を見ると、都市間連絡を担う幹線であるということが実感されます。
中津駅では普通列車の幸崎駅行きに乗り継ぎです。乗り継ぎの列車は、別のホームに停車していたので、一度改札階に降りてからまたホーム階に登ります。中津市は福沢諭吉のふるさとであり、改札階のスペースにも福沢諭吉についての展示がありました。2024年7月から、渋沢栄一の肖像が描かれた新1万円札が発行されていますが、中津市の福沢諭吉への忠誠は揺らがないようです。
(福沢諭吉は不滅です!)
改札階からホーム階に上がる階段の隣には、斜行エレベーターが設置されていました。階段の隣にはエスカレーターが設置されているというのがよくあるパターンですが、斜行エレベーターというのはかなり珍しいのではないでしょうか。
(見どころがたくさんある中津駅)
ホーム階に上がると、駅の向かい側にあるショッピングセンターにも福沢諭吉のポスターが掲げられていました。やはり中津市の福沢諭吉への忠誠は篤いようです。
(ショッピングモールにも福沢諭吉)
普通列車の出発を待っていると、大分駅行きの特急ソニック号が入線してきました。この列車を先に行かせてから、私の乗る普通列車が出発するようです。ソニック号は高速で駅に進入し、一瞬だけ停車した後、すさまじい加速力で出発していきました。特急ソニック号は日豊本線の新幹線であるとも言われています。
中津駅を過ぎると、また一段と車窓に緑が増えてきます。宇佐駅までは平野部を走り、水田も多く見えます。ちょうどこの時期は田植えの時期で、水の張られた水田が美しく見えました。宇佐駅からは峠越えの区間になります。日豊本線は基本的に複線ですが、上下線が遠く離れて走る区間もあり、建設に苦労したことがうかがえます。
(中津駅を過ぎると車窓はこんな感じ)
宇佐駅―杵築駅間は、日中は普通列車の間隔が数時間空くこともあり、青春18きっぱーの難所としても知られています。大分・宮崎県境の宗太郎越えほどではありませんが、峠越えの両方ともが同じ県であるのにこれほど運転間隔が空く区間は珍しいのではないでしょうか。とはいえ、特急列車は日中も多数運転されているので、大回り乗車の場合はこちらを利用すれば問題ないです。
今回は、運よく幸崎駅行きの便に乗ることができたので、特に不自由はありません。途中の大神駅では、再び特急列車の退避がありました。このような時でなければ訪れることもないので、ホーム上に出てみます。
(現在のものとは微妙にフォントが異なる(?)駅名標)
駅舎には、相当古くからあるだろう駅名標が掲げられていました。しばらくすると、やはりトップスピードの特急ソニック号が、ホームを駆け抜けていきました。日豊本線では多くの駅で、特急列車が高速で通過できるように、線路を改良しているようです。
(古めかしい駅名標はこちら)
大神駅を出ると別府の街に入り、別府駅を過ぎると別府駅を迂回して大分の市街地に入ります。大分駅周辺は高架化されていて、高架区間に入ったと思ったら大分駅に到着です。
(大神駅にて特急退避)