ミ サ キ 2

私のショートショートにまたお付き合い下さい。

 

私は、久しぶりに京都駅を探索していました。京都駅のホームの東側、昔は陸橋があったのですが、今は、京都市営地下鉄の関係で地下道となっています。

陸橋があった時の事、階段の下に“御手洗”と、いう看板が、トイレと思って飛び込むと、蛇口と鏡が並んでいました。つまり、手を洗ったり、顔を洗ったり、歯を磨いたり、髭を剃ったりする所でした。(蒸気機関車の頃、煤が手や顔につくので、着いた駅の“御手洗”を利用したとか)何処か他の駅でこの“御手洗”が残っていましたら教えて下さい。

 

ホームのベンチに座って、携帯を見ていると

「タッ君」

と声を掛けられました。見上げると女性が立っていました。

「ミサキ?」

「うん、そう、私」

と、言って、私の隣に座ってきました。

「昔、ここであなたに助けてもらった事があるのよ。」

【昔、ここで・・・そんな事があったような・・・いじめっ子達に追いかけられて、京都駅にたどり着き、このホームまで来た時、ベンチで苦しんでいる女子高生を見つけてしまった。京都女子大学付属高校の制服を着た女子高生だった。

「大丈夫ですか?救急車呼びましょうか?」

と、声を掛けると、苦しそうにしていたが

「大丈夫、お願い、手を握って欲しい。」

と、言われて手を握ってあげた。いじめっ子達が私達の方を見ていたが、近づいてくる事はなかった。103系の電車(京都発~西明石行き)を3本程やり過ごした時だった。

「ありがとう、元気になったわ。」

と、言って、彼女が立ち上がった。同時に、

「九鬼君!」

と、声を掛けられた。中学校の時の担任の先生だった。

「大丈夫、顔が真っ青よ。」

私の周りであたふたする先生、救急隊員が到着して、ストレッチャーに乗せられて、救急車へ、近くの病院へ、父の大学の親友が理事長をしている病院へ担ぎ込まれた。10日程入院して、やっと解放された。】

そんな事を思い出していた。

「あの時は、大変お世話になりました。」

と、言ってくれたけど、ホントえらい目にあいました。彼女に精気を吸い取られた様な気分だ。

色々話をしていて気が付いた事ですが、彼女は、みどりや順子のグループではなく、トコトコのグループだったけど、クラスが違ったらしい(私のクラスで京都女子大学付属高校を受験した生徒は、全員落ちていたから)。私の記憶に彼女がいないのはそのせいらしい。

「何か飲まない?」

「ミルクティー」

近くにコンビニがあった事を思い出して走った。ミルクティーとカプチーノを買ってベンチに戻ると、彼女は消えていた。

 

本日もどうもありがとうございました。