平行普通列車

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北陸新幹線「小浜先行開業」の福井県知事初夢への感想

敦賀-小浜の部分開業でどの程度利用が見込めるでしょうか?

福井県知事が、個人の初夢として、2025年1月9日の年頭記者会見で、北陸新幹線の小浜先行開業の初夢を語られたようです。

今回は、あくまで初夢次元の話ではありますが、新聞記事等の情報をもとに、感想を書かせていただきたいと思います。

 

会見内容は主に以下のようなことかと受けとめました。

① 北陸新幹線小浜・京都ルート中で、小浜先行開業もあること

② 原発立地地域の避難ルート確保とその効果のこと

③ 敦賀-小浜の先行着手による工事費・人件費の抑制のこと

④ 敦賀-小浜工事を先に終えることでの、京都の残土問題解決や、新大阪までの工事集中につながり、全線開業が早まること

 

初夢の話だからと外部者は聞き流せばよいことしれませんが、新聞等で多く取り上げられていることは、それだけ広くの反響、関心を呼んだ表れと思われます。

第一印象としては、北陸新幹線敦賀-新大阪の延伸における、小浜・京都ルートを既成事実化しての米原ルートへの牽制が感じられます。

敦賀-小浜を工事着工することで、米原ルートの議論をまずもって無くしたい想いを感じます。

また、小浜の先行開業によって、原発立地地域の避難ルートが確保されることを力説しているように感じられます。

敦賀-小浜の先行着手による工事費抑制や、京都の残土問題解決、新大阪工事促進により全線開業が早まるという点については、小浜先行開業とは別であり、希望的な連動想定の話と思います。

仮に北陸新幹線が先行して小浜まで延伸されるとしても、かといって、残土等の諸問題が解決方向に進む効果を生むとは思われません。

小浜先行開業を想像していると、何となく、九州新幹線新八代鹿児島中央の暫定開業後、博多-新八代の完成による九州新幹線の全線開業をイメージします。

西九州新幹線の武雄温泉-長崎の先行開業も同様です。

西九州新幹線については、新鳥栖-武雄温泉の未開業状態が続いていますが、どのような形や結果になるにせよ、武雄温泉-長崎が開業している以上、博多から長崎への新幹線直通になるまで頑張り続けるバックアップの力にはなるでしょう。

北陸新幹線敦賀-小浜も、先行開業さえしてしまえば、九州新幹線新八代、西九州新幹線武雄温泉の暫定開業による後押しの力は感じます。

 

仮に、北陸新幹線が小浜まで先行開業したとしたら

あくまで仮定の話ですが、北陸新幹線敦賀から小浜まで先行開業したら、新幹線の利用はどの程度でしょうか。

小浜線敦賀-西舞鶴の平均通過人員(輸送密度)は、2023年度894人、2022年度864人の状況です。

2024年度は北陸新幹線敦賀開業により、利用が伸びたと思われますが、どの程度の伸びかはまだ年度途中のため不明です。

 

原発立地地域の避難ルート確保が主眼なので、利用状況の問題ではなく、敦賀-小浜が開業すればひとまず目標達成ということでしょうか。

列車ダイヤは、12両編成の「つるぎ」の一部が小浜まで延長運転の形になるのでしょうか。

「つるぎ」の編成を短くして輸送力を調整するのでしょうか。

いずれにしても小浜止まりの北陸新幹線列車では、京都や大阪乗り継ぎとは無関係なので、一般的な乗り継ぎ輸送としては、舞鶴線福知山や、京都丹後鉄道での宮津天橋立への行楽等で誘発することになりそうです。

 

現在の小浜線列車ダイヤを見る限りでは、北陸新幹線で東京や長野、金沢方面から敦賀経由後、小浜線沿線に来る効果、小浜線を経由して京都丹後鉄道や舞鶴線への波及効果が多くあったようには感じられないダイヤです。

キハ189系による団体観光列車「はなあかり」の小浜効果はどうでしょうか。

 

福井県知事の初夢が今回の出発点ですから、長々と感想を書く必要などなかったかもしれませんが、筆者の習性なので寛大にみていただきながら、北陸新幹線の京都、新大阪への延伸状況については、今後とも見守っていきたいと思います。

 

※ 筆記にあたり、下記の記事を参考にさせていただきました。(順不同)

毎日新聞、2025年1月9日付け「北陸新幹線延伸で「小浜先行開業も」 福井知事がルート再考けん制」

日本経済新聞、2025年1月9日付け「福井県知事、新幹線敦賀―新大阪間で小浜先行開業を提案」

朝日新聞社、2025年1月10日付け「福井県知事「初夢は小浜先行開業」 北陸新幹線延伸問題で」
・FNNプライムオンライン、2025年1月10日付け「福井県知事の“初夢”は「小浜までの先行開業」 認可・着工の見通し立たず混迷する北陸新幹線延伸の議論に一石か」