先般(12月10日)、書き出しで体調不良により中断していましたマイクロエース製の新幹線試験車両 E926形・East-iについて、改めて詳細に投稿します。

 

この車両は、東北・上越新幹線開業時に登場した新幹線電気軌道総合試験車925形の後継車両として、山形・秋田新幹線にも乗り入れ可能とするためにE3系をベースに開発されたE926形・East-iです。車体塗装が925形の黄色から、E926形では白色に変更されイメージも大きく変わりました。マイクロエースから発売されたE926形・East-iは、初回生産が2013年5月、2015年にはもう再生産と人気があるようで、2024年12月にも再々生産されました。以前から欲しかった車両です。(此処までは再掲です)

 

マイクロエースのE926形新幹線 電気・軌道総合検測車 East-i 6両セット(品番A-8470)です。

 

6両編成で、上から1号車(東京方先頭車),2号車,・・・ 6号車の順番に収容されています。マイクロエースの車両ケースに入っているスポンジは、従来品では車両収容箇所の長手方向のサイズが目一杯で、車両の出し入れにより連結面のホロが曲がってしまうので非常に気を使いましたが、この製品のスポンジは長手方向に余裕(あそび)があり、車両の出し入れが非常にスムーズになっています。

 

各車両を1号車から順番に見ていきます。

1号車(E962-1:東京方の先頭車) 車内には通信・電力・信号の検測装置、屋根上には架線離隔測定装置、前面には前方画像収録装置を搭載。(ウイキペディア「新幹線E962形電車」から抜粋、以下同様)

 

2号車(E962-2) 車内には通信の検側設備と各系統の測定用電源、屋根上には走行用パンタグラフを搭載。

 

3号車(E962-3) 軌道検測車。

 

4号車(E962-4) 車内には電力の検測設備を搭載、屋根上には走行・検測兼用パンタグラフとパンタ監視用のサーチライト・観測ドームがあり、模型では動力車。

 

5号車(E962-5) 電力・信号関係の車両。

 

6号車(E962-6:新青森方の先頭車) 車内には電力・信号の検測設備、屋根上に架線離隔測定装置と走行用パンタグラフ、前面には前方画像収録装置を搭載。

 

 

検測車両としての特殊設備が再現されており、先ずは先頭車です。

ヘッドライト点灯(左:1号車)とテールライト点灯(右:6号車)の状態で、何れも12Vを加圧していますが、テールライトは少々暗く感じます。両ライトの下側にある両窓が、前方画像収録装置で、本来はこの部分も点灯しますが、説明のために設定スイッチをOFFにして消灯状態で撮影しています。

 

前方画像収録装置の設定スイッチをONにすると、ヘッドライト点灯側のみ点灯します。購入時には、この状態に設定されています。

 

次は屋根上です。

両先頭車(左側:1号車,右側:6号車)の屋根上に、架線離隔測定装置が再現されています。

 

走行(通電)時には、進行方向に係らず架線離隔測定装置が緑色/朱色に点灯します。購入時にはこの状態に設定されていますが、消灯することも可能です。

 

架線離隔測定装置は、設定スイッチをOFFにすることで、通電時も消灯状態になります。

 

これらの設定スイッチは、先頭車の床下にあります。

前部台車の車軸付近にあるのが前方画像収録装置の設定スイッチで回転式です。後方にあるのが架線離隔測定装置でスライド式です。

 

中間車にも再現されています。

4号車(動力車)の屋根上には、走行・検測兼用パンタグラフを監視するためのサーチライトと監視ドーム(監視窓は黒色塗装で表現)です。

 

走行(通電)時には、進行方向に係らずサーチライトが電球色で点灯します。購入時にはこの状態に設定されていますが、消灯することも可能です。

 

サーチライトのON/OFFスイッチは車内にあるため、下回り(動力車)を取り出す必要があります。ボディと下回りの境界に隙間が殆どなく、傷が付かないようにKATO製品に添付されているプラスッチック製のマイナスドライバーを総動員して、写真の位置に強引に挿し込むことで、ボディから下回りを抜き出すことが出来ました。ただ、非常に外し辛くて破損する危険がありますので、特段の理由がない限り分解しない方が賢明です。ここでは説明のために敢えて危険を冒しました。

 

上記マイナスドライバーで指し示した位置で、ボディ側の窓ガラス下部に設けられた凸状突起と勘合する構造の様です。

 

窓ガラス下部の凸状突起を拡大して示します。

 

サーチライトのON/OFFスイッチは、黒色ブロック(サーチライト用光源のライト基板を収容)の左側の中央下部にあり、スライドスイッチで前後方向に動き、黒色ブロックから引き出すことによりOFFになります。

 

これらのスイッチを操作するための道具が添付されています。

ビニール袋に入った白色のスイッチ操作棒(プラスチック製のマイナスドライバー)です。KATO製(左側の淡緑色)と比べると、サイズが一回り大きくて太い造りになっており、三角コーナーの下部に収容されています。説明書以外の添付品はこれだけです。

 

 

左側から、1号車(東京方先頭車),2号車,・・・ 6号車の順番です。連結してみます。

 

カプラーは、床板内蔵で独自形状をしています。T車(左側:3号車)とM車(右側:4号車)とも同一品が使用されています。

 

1号車(左:T車)と2号車(右:T車)を連結。カプラーを目一杯押し付けた状態で、車両間隔は8mmです。

 

連結したカプラーにはあそびがあって、車両を前後に引き離した状態では、車両間隔が10mmに広がりました。3号車(T車)と4号車(M車)を連結した場合も当然同様です。

 

6両編成にした際に動力車は4号車ですから、4号車より前の車両は後押しされる形でカプラーが密着して車両間隔が8mmに、4号車より後ろの車両は牽引される形でカプラーが広がって車両間隔が10mmになるということでしょうか。走行させれば2mmの差は気にはならないと思いますが、それより8mmは一寸広過ぎるようです。(← 以下の間違い判明により、見え消しにしました)

 

【訂正】 2024.12.29 15:40

投稿後に、カプラーの連結方法を間違えている旨のご指摘を頂戴しました。明らかに私の間違いと判明、ご指摘に心より感謝いたします。正しい連結方法にして再撮影した写真を以下に追加・差替えしました。(なお、間違った連結状態の上記の写真・記述も敢えて残します)

 

手前側が正しい連結方法、奥側が間違っている当初(押し付けた状態)の連結方法です。間違えた原因は、このカプラーは初対面なことから、アーノルドカプラーの感覚でカプラーの前側に突き出た部分で連結するものだと思い込み、フラットな撮影台の上にレールなしの状態にて、手で押し込んで間違った形で連結していました。2両をレールに乗せた状態で軽くぶつけるように連結すれば、カプラーの後ろ側にある三角形が背中合わせに接する形に、間違いなく正しく連結されることが判りました。正しい連結方法であれば、カプラーのあそびはなく、連結面間隔も少し短縮されるようです。【写真・説明を追加】

 

 

 

正しい連結方法で再計測すると、連結面間隔は7mmになりました。この状態でカプラー同士が引き合う機構になっており、一定間隔が保たれています。【写真・説明を追加】

 

実車ではE926形のベースとなったのはE3系ですので、KATO製のE3系(手前)を並べてみました。E926形(奥側)の1号車-2号車に相当する11号車-12号車です。KATO製E3系は、連結時のカプラーの遊びも殆どなく、連結面間隔は4mmでホロも密着していて実感的です。【写真差替えのみ】 ・・・ 訂正は以上です。

 

 

 

左側2両がM車製のE926形、右側2両がK社製のE3系です。メーカー毎に異なるカプラー形状から、車両間隔に差異が生じるのは致し方ありませんが、レール上での連結のし易さではM社製が勝るようです。

 

 

実は、E926形・East-i (左)を購入直後のチェック時にパンタグラフの擦り板が外れてしまい、復元するのに難儀しました。KATO製のE3系(右)もレンタルレイアウトで初走行した際に、パンタグラフの擦り板を紛失したことがあり、このタイプのパンタグラフの扱いはどうも苦手です。指で擦り板を持って上げ下げして外れると困るので、ピンセットでアーム部分を摘まんで上げ下げすることにしています。

 

そのパンタグラフですが、E3系の6両編成では12号車・15号車に搭載され、東北新幹線の走行時には2基とも上げていました。一方、E926形・East-iは、前述の通り2号車・4号車・6号車と3基搭載されており、4号車は走行・検測の兼用です。検測走行に際しては編成で2基を上げて走行します。その際、検測精度の確保のため4号車のパンタグラフが編成で進行方向の前部に位置する必要があるとのことで、東京発の下り走行では4号車・2号車のパンタを上げ、東京行の上り走行では4号車・6号車のパンタを上げることになっているとのことを今回始めて知りました。また、在来線と軌道併用の秋田/山形新幹線区間では、1基だけ使用とのことで4号車のみ上げているようです。パンタグラフの運用も実に奥が深いことを再認識した次第です。

 

 

最後に、走行は非常に静かでスムーズと文句なし。色々なギミックもあって今回買って良かったと思うセットです。

 

 

待望のE926形が加わり、東北新幹線で活躍した馴染みのある車両が6編成になりました。