「天気予報では晴れなのに…」
このぼやきを何度現場で口にして、何度現場で耳にしたことか。
「晴れ」という天気予報を信じて初電で出発。
この日新幹線を使ってまで目指したのは、東海道新幹線の富士川橋梁だった。
「ドクターイエローが走る」と予測されている日だからだ。
朝食として購入した、ドクターイエロー尽くしの駅弁で開幕。
富士川駅で降りて、歩くこと凡そ30分。
午前8時半頃、石だらけでゴツゴツした河川敷の撮影スポットに到着(鉄橋が見えてからがまた遠かった…)。
既においしい場所には三脚が密集していた。
辛うじてきれいに撮影できるであろう場所を確保。
在来線だけで現地入りしようかとも思っていたが、そんなことをしていたら出遅れていた。あぶないあぶない…。
近くの同業者と雑談をして時間をつぶす。
といってもドクターイエローが通過するであろう時刻まではあと4時間余り(汗)
そして、何より気がかりだったのが空模様だった。
先述の通り、天気予報では晴れ。
それなのに、富士川橋梁周辺は厚い雲が空を覆う。
富士山もまったく見えない。
通過予想時刻の1時間前ほどになると、大半の同業者は次々とカメラの構える位置を低くし始めた。
トラス橋越しの富士山が到底期待できないため、富士川の川面メインの構図に変更した方がベターだからだ。
そりゃあ朝着いてから通過前まで、ずっとこんな空模様でしたから…
ところが、ところがである。
正午を過ぎたあたりから空模様に変化が見られた。
裾野の見える範囲が広がりだし、あれよあれよという間に富士山の頂が顔を見せ始めた。
「こんなことある!?」
現場にいた誰もがそう思っただろう。
さっき位置を下げたばかりの沢山のカメラは、再び構える位置を上げることに(笑)
そうこうしているうちに山の中腹以外の雲はすっかり姿を消し、概ね期待通りの「富士山バック」で撮れる事態に。
青空までバッチリだ。
多くの人に見守られ、彼は姿を現した。
奇跡的な空模様の回復、これはひとえに彼が「幸せ」を運んできたからではなかろうか。
【写真】
250118 OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II 1/2000 F5.0 ISO200 AWB
923形「ドクターイエロー」T4編成、3983A。
通過凡そ40分前から驚異の回復を見せた空模様。
それがあまりにも嬉しかったのか、構図で青空を少し広く取りすぎてしまったのはご愛敬。
近隣の駐車台数は推定100台くらい、ドクターイエローを見に来た人の数は推定300人くらいだろうか。
河川敷なので駐車スペースは無限にあるが、帰って行くクルマの数が尋常ではなかった。
撮る人もいれば、家族連れで見に来る人もいればと、多くの人に愛されている車両なんだなぁ…と帰り道で思うばかりだった。
何はともあれ、早朝からの出撃が報われてよかった。
(250118訪問)