扇風機の別館資料室

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Nゲージ 国鉄モハ30300(旧型国電クモハ11100)を制作!真鍮キット組立

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今回は、kitcheNのクモハ11車体素材から中央線浅川以西用のモハ30低屋根試作車8両のうち唯一の運転台付300番台であるモハ30300を1953年頃山手線の仕様で製作したのでその制作記です。

 

 

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まずは軽く実車の紹介です。

同車は大正15年鉄道省デハ73279として汽車支店で製造、昭和3年の改番によりモハ30080となります。1951年9月、中央線浅川以西の狭小トンネル対応用として7両のモハ30が丸屋根改造され中間電動車30500形6両と制御電動車30300形1両が低屋根車として落成しましたがそのさい、モハ30080は制御電動車モハ30300となりました。(厳密には改造当初は原番号で、1952年に改番)改造当初は三鷹配置で中央線で使用されますが1952年に低屋根のモハ71形が落成したことにより山手線に移り、53年改番で30系丸屋根のトップナンバーモハ11100となります。その後昭和32年度に2回目の更新修繕と前後して鶴見線に移り、1959年の改番でクモハ11100となったのち昭和49年の73系投入まで使用されました。

てなわけで長ったらしくなりましたがさっそくつくってゆきます。

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ベースはキッチンのクモハ11です。

インターネットでは鶴見線時代の写真をよく見るのですがこれは丸屋根改造当時とは大きく形態が異なっており、モハ30300としての原型は『gooブログ 回想の鉄道車両 873』に写真が載っているとおり運行窓なし、床下奇数配置でベンチレーター5個です。なのでそのように改造してゆきます。

運行窓、通風口のモールドは不要なので削除。プラではモールドを削るなんてのはよくやりますが真鍮でそれをやろうとなるとちょっと面倒ですね。
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手すりは別体化するので切り取って開孔しておきます。
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まいどのことですがキッチンの車体素材をドア交換して組む場合内貼りをバラバラにする必要があるのでちょっとめんどうです。ドアはボナの交換パーツ。
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箱組み。屋根はGMクモハ12040キットのものを削って使用、乗務員扉はそこらへんに転がってたのを使いましたが・・・
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側面のステップはモールド表現で6個だったのですが実車は5個なので削除して植え直します。上から植えるので表面仕上げは軽めで手抜き。
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パンタ穴をあけ仮置き。ちょっと前すぎな気もしましたが実際こんなもんでしょう。
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製作中の2両といっしょに箱になった様子を。
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隅をけずってパテでととのえたり手すりやらステップやらを取り付けてゆきます。
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避雷器は鶴見線時代はパンタの後ろにありますが原型では前照灯のうしろにありましたのでてきとうに配線します。

さて問題はランボードでして、実車は原型ではモハ10と同じく長くて足が覆われているタイプのものを装備しているのですが厳密な寸法がわからず、同じ30系丸屋根で最後までこのランボードだったクモヤ22118の真横からの写真があったのでそれを参考にプラ材から生成しました。

ベンチレーターについても鶴見線時代は6個ですが原型ではおそらく5個なのでモハ10を参考に配置しました。

ヘッドライトのステーはてきとうな真鍮のごみからつくりました。
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てなわけで雨樋をつけたり配管ひいてこんなもんです。雨樋は接着面にサフを吹きあてがったあとプラモ用流し込みセメントで接着しました。前面と側面の接合部は接着剤を流してそれっぽくやすってます。

縦樋、あと0.2ミリくらい内側でよかったかもですね。

動力は鉄コレ動力、乗務員ステップは贅沢にも銀河の乗務員ステップを使用。避雷器はiori工房製品です。

ちなみに配管ですが右の配管は実車は当初、原型のモハ30とおなじく5本位束ねられたタイプだったのですがあっさり2本としてます。

ま、そんなもんで塗装。
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ぶどう色は例によって自家調合です。悪くはない感じでしょう。

あ、結局乗務員扉は去年組んだクモエ21から外してきてつけました。
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念入りにマスキング。
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いきなり飛びましたが色差しをしたらウェザリングしたりなんやらして、部品を取り付けてまあ完成。
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てなわけでモハ30300→モハ11100です。1953年頃山手線の仕様にしています。編成札は21としました。ちなみに実車は山手線転属当初は池袋22編成に組み込まれていたようです。
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前作った原型ダブルルーフのモハ30とツーショット。これがやりたかったんですよね。これでもまだ2回目の更新修繕で様変わりする前で、そこそこ原型を残している方なのですけどね。

てなわけで今回はこんなもんですね。雨樋縦樋の位置が気持ちあと0.1〜2ミリくらい内側でもよかった気もしますがそれ以外は概ね「モハ30300」になってくれて満足です。

今回サハ39も同時に作りましたがそれはまたの機会に。