今回の【駅】シリーズは、
広島県三次市東寄りの、山あいに広がる田園地帯に位置する芸備線の駅で、近くには城跡のある低山が多い、
下和知駅 (しもわちえき。Shimo-Wachi Station) です。
駅名
下和知駅 (駅番号なし)
所在地
広島県三次市
乗車可能路線
JR西日本:芸備線
隣の駅
備中神代方……山ノ内駅
広島方…………塩町駅
訪問・撮影時
2022年5月
駅概要
駅形態……………地平駅(1923年開業)。
駅舎………………ありません。ホームから離れた西側に待合所があるのみ。
出入口……………西側のみ。東からは約200m北or約160m南の踏切を渡って西側へ。
バリアフリー……△(駅外~ホーム間に段差が無いですが、
スロープの勾配が急で、駅外~待合所の坂は手すり無しです。
尚、車両(キハ120形)はステップ付きで非対応)。
点字ブロック……未整備
駅前広場…………△(駅構内の線路跡・貨物用地跡が事実上の駅前広場に。
坂下を通る県道431号の駅出入口前にバス停留所あり)。
駅出入口(北口)です。南を望む。
下和知駅は地形の関係で周りより一段高い位置にあり、芸備線と並行する県道431号線からは和田簡易郵便局前に設置されているスロープで登る必要があります。
スロープは自動車(小型車以下)が通行可能で、車種により送迎の際は坂上まで行くことができます。
このスロープはガードレールがありますが、手すりがありませんので、勾配が急なことも相まって要注意です。
また、スロープ下の県道沿いにはバス停留所があります。
そして、写真奥には南側からの駅進入路のスロープ(南口)があります(後述)。
坂道を登り切って左へ曲がるとホームヘの通路があり、道なりに進むと待合所とホームに到達します。
そのまま直進すると左手に屋根付きの無料駐輪場があり、その先に鉄道用地跡の空地があります。
また、待合所の背面には駅名標タイプの駅名看板があります(書体は通常とは異なります)。
南を望む。
待合所や駐輪場の南側には、貨物用地跡の空地があります。
ここが事実上の駅前広場になっていますが、舗装されていませんので雨天時はぬかるむ可能性があり、時期により雑草が生い茂ったりします(定期的に除草されているようです)。
さらに先(写真右前方)には南口の下り坂があります。
自動車で送迎の場合はこの空地でUターン可能ですし、スルー運転で前方の南口坂道を下って県道に再合流することも可能です(逆ルートもOK)。
南を望む。
待合所と駐輪場の間を左へ曲がり、さらに左へ曲がって待合所前に出て、今度は右へ曲がりました。
東を望む。
後方に待合所があります。
そのまま前方へ進み、構内踏切跡を通ってから線路前で右へ曲がってスロープを登るとホームに到達します。
このスロープも傾斜は急ですが、手すりが設置されています。
ホームヘのスロープです。南方向(広島方)を望む。
北口駅前です。北を望む。
上写真は待合所前より、下写真は坂下の駅出入口より撮影。
駅前は盆地の田園地帯が広がっており、民家は少なく商店は見られません。
盆地の周囲には低山が多く、それらの多くに城が築かれていました。何か戦でもあったのでしょうか?
こちらは南口です。北方向を望む。
北口と対称の関係になっていて、こちらもスロープが県道431号と駅構内を結んでいます。
こちらにはバス停が存在せず、あくまでも前述の北口が正面口の扱いのようです。
南口からスロープを登りました。北方向を望む。
スロープを登ってからモザイクの奥にあるホーム出入口まで距離があります。しかも未舗装となっています。
モザイクの位置には私の自動車がありますww
南口駅前です。北を望む。
上写真は坂上より、下写真は坂下の出入口前より撮影。
こちらは北口駅前より住宅が少なく、田園地帯が広がっています。商店はありません。
駅前です。事実上の駅前広場より西を望む。
のどかな風景が広がっています。すぐ西側を国兼川が北から南へ流れていて、盆地を形成しています。
広域的に見ると盆地と丘陵地帯・低山が入り混じっています。
約2.6km西、写真左奥の丘陵地帯には都市公園の「広島県立みよし公園」があります。
研修施設、温水プール、テニスコートなどの設備があります。
駅前です。ホームより東を望む。
東口は駅裏に相当し、西側よりも民家が少ないです。山地が駅近くまで迫っています。
かつては棚田も見られましたが、区画整理により今は整然とした区割りの田園地帯が広がっています。
待合所です。西方向を望む。
ホームから離れた場所、おそらく駅舎跡地に設けられていると思われます(違うかもしれませんが…)。国鉄時代に旧駅舎が解体されてこの待合所が建てられたという事です。
待合所は密閉式ではなく、雨風をしのぐことは可能ですが、寒さはしのげません…。
中にはベンチがあり、壁面には近距離運賃表と駅名標が掲出されています。時刻表は別に設置された建植式の掲示板に貼られています。
また、下和知駅は無人駅であり、改札設備はありません。
駅員配置………なし(無人駅)。
自動改札機……なし(無人駅なのでそのまま入場して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。
もしICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
通路……………車いす対応幅で段差解消も、車両側がバリアフリー非対応。
北口側は舗装済も南口側は未舗装部分あり。点字ブロック未設置。
窓口……………なし。
自動券売機……なし(車内で整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………×(訪問前に列車内で済ませておいて下さい)。
売店……………なし。
コンビニ………なし。
上写真はホーム上にある建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
下写真は待合所にある壁掛式駅名標です。非電照式です。
建植式と壁掛式で書体が異なっています。
また、建植式は経年劣化が進行しています。壁掛式は自駅名が右にずれています。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR西日本のコーポレートカラーである青色です。
尚、芸備線には紫色(藤色)のラインカラーが導入されていますが、駅名標には反映されていません。芸備線の今後が不安定だから駅名標が更新されないのでしょうか?
ちなみに広島地区の芸備線は、都市部の狩留家~広島間を除き駅ナンバリングは導入されていません。
こちらは縦型の駅名標です。ボロボロになっています…。
駅構造……地平駅(北北東~南南西方向)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
のりば番号は付与されておらず、下り三次・広島方面、上り備後落合・備中神代・新見方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違えないよう注意が必要です。
かつては島式ホーム1面2線でしたが、駅出入口側(ホーム右側)の線路は撤去されています(下写真)。ホーム形状に島式時代の名残が見られます。
さらに右側には貨物側線やホームがあったそうで、広い構内はその名残です。線路やホームは撤去されています。
ホーム有効長……3両分(キハ120形ですと4両分)。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭く、しかも線路と反対側(右)は大半が未舗装。
点字ブロックは無く、線路際には白線すら引かれていません。
上屋(屋根)………なし(雨をしのげるのは待合所のみ)。
ホーム上設備……なし。
ホーム上には上家やベンチがありません。
そして備中神代方の端(手前側)にはスロープがあり、右側に待合所や駅出入口への通路が延びています。かつてはこの通路上に構内踏切がありました。
写真は全て広島方を望む。
写真は全て備中神代方を望む。
構内は広いです。昔は結構賑わっていたのでしょうねぇ…。
分かりづらいですが、ホーム~待合所~駅出入口のルートはクランク状になっています。構内踏切があった名残を感じられるルートです。
待合所と駐輪場の間を通り抜けて右のスロープを下ると北口(バス停・郵便局方面)、右へ曲がって未舗装の構内跡を通りスロープを下ると南口です。
備中神代方を望む。
ホーム端にスロープがあり、その左後方に待合所と駅出入口があります。
この先、右側から丘陵地帯が迫りながらも国兼川が形成した盆地の田園地帯の中を北北東~東へ走り、国兼川を渡ると庄原市に変わります。その後はもう一度国兼川を渡り、森林の中を北東へ走ると再び田園の中を走るようになりますが、やがて森林に入り、中国自動車道をアンダークロスします。最後は右へカーブして広大な盆地の田園風景の中を北東へ走るようになると、山ノ内駅へと至ります。
あとがき
下車(乗車)時・・・2022年(自動車で訪問)
盆地の田園地帯にある単式ホーム1面1線の棒線駅ですが、かつては構内が広く、その面影をとどめています。駅は駅前道路より一段高い位置にあります。駅前は民家が少なく、田園風景が広がっています。
鉄路のみでのアクセス(ルートは一例です)
東京からですと東海道・山陽新幹線で広島駅まで行き、芸備線を乗り継げば到達できます。時間帯によっては新幹線を岡山下車~伯備線~新見乗換芸備線ルートや福山下車~福塩線~塩町から芸備線ルートの方が早い場合もありますが、芸備線の東城~備後落合や福塩線非電化区間の本数が少なすぎるため、広島経由の方がアクセスしやすいです。超タイトな日程になりますが、何とか日帰り訪問可能です(最大滞在時間:2024年時点で2時間24分)。
一方、大阪からですと新大阪駅から山陽新幹線で広島駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。東京からより移動距離が少ないものの、芸備線備後庄原以東の列車本数が少なすぎるため、日帰りでの滞在時間は4時間57分になってしまいます…(山ノ内駅への先着列車が東京からの場合と同じく昼過ぎの列車になってしまいます)。
(飛行機でのアクセスは考慮していません)
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (1km圏内に店舗はありません)
飲食チェーン店・・・なし
東京、大阪とも到達難易度が非常に高いですが、芸備線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は下和知駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)