西武鉄道が、小田急8000形を譲受し、いよいよ営業運転開始時期が見えてきた。大手私鉄が他社から車両を譲受するのは極めて珍しいと言えよう。
関東大手私鉄最弱の京成電鉄ですらも、車両は自力で導入している。しかし本当に最弱なので、車両の導入ペースはかなり遅い。京成3100形は4年間でたったの7編成しか導入されなかったし、3200形の場合も今年度は6両のみが導入となる。個人的に、都営5300形は全廃せずに京成に譲渡されれば良かったと思っている。5300形の引退から2年経過するが、その気持ちは今も変わらない。せっかくなので、私の思想を皆様に共有しようと思う。
都交5300形は、2023年まで都営浅草線・京成線・京急線・北総線で活躍していた車両で、加速時のvvvf音がうるさいことから、交通局の白い悪魔と呼ばれ、そこそこ人気だった形式だ。しかし、保存も譲渡もなく全車両が解体されてしまった。保存はともかく、譲渡すらされなかったのは非常に残念に思う。というのも、都交5300形は1991年にデビューした車両であり、京成3700形と同世代である。都交5300形はvvvfインバーター制御車であるから、機器更新の上で京成に譲渡すれば、チョッパ制御の京成3400形と3600形、抵抗制御の京成3500形を置き換えることができ、動力コストの削減に繋がったはずだ。京成電鉄は、JR総武線にボロ負けしていることから利用者が少なく、新型車両の導入ペースがなかなか上がらない。また、京成電鉄とその乗り入れ先の線路幅はJRの在来線よりも広い1435mmであるため、甲種輸送の際は仮の台車を履かせる必要があり、非常に面倒である。そういった意味でも、都交5300形を譲受し、導入する新型車両を最小限に抑えるべきだったように思えてならない。
他社局からの車両譲受を拒むのは、大手私鉄のプライドなのだろうか。しかし、京成電鉄よりも経営環境が良い西武鉄道が、他社からの車両譲受を行うような時代である。関東大手私鉄最弱の京成電鉄が車両譲受をしないことが不自然である。ただ、京成電鉄の車両は18m車体かつ1435mmという特殊なものであり、乗り入れ先からしか譲受できないという点が西武鉄道と異なる。京成の乗り入れ先のうち、京急は古い車両を長く使う傾向にあるし、北総鉄道は逆に京成から車両をリース(事実上の譲受)しているくらいだから、京成に譲渡できる車両はない。そうなると、都営地下鉄が最も京成への譲渡に向いていることになるが、5300形の置き換えは2023年に完了しているため、都営浅草線への新車導入は20年近く先になることだろう。抵抗制御車とチョッパ制御車の置き換えは、京成が頑張るしかないのだ。新型車両導入のペースを少しでも上げたいなら、ワンマン化や駅の閑散駅の無人化といったコスト削減をするべきだ。
最後に、当ブログにある5300形の写真を全日分掘り出す。その過程で余計なものも掘り出すので楽しんで頂きたい。
引退直前の都交5300形
めでたく西武鉄道への譲渡対象となった小田急8000形
りんかい線の70-000形も何処かに譲渡されてほしい。東武東上線なんてどうだろうか。
2022年12月下旬
まさか211系よりも先に5300形が消えるとはね...
もし5300形が京成に譲渡されたら、この編成は真っ先に淘汰されただろう。
2022年12月上旬
2022年11月
まさか3500形よりも先に消えるとはね...3500形の車齢は50年を超えている
東武8000系も車齢50年超えだ
2022年11月上旬
2022年10月下旬
JR東海の211系の一部が三岐鉄道に譲渡されるそうだな
311系も譲渡してあげてくれ!
キハ85系は京都丹後鉄道に譲渡された。めでたい
箱根登山鉄道の100形よりも先に5300形が引退したという事実...
*115系はまだ現役。そもそも設計思想が違うのかもしれないが。
2022年夏
3700形と同世代の5300形が何故こんなにも早く引退したのか。それは、東京都交通局が車両の延命のための更新工事に消極的だからである。しかし、そんな都交通の車両にも奇跡的に延命された奴がいる。それがこの7700形だ。都電荒川線で現在も元気に走っている。
といった感じで、5300形の写真を全て掘り出した。予想していたことではあるが、S式ばかりだった。というのも私は動画鉄であり、引退が近い車両や、地元ではない路線(大回り乗車で行ける場所を除く)を撮る場合は、一眼レフで撮る編成全体が入る写真よりも、スマホで撮る発着動画を優先するからだ。