今回ご紹介する乗り鉄旅は「北海道ローカル線旅日記!冬の釧網本線・完乗編」(2021年12月~2022年2月投稿)の続編。どんな旅になるのかな?それでは旅を進めよう。
ここは2021年2月下旬・午前10時の釧路駅1番ホーム。釧網本線・網走駅からキハ54(ルパン列車)に乗って釧路駅まで来たが、切符が「北海道フリーパス」(乗り放題)なのでスケジュールをあまり決めていない。駅で休憩して約1時間後に発車する根室行「快速ノサップ」か札幌行「特急おおぞら6号」に乗ることにしよう。
・・と思っていたら、隣(2番ホーム)に停車している帯広行普通列車(キハ40)が「乗れ、乗れ」と私を誘っている・・笑
そうだよな・・ このスジの普通列車は乗客が少なく、車窓の景色をのんびり楽しめるはずだ・・よし、決定!
網走駅を発車したのが午前6時41分。小腹が減ってきたので、まずは乗換前に駅弁をゲット。「いわし」の水揚げ増加で、久しぶりに「漁獲量・日本一!」に返り咲いた釧路港。「いわしのほっかぶり鮨」は外せない。
帯広行普通列車(2524D)の発車時刻は午前10時11分。ささっと駅弁を買って、地下道を通って2番ホームへ。天井は相変わらず昭和の香り、いつまでも変わらないで欲しいね。
2番ホームからキハ54とキハ40をパチリ!近い将来、このツーショットも見れなくなるのだろう・・泣
(※根室線は2022年3月、釧網線は2024年3月のダイヤ改正から、キハ40・キハ54は姿を消しました。その後はH100系気動車(愛称:Decmo)にバトンタッチ)
このサボ(行先表示板・サイドボード)も、いずれ貴重品だな。
乗客が混んでいたらパスしようと思ったが、これならOK!
新型コロナ禍なので、換気を兼ねて窓を少し開けると、ドドーンとルパンが登場。でも不二子ちゃんは見えないね・・泣
前方には次元大介。
発車すると石川五ェ門が接近し、
トリは銭形警部。
さらばルパン列車、網走駅からありがとう。
※写真1~11:気ままな乗り鉄旅は釧網本線から根室本線へ(釧路駅)
では窓を閉めて駅弁をつまみながら、キハ40の旅を楽しもう。
列車は(新)釧路川を渡る鉄橋を通過。河口付近なので潮の満ち引きの影響を受けるが、川面が穏やかな時は見事な「水鏡」。
白のヨンマルがよく映える。
釧網本線や花咲線の旅の後に乗る、午後4時過ぎ発車の札幌行「特急おおぞら10号」の楽しみが、ここの車窓の景色。夕陽に映える凍てつく川面・・旅情を感じるな~(進行方向左側=海側)
※写真12~14:花咲線・釧網本線が通る釧路川鉄橋に比べ、訪れる人が少ないスポットです(釧路~新富士)
午前10時15分、列車は新富士駅に到着。
北海道の地名・駅名の多くはアイヌ語に由来するが、新富士駅の名称は、かつて富士製紙(株)釧路工場(後に十条製紙→日本製紙。2021年10月に工場閉鎖)の専用線を分岐させるため設置されたことに由来する。なるほど!だから貨物ヤードが広いんだ。納得。(進行方向右側後方)
石炭が積まれているが、製紙工場の燃料なのだろうか。(進行方向右側)
釧路市にはかつて良質な石炭を産出する太平洋炭鉱(海底炭。現在・釧路コールマイン)があって、漁業、製紙業とともに釧路市の繁栄を長年支えてきたが、現在の産出量はわずか。今は役割を変え、日本唯一の炭鉱として採炭技術の伝承や、海外への技術支援に貢献していると聞くが、何とか続いて欲しいね。
ちなみに、この3大産業の代わりに釧路市の発展に寄与してきたのが「釧路湿原」。昔は開発を妨げる「厄介者」扱いだったが、その後、ラムサール条約の登録湿地や国立公園に指定され、今では観光で地域を活気づける「立役者」。
多くの観光客を呼び込む釧網本線の「くしろ湿原ノロッコ号」や
「SL冬の湿原号」は、長年、地域に大きく貢献している。さすがです!🙇
それと・・考えてみれば、国内唯一の炭鉱がある釧路でSLが走っているのも、歴史を感じられていいものだ。
話を乗り鉄旅に戻そう。
立派で長い高架橋だな~ ここは大型貨物船の拠点港「釧路西港」エリアで、物流を円滑にするため高架化されているが、地方都市の中心駅から離れた所に高架橋があるのは、道内では珍しい。
おや?「ガタン~ゴトン~♬」の走行音が消えたぞ。ロングレールは走りが滑らかだな~
乗り心地ならロングレールだが、旅の風情なら「ガタン~ゴトン~♬」。どっちもいいね。(後方デッキより)
進行方向右側に本州製紙(現在は王子製紙)の工場が見えてきたが、釧路市の西側は市街地と工業地帯が続く。自然豊かな大地を走る釧網本線や花咲線の車窓の景色とは随分違う。
午前10時25分、難読駅名で知られる「大楽毛(おたのしけ)駅」に到着。停車時間が長ければ、降りて記念に一枚撮りたかったが、残念・・
※写真15~21:市街地や工業地帯が続く新富士~大楽毛間と釧網本線の名列車
大楽毛を過ぎると列車は市街地を離れ、雪原地帯を西へ進む。直線区間が長く、時速は約85km。ガタン~ゴトン~♬のリズムも軽快だね。只今、乗客は4人。私が座る車両後方には誰もいないので、たまに窓を少し開けてパチリ。(進行方向右側前方)
夏は草原が広がり、
市街地にある庶路駅を発車した後は、右へ急カーブ。乗っても撮っても、車両の傾きがよ~くわかる。
※写真22~24:列車は釧路市から白糠町へ(大楽毛~東庶路信号場~庶路)
午前10時39分、西庶路駅に到着。札幌発釧路行「特急おおぞら1号」(キハ283系)と列車交換するため4分停車。
嬉しいね~ この4分を無駄にしてはいけない! 早速プラットホームに降りて撮影をしよう。
あの跨線橋の端から通過する列車を毎日眺めていたら、きっと幸せだろうね。
振り返って見ていると、待ってましたキハ283系「特急おおぞら1号」!
好きです、急カーブ。
午前10時41分、
轟音を引き連れて、あっという間に駅を通過! 迫力十分!
※写真25~30:西庶路駅の列車交換
今「特急おおぞら1号」に乗ってま~す!
まもなく西庶路駅を通過しますよ~(特急おおぞら1号のデッキより)
【撮影時間:55秒。30秒後に2524Dと列車交換。デッキなので大きい走行音。ちなみに足音は車掌さん、お仕事、お疲れ様です】
「特急おおぞら1号」は、午前10時58分、釧路駅1番ホームに到着。4時間10分のロングラン。いつも大変だね、お疲れ様でした。
ちなみに2番ホームに停車しているのは、乗車率の高い午前11時12分発・根室行「快速ノサップ」。
その後「特急おおぞら1号」は、折り返し運転で札幌行「特急おおぞら6号」となり、
午前11時24分に釧路駅を発車する。激務だな~ 頭が下がります・・🙇
※写真31~34:馴染み深いキハ283系「特急おおぞら1号」と「特急おおぞら6号」
では、発車シーンを動画でどうぞ。
【撮影時間:55秒】
乗っていると、このような感じです。
キハ283系が運用開始した1997年から、道東自動車道が日高山脈を貫いた2009年までは、釧路~札幌間の旅客輸送は「特急スーパーおおぞら」が中心。特急列車(常時9両前後)停車時の釧路駅のホームは、人でとても活気がありました。あの時の賑わいを、もう一度見たいな~
(新)釧路川鉄橋の通過シーンも動画でどうぞ。ちなみに今乗っている2524Dは池田駅で「特急おおぞら6号」に先を譲るので、今後も「特急おおぞら」は度々登場します。
【撮影時間:20秒】
2524Dも午前10時43分、西庶路駅を発車。
※写真35:列車交換で鉄分補給(西庶路)
釧路~帯広間はいつも「特急おおぞら」に乗っているが、鈍行列車はゆっくり景色が流れ、各駅の姿を記録や記憶に残すことができる。新しい発見はいいものだね。
(つづく)
*追伸
「北海道ローカル線旅日記!冬の根室本線(釧路駅~帯広駅)」をご覧いただきまして、ありがとうございます。
ぼちぼちアップしている鈍行ブログですが、本年もよろしくお願いいたします。🙇