伊那本郷駅【長野県】(飯田線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
長野県飯島町南東部、河岸段丘の斜面に広がる農村地帯に位置する飯田線の駅で、飯田線では珍しく上下線別で出入口が完全分離されている、
伊那本郷駅 (いなほんごうえき。Ina-hongo Station) です。
標高645mです。
  
  
駅名  
伊那本郷駅 (駅番号なし)  
 
所在地    
長野県上伊那郡飯島町    
 
乗車可能路線  
JR東海:飯田線  
 
隣の駅  
豊橋方……七久保駅    
辰野方……飯島駅    
  
訪問・撮影時  
2022年5月     
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1918年開業)。
駅舎………………東側のみに2009年改築の簡易駅舎あり(東口)。
出入口……………東口(豊橋方面のみ)と、西口(辰野方面のみ)あり。
バリアフリー……×(辰野方面は階段のみ。但し豊橋方面はスロープ設置で対応済。
          車いすの場合はJR東海へ連絡を)。
点字ブロック……豊橋方面は駅出入口~駅舎内~ホーム間に設置。
        辰野方面はホームのみに設置。
駅前広場…………×(但し東口駅前は道路が拡がっていて送迎車の停車は可能。
          最寄りのバス停留所は東口の約180m東にあります)。
 
 

現在の伊那本郷駅はホーム間を結ぶ通路がありません。
各ホームごとに出入口が設置されていますので、行先により利用するホームを選択する必要があります。
右が上り豊橋方面1番線ホームで、簡易駅舎が併設されていて、バリアフリー対応です。
左が下り辰野方面2番線ホームで、駅舎は存在せず、階段で直接ホームへ上がる形になります。バリアフリー非対応です。
尚、両ホーム間の移動は駅前の踏切を渡れば容易に可能です。
写真は辰野方(北)を望む。
 
 


上り豊橋方面1番線ホーム中ほど豊橋寄り(南側)に面して設置されている、東口駅舎です。西を望む。
以前は木造駅舎が使用されていましたが、2009年に現在の駅舎へと改築されました。
中には待合室があるのみの簡易駅舎となっています。駅舎の右側には機器庫が併設されています。
駅外と駅舎には高低差があり、階段とスロープで段差を解消しています。
尚、駅前広場はありませんが、写真左後方の坂下に地域の広場があり(ごみステーションなどとして利用)、そこの一角に屋根付きの無料駐輪場と電話ボックスがあります。
また、駅舎前から左へ進めば前述の踏切に到達し、渡った先の右側には2番線ホームの階段(西口)があります。
 
 

東口駅前です。東を望む。後方に駅舎があり、右手が西口方向です。
右前方に前述の広場があります。
駅前は田畑が多く、その中に小さな農村集落が形成されています。商店は見られません。
また、前方(東)へ向かって標高が下がり、約400m先には河岸段丘崖があります。
崖下には本郷の中心集落が形成されています。
写真奥には山地が見えますが、その山地との間に深い谷があり、その谷底に本郷の中心集落があり、天竜川が北から南へ流れています。
 
そして、駅周辺エリアの北側には天竜川の支流である与田切川の河岸段丘崖があり、崖下を与田切川が西から東へ流れて天竜川に注いでいます。
飯田線は与田切川の深い谷(田切地形)を避けるため、谷が浅い西側へ線路を迂回させて与田切川を渡っています。地図や航空写真で見るとオメガカーブを描いているように見えます。飯田線沿線には田切地形が複数あるため、飯田線にはいくつものオメガカーブが存在します。一方、近年に開通した国道153号線伊南バイパスは、橋脚の高い橋梁を建設して、直線的に与田切川の田切地形ごと乗り越えています。飯田線もショートカットを……と思ってしまいますが、飯田線でこれをすると余部橋梁まではいきませんがそれに近い橋になってしまうので、所要時間短縮と引き換えに落下のリスクも伴ってしまいます……。
 
 


東口簡易駅舎内です。上写真は西を、下写真は南を望む。
事実上、上り豊橋方面1番線ホームの待合室として機能しています。
上写真左側の待合室にはベンチがありますが、冷暖房が未設置です(下写真)。
そして通路右側の壁面には時刻表と近距離運賃表が掲出されています。
 
駅員配置………無人駅(2009年無人化)。
自動改札機……なし(無人駅なのでそのまま入場・乗車可能)。
ICカード………利用不可(エリア外。ICエリア内から
            乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
幅広通路………駅舎内は車いす通行可能。点字ブロック設置。
自動券売機……なし(乗車後に車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は乗車時に整理券をお取り下さい)。
自動精算機……なし(乗車列車の車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は下車時に運賃をお支払い下さい)。
その他設備……ホーム側出入口左手に集札箱あり。
トイレ…………なし(訪問時は事前に列車内で済ませておいて下さい)。 
売店……………なし(飲料自動販売機すらありません)。  
コンビニ………なし(1km圏内に店舗はありません)。
 
 

尚、簡易駅舎とホームの間にも高低差があります。
簡易駅舎内を通り抜けて、右側(辰野方。写真前方)の階段orスロープ、または左側(豊橋方。写真後方)のスロープを登ると上り豊橋方面1番線ホームに到達します。
スロープにより駅外とホームが段差無しで結ばれているので、東口~1番線の間はバリアフリーに対応しています。
しかし2番線が階段のみで段差が解消されておらず、また構内踏切など両ホームを直接結ぶ通路が無いため、伊那本郷駅は実質的にバリアフリー非対応です。車いすで伊那本郷駅をご利用の場合、行き帰りのどちらかは必ず2番線を利用しなければならないため、事前にJR東海へお問い合わせ下さい。
写真は辰野方を望む。
 
 

こちらは駅舎を通り抜けて左側(豊橋方)のスロープです。
点字ブロックが設置されていて、このスロープの方がバリアフリー通路と言えます。
但し手すりが無く、左側の柵を代用するしかないので注意が必要です。
写真は豊橋方を望む。
 
 

1番線ホームより駅舎を望む。
出入口の左側にきっぷ回収箱があります。
 
 


こちらは下り辰野方面2番線ホーム豊橋方の端に設置されている西口出入口です。
前述の通り西口には駅舎がありません。
踏切前に出入口があります。階段のみの出入口でバリアフリー非対応です。
また、出入口は車道に面していますので、自動車や自転車などに注意が必要です。
踏切を渡って道なりに左(北)へ進むと前述の東口駅舎に到達します。
尚、西口側にも駅前広場は無く、駐輪場もありません。
上写真は東を、下写真は北を望む。
 
 

西口駅前です。2番線ホームより西を望む。
左側に西口出入口と踏切があります。
奥へ伸びるのは踏切道で、坂道となっています。
西口駅前は河岸段丘の斜面になっており、民家は少ないです。
 
 

西へ延びる坂道を登ると、斜面の上に到達します。
比較的平坦で、田畑が広がっていて、民家が点在しています。
奥には中央アルプス(木曽山脈)の山々が連なっています。
西を望む。
 
 



西口には駅舎が無い代わりに、2番線ホーム中ほどに密室型の待合室が設けられています。
1枚目と3枚目は辰野方を、2枚目は1番線より西を望む。
待合室は1966年の交換設備設置時に造られたと思われ、当時は斬新なデザインだったのでしょうね。
空調はありません。内部にはベンチがあり、壁面には近距離運賃表や時刻表が掲出されています。
きっぷ回収箱はホーム出入口前に設置されています。
 
 

2番線豊橋方の端には出入口があり、その脇の柵にはきっぷ回収箱が掛けられています。
豊橋方を望む。
 
 

2番線に設置されている建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、飯田線において、豊川駅より北(辰野方)の各駅においては駅ナンバリングが導入されていません。
 
 



駅構造……地平駅(南北方向)。
配線………相対式ホーム2面2線(交換可能駅)。
 
右(東)は1番線で上り飯田・豊橋方面、左(西)は2番線で下り駒ケ根・辰野方面です。
  
ホーム有効長……4両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭いです。
上屋(屋根)………1番線のみ(中ほど手前側豊橋寄りの1両分に設置)。
ホーム上設備……待合室(2番線のみ。ベンチ有)。
        1番線は駅舎内待合室のベンチを利用して下さい。
 
1番線中ほど豊橋寄りに面して東口駅舎・出入口があり、2番線中ほど辰野寄り(奥側)に待合室があります。
1番線は上屋がありますが、2番線は待合室内または待合室の庇(全長2mほど)、そして豊橋方の出入口近くにある小さな屋根でしか雨をしのげません。
また、両ホームの辰野方の端(手前側)には構内踏切があり、その前後はスロープになっています。
そして、2番線の豊橋方の端には西口出入口があります。
 
1枚目と2枚目は1番線より、3枚目は2番線より、全て辰野方を望む。
 
 



1枚目は1番線(左)より、2枚目と3枚目は2番線(右)より、全て豊橋方を望む。
 
 


上写真は1番線より、下写真は2番線より、いずれも豊橋方を望む。
2番線はホーム端に西口出入口があります。
各ホーム端の先には踏切があります。
また、飯田線は複線に見えますが、カーブの先ですぐに単線へと戻ります。
 
この先、右へカーブしながら河岸段丘の上へ登ると農村風景の中を南下しますが、やがて小さな川の田切地形を避けるため大きく右へカーブして進路を西に変えます。左側の森の底に小川が流れています。しばらく西へ走ると左側の谷が無くなると同時に森が途切れ、ようやく左へカーブして田切地形を形成することになる小川を簡単に渡ります。その後は比較的平坦な農村風景の中を南西へ走り、やがて右側に住宅地が現れると七久保駅へと至ります。
 
 


上写真は1番線より、下写真は2番線より、いずれも辰野方を望む。
各ホームの端にはかつて使用されていた構内踏切の跡が一部残っています。各ホームとも階段ではなくスロープで連絡していました。
この構内踏切が今もあれば伊那本郷駅はバリアフリー化できていたのに…と思ってしまいます。
また、こちら側はホーム端のすぐ先で2本の線路が合流しています。
 
この先、すぐに大きく左へカーブして、森の中を走りながら与田切川の河岸段丘崖を下っていきます。そしてある程度下ると今度は大きく右へカーブしながら集落の中を通り、進路を北東寄りにまで変えると与田切川を渡ります。橋梁はさほど高くありません。その後、さらに右へカーブして進路を東寄りに変えると今度は森の中を走りながら河岸段丘崖を登ります。そして段丘上まで登り切ると森は途切れ、田畑の中を大きく左へカーブして進路を北に変えると住宅地の中を走るようになり、飯島駅へと至ります。
  
  
あとがき  
下車(乗車)時・・・2022年5月    
 
相対式ホーム2面2線の交換可能駅ですが、構内踏切や跨線橋は無く、上下線ごとに出入口が完全分離されています。その影響で西側の下り線ホームはバリアフリー非対応となってしまっています。駅舎は東側の上り線ホームに面して設置されていますが簡易駅舎です。駅前は東側に小さな集落があるのみで、田畑と雑木林が広がっています。東側の崖下に本郷の集落中心集落があります。
  
鉄路のみで(ルートは一例です)  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       中央東線~辰野から飯田線へ乗継。快速『みすず』も停車。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       東海道新幹線(名古屋)中央西線『しなの』(塩尻)
       中央東線(岡谷)飯田線直通列車に乗継。
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし (1km圏内に店舗はありません)    
飲食チェーン店・・・なし (1km圏内に店舗はありません)
 
東京、大阪とも到達難易度はやや高いですが、飯田線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は伊那本郷駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東海のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)