今回の【駅】シリーズは、
岡山県北東部、津山市の市街地南西端に位置する津山線の駅で、開業当初は当駅が津山駅でしたが、後により中心市街地に近い現在の津山駅へと延伸されたため、現在は小駅へと降格してしまい
1面1線の棒線駅になったものの、広い構内に初代津山駅の面影を感じることができる、
津山口駅 (つやまぐちえき。Tsuyamaguchi Station) です。
駅名
津山口駅 (駅番号なし)
所在地
岡山県津山市
乗車可能路線
JR西日本:津山線
隣の駅
岡山方……佐良山駅
津山方……津山駅
訪問・撮影時
2022年7月
駅概要
駅形態……………地平駅(1898年開業)。
駅舎………………△(2020年改築の簡易駅舎、事実上の待合室)。
出入口……………北側のみ。南からは約480m西or約650m東の踏切を渡り北側へ。
バリアフリー……○(駅外~駅舎内~ホームまで段差なし。
但し、津山線の車両はステップ付きなので実質非対応。
車いすの場合は事前にJR西日本へ連絡を。
点字ブロック……駅舎内~ホーム間に設置。
駅前広場…………△(大半を月極駐車場として使用。駅出入口にバス停留所あり)。
津山口駅は、津山線と並行する駅前通り(津山市道)から南へ60mほど入ったところにあります。
手前の駅前広場に見えるスペースはおそらくJR西日本の所有で、大半を月極駐車場として使用しています。そのため、送迎車がその事を知らずにどこかの区画に駐車してしまい見つかると、罰金を払わされるかもしれませんので注意が必要です。
その駅前広場もどきの奥に2020年に完成した簡易駅舎が鎮座しています。実質的に待合室です。
かつての駅の規模からして元は木造駅舎があったと思われますが、国鉄時代に早くも解体されたようで、近年まではホームの待合所が駅舎代わりでした。
今は駅舎を通り抜けてホームヘアクセスする形です。駅外~駅舎内~ホームの間は段差なく移動できます。
また、駅用地出入口前の駅前通り沿いにバス停留所があります。
駅用地出入口から入って右側には電話ボックスがあります。
駅舎出入口前より北を望む。
手前にロータリーがありますが、その周りも一部を駐車区画にするなど、なかなか凄いです。
ロータリーの左の未舗装部分はさすがに駐車区画にはできず、事実上の無料駐輪場として利用されています。
駅用地を出ると、左右方向に延びる駅前通りに突き当たります。
駅前です。東方向を望む。
右手に津山口駅があり、その出入口の向こう側にバス停のポールがあります。
駅周辺は駅前通り沿いを中心に古くからの住宅街が形成されています。
昔はもっと商店が多かったかもしれませんが、今は少ないです。
駅前通りを東へ進むと、津山駅前まで2kmほど、そして吉井川を渡って対岸に広がる津山市の中心市街地まで1.5kmほどです。
駅前です。西方向を望む。左手に津山口駅があります。
こちらも駅前通り沿いに住宅街が続いていますが、段々と郊外へ出ていきます。
約300m西には昭和レトロなボウリング場「ツモクボウリング」があり、その北隣(駅から約300m)には積善病院があります。
ホームより南を望む。
一方、駅裏の駅南側は駅前こそ住宅が密集しているものの、少し離れると田園が広がっており、メガソーラーも見られます。
奥にそびえるのは標高355mの神南備山で、展望台からは津山市街を一望できます。
また市街地に近い山であることから、放送局の送信所が複数設置されています。
尚、駅南側へ抜けられる踏切は最も近くて駅から480mほど離れていますが、駅のすぐ東側に勝手踏切があります。
基本立入禁止なので、当記事では踏切としてカウントしていませんが、地元の方々は正式な踏切への昇格を望んでいると思います。
駅舎内です。上写真は南方向を、下写真は西方向を望む。
津山口駅駅は無人駅で、駅舎内には通路と待合室(上写真右側)があるのみです。
待合室には扉が無く、空調もありません。
また、待合室にはベンチ、時刻表、近距離運賃表、運行情報案内モニターが設置されています
駅員配置………なし(無人駅。1971年無人化)。
自動改札機……なし(そのまま列車に乗車して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。
もしICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
窓口……………なし(無人駅前提で駅舎が改築されたため、窓口がありません)。
自動券売機……なし(きっぷ不所持の場合は車内で整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………なし(訪問前に列車内で済ませておいて下さい)。
売店……………なし(駅前の商店跡などに飲料自動販売機があります)。
コンビニ………なし(最寄店舗は約700m西「ローソン」)。
駅舎の先はホームで、駅外からホームまで段差なく移動可能です。駅舎内通路は車いす通行可能な幅です。
津山口駅自体はバリアフリーに対応していますが、車両側がステップ付き(段差あり)のため対応できていません。車いすで津山口駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
ホーム側より駅舎を望む。北を向いて撮影。
駅舎への出入口の左側にきっぷ回収箱(集札箱)があります。
建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
こちらはJR西日本・地方線区の標準タイプ・寸法です。
支柱も津山線のラインカラーである黄色に塗られています。
尚、津山線には駅ナンバリングが導入されていません。
当駅は、前身の中国鉄道の手により1898年に「津山駅」として開業しましたが、中心市街地から離れていたため、1923年に国鉄により現在の姫新線の一部として中心部に近い現・津山駅まで延伸されましたが、この延伸の20日前に津山駅の名称を現在駅に譲るため、当駅は現在の「津山口駅」へと改称されました。その後も1944年までは中国鉄道と国鉄の境界駅として面目を保っていましたが、中心駅の機能は次第に現・津山駅へと移っていき、こちらの津山口駅は段々寂れていきました。駅舎も広い構内も失い、まともな駅舎が無い1面1線の棒線駅へと転落してしまいました。
駅構造……地平駅(西南西~東北東方向)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
のりば番号は設定されておらず、下り津山方面、上り岡山方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違えないよう注意が必要です。
また、開業当初は2面3線でしたが、今は駅舎跡寄りの単式ホームのみが使用されています。
左側の線路と住宅の間の空地に他の線路や島式ホームが存在したと思われますが、雑草に覆われていてその痕跡を確認できませんでした。
逆に言えば、昔の津山口駅構内は最低でも草に覆われた部分までは駅用地だったという事で、それなりに広い駅だったことが確認できます。
ホーム有効長……6両分
ホームドア………なし。
ホーム幅…………駅の規模を考えると全体的に広いです。
上屋(屋根)………無し。駅舎内でしか雨をしのげません。
ホーム上設備……ベンチ(駅舎内にあります)。
ホーム中ほど津山寄り(手前側)に面して駅舎(待合室)と出入口があります。
また、ホーム津山方右側には貨物側線が存在していたかもしれません(間違っているかも…)。
写真は2枚とも岡山方を望む。上写真~下写真の順に、岡山方へ進んでいます。
2枚とも津山方を望む。
駅の規模に対してホーム幅が広いです。元主要駅だった名残です。
また、右側の雑草の下に島式ホーム跡が残っているかもしれません。
岡山方を望む。
この先、市街地を出て郊外を走るようになり、やがて国道429号線~53号線が並走するようになると皿川に沿って山あいを南西へ走り、佐良山駅へと至ります。
津山方を望む。
前方で不自然なカーブを描いていますが、かつて分岐器があった名残です。
この先、住宅対の中を東北東へ走り、やがて右へカーブすると左から姫新線が左から寄り添い、単線並列の形で市街地の中を東南東へ走ります。その後は左へカーブして進路を東寄りに変え、右手に扇形車庫が見えてくると終点の津山駅へと至ります。
あとがき
下車(乗車)時・・・2022年(駅訪問の為)。
単式ホーム1面1線の棒線駅ですが、かつては終着駅だったこともあり、2面3線でした。随分前に駅舎が撤去されていましたが、その代わりに設置された待合所も2020年に簡易駅舎へと改築されました。駅前は住宅街で、古い町並みが残っていますが、津山駅と2kmほどしか離れていない事もあり、駅の利用は低迷しています。
鉄路のみでのアクセス(ルートは一例です)
東京から・・・当日到達可、日帰り往復可。
新幹線~岡山駅から津山線(津山行きのみ。快速『ことぶき』は通過)。
大阪から・・・当日到達可、日帰り往復可。山陽新幹線で岡山駅へ。以降は同上。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (最寄店舗は約700m西「ローソン」)
飲食チェーン店・・・なし (1km圏内に店舗はありません)
特に東京からの到達難易度が高いですが、津山線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は津山口駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)
テーマ:【駅】