君と、A列車で行こう。

旅行などで訪問した場所に関することを綴るブログ。鉄道などの交通に関することが多めです。主にX(旧twitter)では書きにくいような長文を書きます。当面は大阪・関西万博がメイン。かつてはシミュレーションゲーム「A列車で行こう9」のことをメインに書いていました。

BRTもついに減便へ。2025年3月15日 気仙沼線BRT・大船渡線BRTダイヤ改正について

気仙沼市立病院~南気仙沼間を走行する気仙沼線BRTのバス

2024年12月13日、気仙沼線BRT・大船渡線BRTで2025年3月に実施されるダイヤ改正が発表されました。改正日はJRグループ全体と同じ3月15日(土)になります。

JR東日本ニュース 気仙沼線BRT・大船渡線BRTダイヤ改正について
https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20241213_mr02.pdf

以前は、BRTのダイヤ改正は鉄道からだいぶ遅れ、年を越してから発表されていましたが、昨年からは鉄道と同日に、しかし鉄道とは別のリリースとして発表されています。

ちなみに、昨年のタイトルは「大船渡線BRT・気仙沼線BRTダイヤ改正について」だったので、路線名が入れ替わっています。昨年は大船渡線BRTで専用道供用開始などの大きなトピックがあったからかもしれません。

以下、ニュースリリースの内容について触れつつ、後半では現行ダイヤとの比較をもとに今回のダイヤ改正について見ていきたいと思います。

便数を維持してきたBRTで、ついに減便を実施

私がはじめてBRTに乗車し、そのあり方に関心を持ったのは2019年の春でした。

それ以降、何度かダイヤ改正が行われてきましたが、いろいろな変更はあっても、大枠の便数はずっと維持されてきていました。

今回のダイヤ改正では、これまで維持してきた便数が一部削減となります。

詳細は後で触れますが、減便の内容は以下の通りとなります。

バスの減便自体は昨今の状況では珍しいことではないのですが、BRTはこれまでなんとか便数を維持し続けてきたからこそ、今回の減便は大きな意味を持つのではないかと考えています。

区間ごとの便数の変動は下表の通りとなります。

現行ダイヤと改正ダイヤでの便数の変化

なお、試しに各BRTの開業時のダイヤとの比較も行ってみました*1

現行ダイヤとの比較と比べると、変動は小さくなるようです。大船渡線BRTの気仙沼陸前高田間で開業後に増便されたのが維持されていることを考慮すると、概ね開業時の運行規模と同等ぐらいと考えてよいのかなと思います。

開業ダイヤと改正ダイヤの便数比較

大船渡線(鉄道)の減便にあわせたダイヤ変更

今回のダイヤ改正では、JR東日本盛岡支社の発表によれば大船渡線の鉄道線(一ノ関~気仙沼)でも減便が行われます。詳細な変更点は下記のニュースリリースで確認できます。

JR東日本ニュース 2025年3月ダイヤ改正
https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20241213_mr01.pdf

これに伴い全面的にダイヤが変更されるため、BRTのダイヤもこれに合わせ、気仙沼駅での乗り継ぎを考慮した調整が行われています。

大船渡線BRT 栃ヶ沢公園駅~陸前高田駅間の所要時間を1分短縮

現行ダイヤで経路変更が行われ、所要時間も1分短縮された大船渡線BRTの栃ヶ沢公園駅~陸前高田駅間ですが、さらに1分短縮となります。経路変更後の運行実績を見ての判断ということなのでしょう。

現行ダイヤとの比較

ここからは、昨年と同様、現行ダイヤと改正予定ダイヤ(ニュースリリースで公表されたもの)を並べて、1便ごとに比較してどこが変わったのかを見ていきたいと思います。

ニュースリリースでは、上述した一部便の運転区間見直しや運転取りやめ、大船渡線ダイヤ改正に合わせた見直しの他、

といった内容が挙げられ、どういった変更が行われるのかも細かく記載されていますが、特に時刻変更については、なぜ変更するのか、変更することによってどういう効果があるのかが記述されていないので意図がよくわかりません。このあたりも1便ごとの比較でわかる範囲で考察していきたいと思います。

なお、改正ダイヤはあくまでニュースリリースで公開された、12月13日時点のダイヤであり、最終的なダイヤが変わる可能性はないわけではありません。でも、よほど問題視されて外部から変更を要請されたりしない限りは、変わることはないのではないかと思います。

気仙沼線BRT下り(前谷地・柳津→気仙沼):大船渡線列車ダイヤ改正の影響大。5分で乗り継ぎ可能?

大船渡線(鉄道線)のダイヤ改正の影響ですが、気仙沼着の下り列車よりも、気仙沼発の上り列車の方が変動が大きくなっています。そのため、気仙沼線BRTにおいても、気仙沼駅に向かう下り便の方がその影響を大きく受けている感があります。

本吉駅初発便を25分繰り上げ 気仙沼駅6:24発の大船渡線列車への乗り継ぎ対応

本吉駅初発便が25分繰り上げられ、6:00発から5:35発となります(表1の①)。

なお、これ以下の表では、白地に黒文字が改正ダイヤ、緑地に緑文字が現行ダイヤとなります。オレンジ色の枠は時間変更などの変更が行われていることを示します。

今回は、列車との接続という観点で着目するため、BRTと乗り換えられる各鉄道線のダイヤを記載していますが、大船渡線以外(気仙沼線石巻線三陸鉄道)は2025年3月のダイヤ改正における変更がアナウンスされていないため、BRTの改正ダイヤに対応する列車も現行ダイヤと同一として記載しています。

表1 気仙沼線BRT下り 本吉駅初発便の繰り上げ

気仙沼駅での大船渡線列車の2本目が6:51から6:24に27分繰り上がります。もともと6:51発に乗り継ぎができた本吉駅の初発便を、同様に25分繰り上げることで6:24発の列車に乗り継ぎが可能となっています。

表1の②では、時刻の微調整とともに毎日運転と土休日運休の順序が入れ替わっています。本吉駅初発が繰り上がったことに伴い、毎日運転の便を早めることで、休日ダイヤでの運転間隔を調整する意図があるのかな? と思います。

志津川駅初発便を4分繰り上げ 気仙沼発7:39の大船渡線列車へ乗り継ぎ可能?

表2 気仙沼線BRT下り 志津川駅初発便の繰り上げ

志津川駅初発便も6:16から6:12に4分繰り上がります。

気仙沼駅で、7:39発の大船渡線列車が設定されますが、この便の気仙沼駅到着が7:37から7:33に繰り上がるため、列車への乗り換え時間を確保する意図での変更と考えられます。

ただ、ここで見出しに「?」をつけているのは、6分という乗り継ぎ時間がこれまでのBRTのダイヤと比べるとかなり短いことが気になるためです。後述しますが、最短で5分での乗り継ぎとなるところもあります。

これまで、BRTから列車への乗り継ぎには概ね10分以上の時間を取っていて、やはりBRTの定時性は列車ほど高いわけではないのだろうと考えていました。

それが最短5分に短縮されたということであれば、実績としてBRTの定時性に自信を持っているということなのか、あるいは、BRTが多少遅れても列車を待たせる運用にする(もしくはすでになっている)ということかもしれません。

これはBRT側の問題ではなく列車本数が少ないせいなのですが、例えば7:39発の列車を逃がしてしまうと次は9:54発まで2時間以上待つことになるので、あまりギリギリの時間だと利用者側としては少し怖いな、と考えてしまいます。

BRTの利用案内には、

道路状況により遅れる場合がありますので、ご利用の際は余裕を持ったご利用をお願いします。
なお、BRTは他の列車等との接続は行っておりません。

と明記されていますが、それならもう少し余裕を持った乗り継ぎ時間にしてほしいし、これだけ短時間での乗り継ぎを設定するのであれば、接続を取ることは保証してほしいな、と思ったりもします。

www.jreast.co.jp

朝の志津川~本吉間で1便の運転を取りやめ

志津川駅6:51発の便が本吉駅7:34発に変更され、志津川~本吉間は運転取りやめとなります(表3の⑤)。

なお、表の赤枠は減便となった部分を示します。

表3 気仙沼線BRT下り 志津川~本吉間で1便の運転を取りやめ

この直前(表3の④)では、毎日運転の柳津駅初発便と、土休日運休の陸前戸倉駅始発便の順序が入れ替わっています。これはニュースリリースには柳津駅始発の繰り下げ(6:04→6:19)として書かれていますが、本当の目的はそこではないように見えます。

現行ダイヤの土休日ダイヤでは、志津川駅発は6:16、6:31、6:51、7:16と20分前後の間隔となっています。これが6:51発がなくなることにより、6:31~7:16の間が45分開くことになります。

そのため、毎日運転の便の配置を調整することで、志津川駅発が6:12、6:46、7:16と比較的均等になるようにし、減便の影響を軽減するのが本当の目的ではないかと思います。

気仙沼駅9時台到着の便の時刻変更 9:54発の大船渡線列車への乗り継ぎ対応

気仙沼駅に9時台に到着する便の時刻が変更になります(表4の⑥)。

表4 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着9時台の便の時刻変更

気仙沼駅では、新たに9:54発の大船渡線列車が設定されるため、これに合わせたものと思われます。

特に柳津駅始発の便では、柳津駅の出発を8:04から8:01に3分早め、柳津駅での気仙沼線列車からの乗り継ぎ、気仙沼駅での大船渡線列車への乗り継ぎがともに5分というギリギリの設定となっています。

気仙沼駅10時台到着の便の時刻変更 前後の便との間隔調整?

志津川駅9:01発の便が、9:13発に変更となります(表5の⑦)。

表5 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着10時台の時刻変更

気仙沼駅着は10:22から10:34となりますが、10:46発の列車がなくなるため、一見して変更する意図はよくわかりません。

考えられることとしては前後の便との間隔調整だと思います。

志津川駅では、前後の便との間隔が30分・60分から45分・48分に均等化されます。

また、本吉駅では23分・60分が35分・48分、南気仙沼駅では7分・60分が19分・48分といったように偏りが小さくなります。

気仙沼駅着12時台の便の時刻変更 12:15発の大船渡線列車への乗り継ぎ対応

気仙沼駅に12時台に到着する便の時刻が変更となります(表6の⑧)。

本吉駅11:28発の便が14分繰り上がり、気仙沼駅着が12:07から11:53に変更となります。また、前谷地駅10:15発の便が25分繰り上がり、気仙沼駅着が12:35から12:10となります。

この時間帯、大船渡線列車の発車が12:23から12:15に変更となりますが、この変更により、前谷地駅発の便からの乗り継ぎが新たに可能となります。

表6 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着12時台の便の時刻変更

この前谷地駅発の便は、前谷地駅での小牛田発の石巻線からの乗り継ぎが5分、気仙沼駅での大船渡線列車への乗り継ぎも5分と、どちらもギリギリの設定となっています。

気仙沼駅着14時台の便の時刻変更 もしかしたらポケモントレインとの関係?

気仙沼駅に14時台に到着する2便の時刻が若干繰り上がります(表7の⑨)。

志津川駅始発の便が12:46発から14分繰り上がって12:32発になり、前谷地駅始発の便が12:30発から10分繰り上がって12:20発となります。

表7 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着14時台の便の時刻変更

気仙沼駅では大船渡線列車の発車が14:21から14:17に繰り上がりますが、そこに対しては現行ダイヤでも問題なく対応できるため、変更の意図はよくわかりません。

ただ何かあるとすれば、現行ダイヤでは14:37に気仙沼駅を発車する臨時快速列車「ポケモントレイン気仙沼号」が、改正ダイヤでどう変わるかという点があるかもしれません。

もし14:50ごろの発車となるのであれば、現在は乗り継ぎができない前谷地駅発の便からも乗り継ぎができるようになります。

今年春以降の臨時列車の運転についてはまだ発表されていませんが、今月(2025年1月)中には発表されるのではないかと思います。

(1/17追記)

JR東日本から春の臨時列車が発表されました。

JR東日本ニュース 春の増発列車のお知らせ(JR東日本盛岡支社)
https://www.jreast.co.jp/press/2024/morioka/20250117_mr01.pdf

4月以降に運転される「ポケモントレイン気仙沼号」の気仙沼発の時刻は、上でほのめかした通り14:50発となっています。こんなにピッタリ当たるとは思いませんでした。

気仙沼駅着16時台の減便および時刻見直し 気仙沼駅16:53発の大船渡線列車への乗り継ぎ対応

気仙沼駅着16時台では、本吉~気仙沼間の1便の運行取りやめ(表8の⑪)および、大船渡線列車が気仙沼駅発16:53で設定されることに伴う時刻調整(表8の⑫)が行われます。

本吉駅15:58発の便が運転取りやめとなります。

また、前谷地駅14:30発の便を3分繰り上げて14:27発とすることで、気仙沼駅着は16:47となり、16:53発の列車への乗り継ぎが可能となります。

表8 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着16時台の本吉~気仙沼間の減便および時刻調整

なお、運転取りやめとなる便の直前、志津川駅15:01発の便は15:12発へ繰り下がります(表8の⑩)。これはおそらく、本吉~気仙沼間での運転間隔調整のための変更ではないかと思います。

気仙沼駅着18時台の一部時刻変更 気仙沼駅19:02発の大船渡線最終列車への対応

夕方時間帯では、柳津駅16:33発の便が11分繰り下げられて16:44発となり、気仙沼駅着は18:32となります(表9の⑬)。大船渡線最終列車が19:35から19:02に繰り上がるのに伴い、この列車への乗り継ぎに適した便として調整するものと思われます。

表9 気仙沼線BRT下り 気仙沼駅着18時台の一部時間変更

なお、後の本吉駅18:13発の便でもこの列車に乗り継ぐことができますが、この便は平日のみ運行です。そのため、休日ダイヤでは柳津駅発の便のみが列車への乗り継ぎに適した設定ということになります。

パターンダイヤは完全に終了。1分刻みの精緻なダイヤに

2023年3月のダイヤ改正で、気仙沼線BRTは15分単位、大船渡線BRTは10分単位の綺麗なパターンダイヤを導入していました。

2024年3月のダイヤ改正では一部の便で調整が入ってそれが崩れつつあったのですが、気仙沼線BRTの下りダイヤについては、今度のダイヤ改正でほぼ終了という形になっています。2023年以前は5分単位でダイヤが組まれていたのですが、もうそれですらない、鉄道と同様の1分単位の精緻なダイヤとなります。

これまで見てきたように、一部の便では、前谷地駅柳津駅での鉄道線との乗り継ぎ、気仙沼駅での大船渡線列車との乗り継ぎとも5分というほぼピンポイントの設定があり(表4の⑥、表6の⑧)、5分単位にするほどの余裕すらありません。

逆に言えば、両側での鉄道線との乗り継ぎという制約がある中で、できる限り利便性を高めようとしたということが伺えるダイヤ改正なのではないかと思います。

やはり気になるのは、気仙沼駅でのBRTから鉄道への乗り継ぎが5分や6分で大丈夫なのか、という点です。このあたりの状況によっては、もしかしたらまた翌年に見直しが入ることになるのかもしれません。

気仙沼線BRT上り(気仙沼→柳津・前谷地):大船渡線列車のダイヤ改正の影響は限定的

気仙沼線BRTの上りダイヤも、下りと同様に大船渡線列車からの乗り継ぎを考慮した変更がいくつか見受けられますが、大船渡線の下りの気仙沼着で大きな変更があるのは15時台以降で、それまでは数分程度の微調整のため影響は限定的です。

そのためか、下りと異なり、気仙沼駅発時点で5分単位のダイヤは維持した形となっています。

気仙沼駅発9時台~13時台の便の組み換え、気仙沼~本吉間の1便運転取りやめなど

気仙沼線BRTの上りダイヤでは、朝の通勤・通学時間帯のダイヤは維持されており、変更が入るのは9時台以降となります(表10の①~⑤)。

表で赤枠は減便となる箇所、水色枠は増便となる箇所、オレンジ枠は時刻変更となる箇所を示します。

表10 気仙沼線BRT上り 9時台~13時台の各種変更

まず、土休日のみ運転する気仙沼~本吉間の便を、気仙沼駅9:50発から13:30発に変更します(表10の①)。これは、後述する気仙沼市立病院経由便の変更に伴い、13時台の間隔が空くことのフォローなのではないかと思いますが、この辺はまたあとで詳しく書きます。

次に、気仙沼駅10:45発の柳津行きを11:05発に変更します(表10の②)。この便は柳津駅で13:30発の気仙沼線列車に乗り継ぎができますが、現行ダイヤでは11:15発から10:45発に変更され、乗り継ぎ時間が26分から57分に拡大していました。一方で、本吉~柳津間での前後の運転間隔が90分に揃うというメリットもあり、どちらを重視するかは難しいところだと見ていました。今回の変更は、その中間をとるような形なのかなと思います。

また、毎日3便設定されている気仙沼市立病院経由便の、気仙沼市立病院駅の発車が全体的に早まり、12:09から11:54に、14:04から12:59に変更となります(表10の③④)。表にはありませんが、15時台に発車する3便目も15:49から15:44に変更となります。11時台の変更は、これによって大船渡線列車(11:44着)からの乗り継ぎはできなくなりますが、おそらくは病院利用者のニーズを優先した変更だと思います。

そして、気仙沼駅12:45発の本吉行きの便が運転取りやめとなります(表10の⑤)。ただし、気仙沼市立病院経由便が12:40発に配置されるので、見た目としてはこの時間帯の便は維持される形になります。

一部の減便がありつつも、全体的にいろいろ調整をしたような感じですが、そうなると、改正ダイヤで平日のみ運転の11:25発の便、土休日のみ運転の13:30発の便の意味がよくわからなくなってきます。

気仙沼駅発で整理してみると下表のようになります。

平日 土休日
9 15(柳津) 15(柳津)
10 15(本吉) 15(本吉)
11 05(柳津) 25(本吉) 35(本吉/病院経由) 05(柳津) 35(本吉/病院経由)
12 05(前谷地) 40(本吉/病院経由) 05(前谷地) 40(本吉/病院経由)
13 05(前谷地) 05(前谷地) 30(本吉)
14 15(柳津) 40(前谷地) 15(柳津)  40(前谷地)

こうしてみると、平日ダイヤで11時台に3便、13時台に1便という偏りが気になってしまいます。いっそのこと、平日の11:25発の設定を取りやめて、13:30発の便を毎日運転にしてしまったらいいのでは、と考えたりします。

おそらく何か理由があるのでしょうから、これがおかしいということではないのですが、ちょっと不思議な設定だなとは思うところです。

気仙沼駅発16時台の運転順序変更 16:06着の大船渡線列車への対応

15時以降は大船渡線の下り列車のダイヤが大きく変わるため、それへの対応が見られます。

現行ダイヤでは、15:41に気仙沼駅に到着する列車から16:00発の前谷地行きに乗り継げるようになっていますが、列車の到着が16:06に変更となるため前谷地行きを16:15発に変更し、土休日運転の16:15発の本吉行きを16:00発として順序を入れ替えます(表11の⑥)。

表11 気仙沼線BRT上り 気仙沼駅発16時台の運転順序変更

この前谷地行きの便は、現行ダイヤへの改正で16:15発から16:00発に変更されているため、元のダイヤに戻るような形となります。現行ダイヤへの変更について、前谷地駅での乗り継ぎ時間が延びることを疑問視していたのですが、逆に気仙沼駅での乗り継ぎ時間を短縮できるということには気づいていなかったので、この点は見解を改めたいと思います。

気仙沼駅発18時台の時刻変更 17:57着の大船渡線列車への対応

気仙沼駅18:00発の柳津行きが5分繰り下がり、18:05発となります(表12の⑦)。大船渡線列車の到着が17:38から17:57に変更となるため、列車からの乗り継ぎ時間を確保するための変更と考えられます。

表12 気仙沼線BRT上り 気仙沼駅発18時台の時刻変更
夜間の大船渡線列車からの乗り継ぎ対応、本吉~志津川間の減便など

夜間には、大船渡線列車のダイヤ改正への対応や、本吉~志津川間の減便が行われます。

気仙沼駅発18時台に3便設定されていたのを見直し、18:45発柳津行きを19:00発に変更(表13の⑧)。19:00発で設定されていた志津川行きを取りやめ、20:15発の本吉行きを新設します(表13の⑨⑪)。この結果、本吉~志津川間で1便減少することになります。

なお、大船渡線列車の到着が20:06となるため、新設する20:15発の本吉行きは列車からの乗り継ぎに対応するものとなります。

表13 気仙沼線BRT上り 夜間の各種変更

表13の⑩は、最終の志津川行きの時刻調整です。気仙沼線BRTでは、基本的に本吉駅で3分の停車時間を設け、必要に応じて運転士の交代を行ったりしているのですが、この便は2024年3月のダイヤ改正で、例外的にすぐに出発するダイヤとなっていました。しかし、今度のダイヤ改正ではふたたび3分の停車時間を設ける形となります。

大船渡線BRT下り(気仙沼陸前矢作→盛):午後に大きな組み換えを実施

大船渡線BRT下りでは、気仙沼線BRT上りと同様、気仙沼駅での大船渡線列車からの乗り継ぎの影響は15時以降に発生します。そのため、ダイヤの変更は午後が中心となっていますが、減便に伴う調整もあり、なかなか大規模な変更となっています。

なお、大船渡線BRTの時刻表では、気仙沼駅陸前高田駅~陸前矢作駅という経路の乗り継ぎに関しても陸前高田駅のところで示していますが、これは特に言及する部分以外は参考程度にご覧ください*2

気仙沼駅初発便を10分繰り上げ 通学ニーズを考慮?

気仙沼駅初発便の時刻が6:21発から6:11発に10分繰り上がります(表14の①)。

表14 大船渡線BRT下り 気仙沼駅初発便の繰り上げ

列車との乗り継ぎという意味では気仙沼駅盛駅のどちらも無関係ですが、大船渡方面では通学時間帯にあたることから、学生のニーズを踏まえた変更なのかな? という気がします。

昼間の陸前矢作陸前高田間減便とその後の運転間隔調整

次に変更が発生するのは12時台となります。

陸前矢作駅12:57発の陸前高田行きの便が運転取りやめとなります(表15の②)。

表15 大船渡線BRT下り 陸前矢作陸前高田間減便と運転間隔調整

これに続く2便、陸前矢作発盛行き、気仙沼発盛行きの便がそれぞれ約20分繰り上げとなります(表15の③)。この変更により、運転取りやめとなる便を近い時間帯でフォローするような設定となるほか、気仙沼陸前高田間、陸前高田~盛間で運転間隔が比較的均等に近くなるので、運転間隔の均等化を目的とした変更なのではないかと思います。

気仙沼駅16:06着大船渡線列車への対応

気仙沼駅着15:41の列車が16:06着に繰り下げになるのに伴い、気仙沼駅16:04発の盛行きは16:24発に繰り下がります(表16の⑤)。

表16 大船渡線BRT下り 気仙沼駅16:06着の大船渡線列車への対応

表16の④では、平日のみ運転の陸前矢作発盛行きの便が、15:07発から16:08発に1時間繰り下げられます。これは後の気仙沼発が繰り下がったこと(表16の⑤)に伴い、その前の時間帯をフォローするための移動ではないかと思います。

夕方時間帯の便の組み替え

夕方の時間帯では、一部便の運転取りやめ、大船渡線列車の時刻変更への対応、三陸鉄道との乗り継ぎ利便性確保といった多岐にわたる変更が行われています。

表17 大船渡線BRT下り 夕方時間帯の各種変更

まず、気仙沼駅16:06着の大船渡線列車への対応で、乗り継ぎとなる便の時刻が繰り下がったこと(表17の⑤)に伴い、近接した時間帯で平日のみ運行の陸前高田17:13発盛行きの便を取りやめます(表17の⑦)。

そして、同じ平日のみ運転の陸前矢作17:57発の便を17:08発に移動し、三陸鉄道盛駅18:20発の列車への乗り継ぎを確保します(表17の⑧)。なお、土休日は陸前矢作陸前高田間のみ運転となる便も同様に移動します。

さらに、陸前矢作16:37発の陸前高田行きの便を17:58発に移動させ、⑧の変更によって空いた陸前矢作陸前高田間の18時ごろの便を確保します(表17の⑥)。

また、気仙沼駅に17時台に到着する大船渡線列車が17:38着から17:57着に変更になることに伴い、気仙沼駅18:04発の便を18:14発に繰り下げます(表17の⑨)。これとあわせて、後続の陸前矢作発盛行きの便も10分繰り下げになります。

これらの変更に伴い、陸前高田盛駅間では、陸前高田駅発17:43発と18:53発の間に70分の空きができることになります。現行ダイヤでは、高田高校の最終下校時刻(19:00)ごろの便を確保する意図での改正が行われていますので、やはりこの時間帯の便は維持する必要があるということなのかもしれません。

大船渡線列車の時刻変更に伴う夜間の変更と減便

夜間では、気仙沼駅に到着する大船渡線列車の時刻が大きく変わることに伴う変更が行われます。

表18 大船渡線BRT下り 夜間の時刻変更と減便

気仙沼駅に19:17に到着する大船渡線列車が20:06着に変更されることに伴い、気仙沼発の大船渡線BRTの時刻も19:31発から20:14発に繰り下がります(表18の⑩)。

また、これとは別に陸前高田20:47発盛行きの便が設定されていますが、改正後は、気仙沼発は陸前高田行きに短縮され、盛方面は陸前高田駅始発の便に乗り継ぐ形となります(表18の⑪)。

現行ダイヤでは、気仙沼駅19:31発の盛行きから三陸鉄道の最終列車に乗り継ぐことが可能ですが、改正ダイヤではこの設定がなくなるため、三陸鉄道に乗り継げる最後の便は気仙沼駅19:04発となります。

また、気仙沼駅20:59着の大船渡線列車がなくなるため、乗り継ぎが可能だったBRTの最終便も20分繰り上がって20:51発となります(表18の⑫)。これによって陸前高田駅で、陸前矢作駅行きの最終便(陸前高田発21:33)に乗り継ぎが可能となりますが、この乗り継ぎを意図しての変更かどうかはよくわかりません。

大船渡線BRT上り(盛→陸前矢作気仙沼):行先変更による大船渡線列車への乗り継ぎ対応

大船渡線BRTの上りでは、大船渡線列車のダイヤ改正にあわせ、気仙沼駅での大船渡線列車への乗り継ぎを考慮した変更が多く見られますが、気仙沼線BRT下りのようにきめ細かい時刻変更を行うのではなく、盛駅発の時刻は変えないまま、陸前矢作行きか気仙沼行きかを切り替えることで対応する方法を多用しています。このため、盛~陸前高田間では大きな変動は見られないのが特徴となっています。

早朝時間帯の変更 気仙沼駅7:39発の大船渡線列車への対応

早朝時間帯では、現行ダイヤでは盛駅5:20発の便から気仙沼駅で6:51発の大船渡線列車への乗り継ぎが可能となっていますが、6:51発が6:24発に繰り上がり、新たに7:39発の列車が設定されることに合わせ、盛駅の始発便を5:50発に繰り下げます(表19の①)。これと合わせ、現行ダイヤで盛駅5:50発の陸前矢作行きは運転を取りやめます(表19の②)。

表19 大船渡線BRT上り 早朝時間帯の時刻変更及び減便

鹿折唐桑駅7:39発で気仙沼線BRTに直通する便も、10分ほど早めれば列車に乗り継げそうではありますが、もともとこの便は気仙沼線BRT沿線への通学利便性を高めるために設定されたものなので、列車への乗り継ぎを考慮する理由は乏しいのではないかと思います。

朝時間帯の行き先変更 気仙沼駅9:54発の大船渡線列車への対応

朝の時間帯では、盛駅7:40発と8:10発の行き先を入れ替えます(表20の③)。気仙沼駅では9:14発の大船渡線列車がなくなり、9:54発の列車が設定されるので、これに対応するものとなります。

表20 大船渡線BRT上り 朝時間帯の行き先変更
昼時間帯の時刻変更による陸前高田駅での接続改善、および陸前高田陸前矢作間の減便

昼の時間帯では、盛駅11:40発の陸前矢作行きが11:20発に変更となります。これにより、陸前高田駅で12:13発の気仙沼行きに乗り継ぎが可能となります(表21の④)。

また、陸前高田駅13:33発の陸前矢作行きが運転取りやめとなります(表21の⑤)。

表21 大船渡線BRT上り 昼時間帯の時刻変更及び減便

盛駅発の時刻変更は、現行ダイヤで11:20発から11:40発に変更され、陸前高田駅での乗り継ぎができなくなったのをまたもとに戻す形です。現行ダイヤの設定は盛~陸前高田間の運転間隔が60分に揃うメリットがあったのですが、やはり陸前高田駅での乗り継ぎを優先する形にするということなのだと思います。

夕方時間帯の時刻・行き先変更 気仙沼駅16:53発、19:02発の大船渡線列車への対応

夕方の時間帯では、気仙沼駅を発車する大船渡線列車の時刻が大きく変わるため、その対応で時刻および行き先が変更されます。

気仙沼駅17:53発の列車がなくなり、16:53発の列車が設定されるため、盛駅発15時台の便の行き先を入れ替え、気仙沼行きの時刻を40分繰り上げます(表22の⑥)。

また、気仙沼駅発の最終列車が19:35発から19:02発に繰り上げとなるため、盛駅17:20発、17:50発の行き先を入れ替え、気仙沼行きを30分繰り上げます(表22の⑧)。

表22 大船渡線BRT上り 夕方時間帯の時刻・行き先変更

両者の間にある盛駅発16:20発、16:50発(平日のみ運転)の便なども行き先の入れ替えが行われます(表22の⑦)。これは前後の変更に合わせて、陸前高田気仙沼間の運転間隔を調整する意図ではないかと思います。

減便はやむを得ないと考えるものの、BRTのサービス低下に地元の理解は得られているのか

今回のダイヤ改正で予定されている減便は、気仙沼線BRT、大船渡線BRTとも便数が少ない区間には手を付けず、比較的便数が多い区間での軽微な減便となっているため、前後のダイヤの調整も含め、利便性の低下は比較的抑えられていると思います。

減便の背景には、バスの運行業務を担うミヤコーバスや岩手県交通における運転士不足といったこともあるのでしょうが、JR東日本自体が、BRTのサービスを需要に応じて低下させる方向に舵を切り始めたということもあるのではないか、と思います。

BRTのダイヤの話からは離れますが、気仙沼線BRTの本吉駅では、これまで月2回(第2・第4日曜日)窓口を開設していましたが、今年1月26日をもって窓口を終了する旨のアナウンスが行われています。

本吉駅での窓口終了の案内(2024年12月29日、志津川駅にて)

そもそも月2回の窓口開設にどれほどの意味があったのかということも考えないではありませんが、こういったことも含め、BRTの開業から12年ほどが経過し、サービスが転換期にさしかかってきているのではないか、ということを感じるダイヤ改正内容となっています。

ただ、気仙沼線BRT、大船渡線BRTが鉄道から転換された交通手段として受け入れられたのは、便数の多さなども含めた手厚いサービスを維持してきたことが大きいはずです。それを需要に応じて縮小していくとなれば、沿線地域の理解を得るということも必要になってくるのではないかと思いますが、今のところ外からはそういったことが窺い知れないので、どこかで揉め事になったりしないかというのは気になるところです。

*1:開業ダイヤは下記のアーカイブを参照。

気仙沼線BRT:https://web.archive.org/web/20130605080315/http://www.jr-sendai.com/wp-content/uploads/2012/11/press_20121119-kesennumasen.brt_.pdf

大船渡線BRT:https://web.archive.org/web/20140502224047/http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1359612632_1.pdf

*2:723」などの斜体の時刻は毎日運転ではなく平日のみ運転であること、下二重線を付した時刻は到着と発車が同時刻のため、実際には乗り継ぎは難しそうな便であることを示します。