JR東日本新潟支社と水戸支社は2024年12月13日、2025年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて分析します。なお、記事中の図は、各支社プレスリリースから引用しています。

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1.新潟エリア

(1)新駅開業

 越後線の新潟~白山間に、新駅「上所駅」が開業します。上所駅は新潟駅~白山駅のほぼ中間に設置されます。近隣には新潟南高校があり、通学客の利便性向上が期待できそうです。

 

(2)特急「しらゆき」設定時間帯変更

 特急「しらゆき」の運行時間帯が一部変更となります。

 新潟行き上り列車については、しらゆき8号の発車時刻が3時間半繰り上がります。新井行き下り列車については、上越妙高7:27発の列車が、19:26発に変更となります。

 新井から新潟へ行く特急列車は、改正後のしらゆき1号は新潟駅に昼に到着するダイヤとなります。正直、朝に新潟へ行く特急列車がなくなるので、やや不便になるのではないかと懸念しています。

 あくまでも当局の推測ですが、しらゆき8号のダイヤ変更を最優先事項にしていたのではないかと考えています。しらゆき8号の運行時刻を夜から夕方へ変更し、利用促進を図りたいという狙いがあるのではとみています。

 

(3)乗り継ぎ改善

 新潟駅・東三条駅・新発田駅・十日町駅で、乗り継ぎの改善が行われます。

 

(4)信越本線・羽越本線 輸送改善

 信越本線・羽越本線のダイヤが改善されます。

 信越本線は、パターンダイヤが採用され、10~14時台の新潟発時刻が毎時8分、28分、48分に統一されます。パターンダイヤにより、列車の間隔も統一され、分かりやすくなります。

 羽越本線は、新津発酒田行き普通列車の運行時間が短縮されます。この普通酒田行きは、村上駅で58分も長時間停車しています。ダイヤ変更によりこの長時間停車を解消し、速達化が図られます。

 このほか、ワンマン列車の拡大などが行われます。

 

2.水戸エリア

(1)常磐線特急列車

 常磐線の特急「ときわ53号・54号」は、平日が上野発着、土休日が品川発着となっていますが、この改正により平日も品川発着として運転されます。これにより、平日・土休日全ての特急「ひたち」「ときわ」が品川発着となり、利便性が向上します。

 

(2)常磐線普通列車 時刻変更

・朝時間帯の我孫子6:23発高萩行きが勝田行きに短縮され、かわって上野6:04発水戸行きが高萩行きに延長されます。これにより、土浦方面から日立・高萩方面への所要時間が短縮されます。

 

 

 

・早朝時間帯、夜間帯で運転区間が一部変更となります。これについては、車両運用の都合による変更とみられます。

 

 

(3)水郡線 車両数変更

 水郡線で、車両数の変更が行われます。

 土休日の朝時間帯、水戸~常陸太田間1往復で増車となる一方、平日の水戸~常陸大子間の上下3本は2両に減車となります。朝時間帯は土休日も利用が多いことが窺える一方、平日は日中時間帯及びラッシュと逆方向については、利用がそこまで多くない状況であることが推測されます。

 

(4)水郡線 運転形態変更

 水戸13:15発郡山行き普通列車が、常陸大子行きに短縮されます。なお、常陸大子駅で常陸大子発郡山行きに乗り継ぐことができるダイヤとなり、本数の増減はありません。車両運用の関係での変更とみられます。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。唯一懸念されるのは、特急「しらゆき」の運転時刻変更で、上越市→新潟市方面への朝の特急がなくなることでしょうか。この変更が吉と出るのか、気になるところです。

 新潟エリア・水戸エリアいずれも、今回は小幅な改正にとどまりましたが、地道な乗り継ぎ改善などが多く、総じて良い改正となりそうな印象を受けました。利用者増加や満足度の向上につながるか、注目です。