平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

奈良線臨時特急「いにしへ」設定時間帯の「みやこ路快速」と近鉄ダイヤをみる

「いにしへ」にも「まほろば」用の「安寧」「悠久」編成を充当した方が効果的では?

JR奈良線で4月と5月に設定される臨時特急「いにしへ」について考えてみました。

 

みやこ路快速」や近鉄特急の中に入り込むのは容易でない京都-奈良間

JR西日本は、2025年4月19・20日と5月17・18日の計4日間に、JR奈良線で臨時特急「いにしへ」を設定します。

奈良線京都-奈良の「いにしへ」の設定時刻をみながら、同時間帯の「みやこ路快速」、近鉄特急、近鉄急行のダイヤ状況をみてみます。

なお、近鉄の場合、「奈良」は「近鉄奈良」の時間です。

時刻の「:」は略させていただきます。

【京都→奈良】

列車      京都発→奈良着 所要時間

特急「いにしへ」 941→1036   55分

みやこ路快速」 937→1021   44分

近鉄特急     945→1020   35分

近鉄急行     920→1007   47分(料金不要)

 

【奈良→京都】

列車      奈良発→京都着 所要時間

特急「いにしへ」 1614→1703  49分

みやこ路快速」 1607→1651  44分

近鉄特急     1605→1640  35分

近鉄急行     1615→1704  49分(料金不要)

 

東京から新幹線乗り継ぎで奈良へ「いにしへ」の所要時間をみる

「いにしへ」と他の上記3列車を比べた限りでは、「いにしへ」は遅い列車と言わざるを得ません。

特急料金は通常期で1,290円、近鉄特急520円の倍以上です。

奈良線の単線や線路設備事情から「いにしへ」に対し、特急料金に見合う時間短縮、高速運転は期待できません。

 

では、「いにしへ」に乗るのはどういうケースだろうかと考えると、一つは東京からの東海道新幹線乗り継ぎと思われます。

東京7:31発「のぞみ205号」で京都9:32着後、9:41発の「いにしへ」に乗り継いで奈良10:36着、東京-奈良所要3時間05分と考えれば理想の乗り継ぎとは言えそうです。

帰路では、奈良16:14発「いにしへ」が京都17:03着後、京都17:16発「のぞみ238号」で東京19:27着の乗り継ぎで、所要3時間13分です。

「いにしへ」本体の所要時間はともかく、東京-奈良が所要3時間10分前後は許容範囲かと受けとめることはできそうです。

 

列車自体に魅力がほしい「いにしへ」に、「まほろば」のリニューアル編成充当を

「いにしへ」に一般的な289系や683系を充当しただけでは、221系の「みやこ路快速」や、近鉄特急から利用者が転移するのは難しいと思われます。

「いにしへ」を乗って楽しい列車にするのが必要と考えます。

 

「安寧」「悠久」編成を「まほろば」と「いにしへ」で共通運用化が効率的

JR西日本は、大阪-新大阪-奈良の特急「まほろば」について、2025年3月ダイヤ改正から土曜・休日運転を前提として定期化します。

また、大阪・関西万博に備えて、土曜・休日に臨時列車を1往復設定して、計2往復とします。

2025年4月5日から、車両は683系3両編成をリニューアルした「安寧」として投入し、さらに同年秋には「悠久」を追加投入します。

現在のところ、「安寧」「悠久」の両編成は「まほろば」専用であり、「いにしへ」は一般的な289系3両編成となるようです。

 

土曜・休日定期運転の「まほろば」は、大阪を午前に出てから奈良で5時間ほど休み、同日夕方に大阪に戻る運用です。

大阪・関西万博で増発される臨時「まほろば91・92号」を含めた計2往復が、2025年秋以降に同時刻で運転されるとしても、以下の運用で1編成で足ります。

【大阪-奈良2往復時の運用】

大阪  9:58発 → 奈良10:57着

大阪13:15着 ← 奈良12:21発(臨時「まほろば91号」)

大阪14:15発 → 奈良15:12着(臨時「まほろば92号」)

大阪17:15着 ← 奈良16:21発

 

したがって、せっかくリニューアルされた「安寧」「悠久」でも毎日どちらかの編成が休むことになり、これはもったいないことです。

「いにしへ」が2025年秋以降にも設定されるならば、「安寧」「悠久」のいずれか1編成を「いにしへ」に充当するのが効率的です。

 

まほろば」「いにしへ」「安寧」「悠久」から受ける列車の印象度

余談ではありますが、「まほろば」「いにしへ」「安寧」「悠久」という、奈良への特急の愛称名、編成名称は「うれしート」「らくラクびわこ」「らくラクはりま」など、近年はあか抜けた名称の多いJR西日本にあって、古都や奈良のイメージを大事にしたのか、珍しい古風な?名称に感じます。

カタカナ語やローマ字に慣れきっている人には、かえってなじみにくいかもしれませんが、奈良の落ち着いた歴史を感じさせる愛称には列車の風格を感じさせ、奈良に合っていると思います。

 

想像ですが、JR西日本には2025年秋以降、「いにしへ」を臨時設定で継続すること、また「安寧」「悠久」のいずれかを「いにしへ」に充てる算段を含んでいるようにも感じますが、その答えは秋まで待つこととしたいと思います。

 

※ 写真は本文と無関係です。