転轍器

古き良き時代の鉄道情景

C5530

 吉松のC5552・57が終わった後、旭川のC5530・50が最後のC55となった。撮影時は2輛のC55とC5787で宗谷本線旭川稚内間の長距離客車列車を牽いていた。DD51が就くこともあるなかC5530〔旭〕と会えたのは幸運であった。
 シールドビーム予備灯、回転火の粉止めで長く見える煙突、デフステイ上のつらら切りと旋回窓がいかつく映る北海道仕様機は九州のC55とは全く印象が異なる。 321レ 宗谷本線天塩中川 S49(1974)/9/14

 「鉄道ジャーナルNo.27昭和44(1969)年10月号」(鉄道記録映画社)に掲載された列車追跡シリーズはC55重連急行“利尻2号”であった。『天塩中川には6分30秒延で到着、あたりに見える酪農家はまだ眠っていた。人影の無い北辺の町に軽やかなドラフトを残して、2両のC55は天塩中川を後にする』と改めて読み返し、私が味わった宗谷本線の旅情と重ね合せて感動を享受する。