特急「おうめ」は東京〜青梅間を運行する特急列車である。平日のみの運行で,上りは早朝,下りは夜間に運転され,特急「はちおうじ」(東京〜八王子)とあわせて通勤時間帯の着席ニーズに応える役割に徹している。青梅線唯一の特急列車でもある。
前回の記事でも紹介したが,2025年春の中央線快速電車・青梅線へのグリーン車導入にあわせて,特急「はちおうじ」「おうめ」は廃止予定*1である。
特急「おうめ」1号


方向幕は「拝島・青梅」
今回,新宿駅から特急「おうめ」に乗車してみた。乗車するのは下りの特急「おうめ」1号。着席サービス対象列車のため座席上のランプで発売状況が把握できるが,新宿駅を発車した時点で3/4ほどは埋まっているようだった。
「あずさ」などと同じE353系を使用しており,中央線内では「あずさ」などと乗車感は変わらない。車内は仕事帰りの通勤客ばかりで静まり返っている。
立川からは青梅連絡線を経由して青梅線へ。青梅線は私鉄由来で駅間が短くなっているが,ゆっくり走りながらほとんどの駅を飛ばしていく。この日は新宿を8分遅延して発車していたが,青梅線はもともとスジが寝ているのか河辺時点で定時に戻った。

青梅線方面の通勤利用のボリュームゾーンは立川・拝島あたりのようで,拝島から先は車内は空席が目立つようになった。下り特急「おうめ」の方向幕が「拝島・青梅」と書かれているのに納得した。
乗車雑感

特急「おうめ」は青梅線を走る特急という特色があるものの,無味乾燥とした純然たる通勤特急であった。それもそのはず,特急「おうめ」は2019年まで特急車両を使った「おはようライナー青梅」「ホームライナー青梅」→「青梅ライナー」として運転されていた列車を特急化した列車である。
来春のダイヤ改正により,青梅線に直通する「座席が確保できる列車」は無くなってしまう。拝島あたりまでは着席ニーズが多そうだが,中央線快速電車・青梅線電車へのグリーン車導入で代替できるのだろうか。
特急「おうめ」・「青梅ライナー」のきっぷ

座席未指定券に座席指定(発行替)したもの


特急「おうめ」は着席サービス導入列車のため,中央線特急の座席未指定券で乗車可能である。中央線特急の座席未指定券には,今春で廃止予定の「はちおうじ」「おうめ」の列車名も記載されている。来春のダイヤ改正後は券面表示に変更があるかもしれない。

こちらは特急「おうめ」の前身にあたる「青梅ライナー」のライナー券。青梅線内の駅では,上りのライナー券を手売りで発売していた。席番号まで印刷された常備券は全国的にも珍しいものであった。
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