JR東、次はどこに一般形新型車両を導入するのか? E235系1000番台の減産・統一完了見通しを受けて
横須賀・総武快速線用に製造がおこなわれてきたE235系1000番台の2編成分の減産、E217系の引退・車両統一が3月のダイヤ改正より行われることが判明されました。E235系1000番台の増備が完了するということで、次に新型車両が導入される路線はどこなのか、大変気になります。
仙石線にE131系が導入されることが先日発表されていますが、製造される車両は14編成56両と小規模であり、半年程度で増備は完了できるでしょう。2025年1月現在、他に発表されている新車導入計画は新幹線などを除けばありません。
JR東日本は、子会社として総合車両製作所を保有しています。この総合車両製作所から見たら、受注は安定的であることを望みます。総合車両製作所は私鉄からの受注も多いものの、やはり最大の顧客はJR東日本です。そんなJR東日本、E231・E233系は短い時期に大量に製造されました。これらの車両を全て同じ期間使用すると仮定すると、置き換えるときも短い期間で大量の車両を製造しなければなりません。これは、JR東日本にとってもコストがかかりますし、受注される側にとってもあまり効率的ではありません。これを解決するためには、
- 首都圏の一般形電車を除く特急用の車両や地方を走るE131系といった車両を導入する時期が被らないようにすること
- E231・233系を置き換える時期をできるだけ長くする
2に関して具体的に説明すると、例えば置き換えの基準を30年としたとき、E231系はそれよりも短い25年程度で置き換えて、E233はそれよりも長い35年程度で置き換えるといった具合です。30年という基準を少しずつずらしていくことで、新車の製造ペースを平均化していくということです。
1に関して、仙石線にE131系が導入されることが決まったように、長野地区や高崎地区、八高線といった路線などにもE131系が、E231・E233系の置き換えラッシュが始まる前までに導入されるでしょう。そして特急車両なのですが、255系が運行を終了しましたが、全体的に車両数が不足していて、臨時列車の運用に充当されるなど、波動用列車として活躍しています。本来は引退している車両だと筆者は考えていて、E257系の後継車両が導入されるタイミングにて、255系分の新型車両も同じ新形式の車両が置き換えるのかなと思いました(房総特急の需要は減っているので、同じ本数が導入されると言いたいわけではありません)。E257系とE231系は導入時期が被っていて、これまた置き換えの時も被ってしまいそうです。特急の方が高いサービスを求められますので、E257系の方が先に置き換えられるのかなと筆者は考えました。
2020年代、2030年代の車両導入計画を予想する
今後の長期的な車両導入計画を予想する際のカギになることとして、羽田空港アクセス線が2031年度に開業予定であることです。羽田空港アクセス線の運行が始まる際には新しい車両が必要で、その新車が、上野東京ライン・湘南新宿ライン系統の車両にも充当されるようになるのではないでしょうか。遅くても、2030年くらいから新型車両を製造し始め、増えた運用分の車両が用意できたら、E231系の置き換えのためにまた増備を続けていく形になると思います。羽田空港アクセス線に絡む上野東京ラインには、東海道線・宇都宮線・高崎線に用いられている車両と常磐快速線に用いられている車両の2つがあります。どちらが先に置き換えられることになるのでしょうか。製造からの経過年数や、本数が常磐線の方が少ないことから、こちらに先に導入されると思っていますが、正直わかりません。
一般に、新車導入の発表が行われてから、運行が始まるのにはかなりの期間が必要とされます。事実、横須賀・総武快速線用のE235系1000番台は、2018年9月に導入の発表が行われ運行を開始したのは2020年12月、山手線用の0番台(量産先行車)の導入は2014年7月に行われ運行の開始は2015年11月です。このことから考えると、2030年に新車が導入されるとなると2028年に発表、導入時期がこれより前になれば必然的に発表も早く行われます。今年が2025年、大規模な新車導入計画が発表されるまで、長いような短いような気がします。それまでの間も、E131系がちょこちょこと導入されるのではないでしょうか。
今までのJR東を振り返ると、基本的には何かしらの車両を製造・投入し続け、車両を投入していない時期というのは珍しかったと思います。記憶に新しいのは、E235系0番台が量産先行車のあと量産車の製造になかなか至らなかったこと、1000番台のコロナ期間中の製造の一時停止、これくらいです。今後の少子高齢化や人口減少を考えると、設備投資にどれだけのお金を使えるのかはわかりませんが、新車の投入には夢が膨らみます。今後の動向、大変気になります。
*コメントの指摘を受けて、一部記事の内容を訂正しました。大変失礼いたしました。
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