宙組公演 宝塚110年の恋のうた | 続アメマのおとしもの

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2025年1月1日~2月2日 宝塚大劇場・宙組公演

 

2025年の正月公演は、宙組トップスター芹香斗亜のサヨナラ公演。トップ就任後、大劇場3作での退団となった訳で、最初からそうだったのか、アレがあったからそうなったのかは分かりませんが・・・。

サヨナラ公演なのに、チケットは完売せずで、立ち見や時々戻りのチケットが出ています。それには言及しませんが、世間は正直だなと。

 

 

1月8日11時公演、1階4列目で観劇。

※ネタバレ注意。

●宝塚歌劇百十周年紀念奉舞「宝塚110年の恋のうた」 作・演出/大野拓史

 

宝塚歌劇110年の歴史を創り上げてきた数々の「日本物」作品から、恋に纏わる名曲をセレクトし、新たに紡ぎ上げる日本物レヴュー。宝塚歌劇の日本物の伝統を受け止め、未来へと繋ぐ、華やかで美しい舞台。

元々は2024年5~6月に「FINAL FANTASY XVI」と伴演予定でしたが、スクエア・エニックス社が例の件で上演条件を歌劇団が満たさなかったため中止となり、代替の特別公演の上演となりました。この日本物ショーもお蔵入りになるのかと思いきや、正月・退団公演として復活。

しかし私個人的には大野作品は苦手でして、昨年末の月組「ゴールデン・リバティ」も中途半端で、日本物ショーと言えば、2018年のトンチキショー「白鷺の城」。今回も不安でありますが、過去の宝塚の日本者物の主題歌がたくさん使われているらしいから、昨年の特別公演のような感じなのかな?

 

◆春霞

チョンパで始まる和物の定番プロローグで、真っ赤な敷物で覆われた大階段で、客席からはどよめきと大きな拍手が起こります。銀橋センターには藤原定家に扮した芹香斗亜が、「恋の曼陀羅」(「新源氏物語」)を歌います。そして大階段センターには春日野八千代役の桜木みなとも登場。式子内親王の春乃さくらはたおやかで美しいです。何作かの「源氏物語」の主題歌を使い、最後は桜木と天彩峰里で「さくらの夢」(「あさきゆめみし」)で締めます。

正直、良かったのはプロローグだけで、あとはもう・・・。

 

◆やみのうつゝ

ここから芝居となって行くわけですが、何故藤原定家のような一般的にメジャーでない人物を主人公にしたのか?何故、ズンちゃんに春日野八千代さんの役をさせたのか?もう不思議でしかなく、さらに衣通姫として専科の京三紗を出してますが、もっと威厳のある役かと思えば、なんともブリッコ(死語)で・・・。出す意味ありますかね?宙組生で出来るでしょう。別に京さんが悪いのではなく、そんな演出にした大野氏に疑問です。

 

◆ほしあひのそら

竹藪の中で恋のうたが綴られます。これも普通に七夕の場面でええのに、「若き日の歌は忘れじ」「龍の宮物語」「夢現無双」「星逢一夜」の様々な宝塚の和物キャラが登場しますが、一般客はこんなん訳わかりませんよ。なんで竹藪の中に、武士やら剣士やら書生がおるのか。それぞれのキャラを演じた生徒は綺麗だったし、その時の衣裳も出てきて懐かしさもありました。こんなん本公演でなく、タカスペですやん。彦星、織姫の芹香・春乃コンビはキレイだったし、推しの山吹ひばりの泉も良かったんですけどね。

 

◆神かき

ここでいきなり日替わりリクエストコーナーで、今回は凰海るのが「川霧の橋」を歌ってました。でもマイク持って歌うのはどうなのか?歌は上手かったです。

 

◆色のゆかり

まずは天彩らが芸者で「忠臣蔵小唄」という戦前の曲で舞います。

そして「新選組」の場面となり、ここがやたら長い。「誠の群像」「星影の人」とか曲はいいのですが、そんなガッツリ芝居されても。雰囲気だけあればいいんですよ、ショーなんですから。土方歳三の瑠風輝が、なんだか湖月わたるみたいでカッコ良かったなぁ。

 

いりあひのかね

第二次世界大戦で宝塚の演目も軍事物となり、ついに閉鎖となる演目の「翼の決戦」主題歌が出てきます。この演目は度々写真で出てきますが、主題歌を聞いたのは初めてですね。興味深かったのですが、桜木や天彩が黒燕尾やドレス姿で白塗り化粧が違和感満載で、軍人や勤労隊までも・・・。これはアカンわ。笑いそうになりましたもん。

 

◆葛城

式子内親王の墓が、蔦葛で覆われている場面。場面的にはすごくいいし、ここでやっとこの作品の主題歌「定家葛」が出てきます。なのにこの場面で感動できないのは、それまでの場面構成が悪いのと、コメディ的なのも良くない。

 

◆いく世の花

フィナーレなんですが、いきなり「この恋は雲の涯まで」の義経でアイヌ舞踊や、「春櫻賦」の龍山で琉球舞踊が出て来るって唐突過ぎます。それなら日本物のお国巡りの構成で、北海道から沖縄まで日本各地の舞踊を宝塚の主題歌で構成する方が楽しめたと思います。

ようやくフィナーレらしい「花の舞拍子」が出てきて、これで締めるのかと思いきや、バウ公演「花風吹 恋風吹」って・・・。最後は植田氏がやった、すみれやさくらのボレロでいいんですよ。

もうプロローグ以外が変化球過ぎて、たった45分のショーで4列目なのに眠かったです。やっぱ大野作品は苦手だわ。