こんにちは!
今回はレール運搬車に関する記事を書いていきたいと思います。
先日、JR四国向けの定尺レール運搬車の9000系が日本車輛を出場し落成しました。
railf.jp
9000系ということで、なんだか普通の営業用車両かのような形式番号ですが、レール運搬車です。JR東海やJR東日本のレール運搬車は「キヤ」という形式名になっていますが、JR四国は特にそのようなことは無いのですね。普通に9000系と言われても、パッと聞いただけでは、私なんかはすぐには顔と形式名が一致しないだろうな…と思います(笑)そんなことはどうでもよいのですが、このJR四国の9000系の面白い点が、JR東海のキヤ97系、JR東日本のキヤE195系と共通設計の車両となっているという点です。JR東日本・JR東海と同じ顔のJR世代の車両がJR四国にも誕生しました。JR世代以降の共通設計車は最近でもJR東日本のGV-E400系とJR北海道のH100系や、JR東日本のE5系とJR北海道のH5系、JR東日本のE7系とJR西日本のW7系、JR西日本の223系やJR四国の5000系など、多数ありますが、共通設計でありながら形式の違う車両をJR各社で3社も保有しているというのはこれまでありましたかね?私は思い浮かびません。(もしあれば教えてください。)
ちなみにこのタイプの車両はJR東海が一番最初に導入しました。2007年にキヤ97系として導入したのが始まりです。その後、2017年からはJR東日本が全く同じ顔で耐寒仕様・保安装置をJR東日本仕様にしたキヤE195系を導入し、2025年にJR四国9000系が誕生したという経緯になります。ちなみに今後、JR西日本も機関車置き換え用の事業用車を導入するようですが、このキヤ97系タイプの車両ではないようです。JR西日本の開発している事業用車がレール運搬車かどうかは分かりませんが、こういった報道がある以上、西には導入される可能性は低いのかなと思うところです。
JR東日本向け キヤE195系
なぜ、各社同じ仕様の車両を入れるのか、ということですが、事業用車に金をかけても仕方がないということでしょうね。各社旅客車両はそれぞれ独自色を出して特徴的な車両を出しています。JR四国は新型気動車導入を発表しましたが、こちらが他社の新型気動車と共通設計ということはありません。それぞれの鉄道で、それぞれの路線に適した設計の車両を導入するというのが、扱いやすさでもそうですし、独自色を出すという点でも良いでしょう。しかし、事業用車は通常普通の乗客は乗らず、あまり見かけない車両ですので、見栄えもどうでもよく、また路線の特徴に合わせて設計変更をする必要もないということになりますね。レールさえ乗れば良いのですから。そうなると、独自設計をするのではなく既にあるフォーマットを使って安価に製造する方が断然良いということになるでしょう。こういったことで、事業用車だからこそ、このような共通設計の兄弟車が3社も誕生したのだろうと思います。
ただし、昨年にJR東日本とJR西日本が一部部品などの設計の共通化を発表したように、今後は旅客車両でも、完全な共通設計車とはならなくても、似たような兄弟車は増えるかもしれませんね。分割民営化から35年以上が経ち、各社バラバラの独自設計ではなく、協力できる点は協力するというのは、ある意味、各社の技術の見せあい、独自色の出し合い路線の終焉なのかもしれませんね。
こんな感じでしょうか。キヤ97系列が3社も誕生したのは、個人的に非常に面白いなと思います。なんだか国鉄回帰みたいですね。今後の新型車両の共通設計は一般車でも生まれるのか、この点は一つ注目なのかなと思います。
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