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カトーからSL冬の湿原号が製品化されました。

C11 171と14系500番台、スハフ44から改造されたスハシ44がセットされています。

全車とも2022年以降を再現しています。スハフ14の魔改造後の姿、オハ14の追加煙突など、原型の500番台から随分変わりました。

2011年にアリイ(マイクロエース)からも製品化されましたが、既存品の塗替えだけのため申し訳ないですが似ていません。(そこを改造して似せるかことは楽しいかもしれません。)従って今回のカトーが決定版となりそうです。


KATO 10-1958【特別企画品】C11 171+14系「SL冬の湿原号」 2024年11月30日発売 ※今回の記事で使用したのはこちら

KATO 2021-1 C11 171 2024年11月30日発売

KATO 10-1957 14系500番台「SL冬の湿原号」 2024年11月30日発売


C11 171
大手メーカーの純粋な北海道型は初です。大井川の227号機も北海道型ですが、あちらは青い姿のみの製品化。
それにしてもC11はよくできた機関車です。大体どこにでもいましたし。現存機も多いですし。形式は問わないが蒸機が欲しい、という人にもおすすめ。

ヘッドマークは「SL冬の湿原号」「SLすずらん」が付属。今回の客車はSLすずらん廃止後の形態ですが、雰囲気だけで楽しむか。あるいはアリイ製機関車の買い替えを考慮したのか。はたまたカトーがもう一本の旧客を出すのか。


1940年7月19日 川崎車輛兵庫製 製番2333 新製配置 稲沢

1941年10月25日 転属 名古屋

1942年2月14日 転属 深川区朱鞠内

1947年12月現在 苗穂所属

1949年3月9日 転属 釧路区標茶

1953年8月15日 転属 函館区木古内

1956年9月8日 転属 長万部

1974年7月16日 転属 釧路

1975年6月25日 廃車

同年8月13日 静態保存 標茶町桜町児童公園

1995年頃 JR北海道の要請により返還

1998年11月27日 動態化のため苗穂工場に輸送

1999年4月21日 車籍復活 配置 旭川

同年5月 営業運転開始

2015年12月26日 転属 釧路



スハフ14 505

14系500番台は本州用0番台を改造した形式です。10系列以前の車両との連結を考慮し、蒸気暖房の引き通し管が追加されています。

折戸から引戸になったため戸袋が作られ、お手洗いに一番近い座席分の窓が狭くなりました。


1974年1月28日 富士重工製 スハフ14 34 新製配置熊本

1981年3月27日 改造 五稜郭 スハフ14 505 転属 函館

1985年3月14日 転属 札幌

1994年3月1日 転属 函館

1999年5月1日 SLすずらん号 営業運転開始

2000年3月11日 転属 旭川

2022年 改造 たんちょうカー

※記録をいくつか見ると14系はすずらん号用になった後に旭川に転属したことになっています。




スハシ44 1

43系列の北海道向け新製車グループです。窓ガラスの二重化、車軸発電機をベルト式から歯車式への変更がなされています。

スハフ44 2は民営化後も在籍した5両のうちの1両で、C62ニセコ号に使用されました。その際にカフェカーとなり、緩急車としての設備を撤去しました。

一度廃車となった後復活、14系編成の端に連結されました。その際増設したテールライトは、オハフ51 29がノロッコ号に改造される際に外されたものだそうです。現在は中間車となっています。


1952年12月 日本車輌名古屋製 スハフ44 2

1974年4月 体質改善工事

1983年現在配置 旭川

1987年 改造 スハシ44 1 カフェラウンジ設置

1988年4月29日 C62ニセコ号 営業運転開始

1995年11月3日 営業運転終了

1996年11月8日 廃車

1998年12月 車籍復活

1999年5月1日 SLすずらん号 営業運転開始

2022年 リニューアル




オハ14 526
この列車の中間車3両にはだるまストーブが設置されました。この製品にも再現され、通電すると光ります。
ところで初期メンバーの14系3両とスハシ44、有名なネタですが青20号に塗られたことがあります。3日後にぶどう2号と赤2号になるのですが、本当にこのミスはなぜ起きたのか。わざと?

1974年2月14日 富士重工製 オハ14 111 新製配置秋田

1982年4月14日 改造 五稜郭 オハ14 526 転属 札幌

1994年3月1日 転属 函館

1998年11月3日 転属 札幌

2000年3月11日 転属 旭川



オハ14 519
一時期は編成の端に連結されており、簡易なテールライトが付いていました。(後述)
車掌車の連結、またスハフの増結により中間車に戻されています。

1974年1月28日 富士重工製 オハ14 120 新製配置熊本

1981年4月14日 改造 旭川 オハ14 519 転属 函館

1985年3月14日 転属 札幌

2000年3月11日 転属 旭川



スハフ14 507
改造前の転属が一番多い車です。2003年に追加メンバーとしてこの色になりました。

1974年9月2日 新潟鐵工所製 スハフ14 44 新製配置尾久

1978年10月 転属 早岐

1980年10月 転属 秋田

1982年4月7日 改造 スハフ14 507 転属 札幌

1994年3月1日 転属 函館

2003年1月30日 転属 旭川

2022年 改造 たんちょうカー


このよくできた模型ですが、そのまま使おうとしないのが私です。



1.補機を連結

現代の蒸機列車において、C11+補機の組合せは鉄板です。現在の釧路にはDE10 1660,1661,1690が在籍しますので、これらが担当します。しかし今回は製品化されませんでした。

手持ちの車両にトミックスの「くしろ湿原ノロッコ」塗装のDE10があります。頂き物のこれを使いましょう。

2017年の「トミックスDE選挙」にて敗退したため、ノロッコ客車は製品化されず機関車のみの製品化だったものです。(当時の私は東日本のDEを買い、オリサルに投票しましたが同じく敗退。)

アリイには2006年に機関車と客車の6両セットがありましたが、そうそう手に入らなさそうです。そのため単体でしばらく置いていました。


TOMIX 2233 DE10-1000形(くしろ湿原ノロッコ号) 2017年10月発売

付属ナンバー 1660 1661

車番は1661。アリイ製との被りを避けました。

1974年1月 川崎重工業製 新製配置 鷹取

同年3月 転属 釧路

1991年 転属 旭川

1993年 転属 函館

2016年 転属 釧路 塗装変更 四代目ノロッコ色



2.車掌車を連結

私は「函館大沼号」がまだあった頃、この14系客車に乗ったことがあります。そのとき印象に残ったのは、車掌車が展望車として連結されていたことです。二軸貨車が特急型客車と連結するのです。


客車と連結可能な車掌車はヨ3500形のヨ4350、ヨ4647です。

ヨ4350は「くるくる駒ケ岳遊・遊トレイン」(1986〜88)「初代くしろ湿原ノロッコ号」(1989〜98)「SLすずらん」「原生花園スタンディングトレイン」(2000〜2001)に使用されていました。

「駒ケ岳」〜「すずらん」はそれぞれ専用塗装でした。アリイ製品がコンプリートしています。

「原生花園」ではキハ40 758と組み、折返し時に連結順を入れ替えるため、手ブレーキ側に貫通幌が増設され両側とも連結可能となりました。黒塗装に戻り花のラッピングがなされました。

2016年の廃車までは14系編成と共に活躍しました。


ヨ4647は廃車後に追分に静態保存?されたものの、ヨ4350が「原生花園」になった代わりに車籍復活しました。こちらは一貫して黒塗装、手ブレーキの無い側に貫通幌が設置されています。

14系編成が「函館大沼号」などで道内各地を走るときはこちらの車掌車が連結されていました。

2015年に廃車となり苗穂で保管されたのち、2019年に道の駅あびらD51ステーション屋外に移設されました。


2024年の8月、同じくカトーから運炭列車として50両編成2400t貨物が製品化されました。その際にヨ3500の北海道仕様を2両買っておきました。石炭ストーブの煙突が高く、前述の車掌車2両とも合致します。

これに手持ちの幌と、ASSYパーツで余分に用意したヘッドマークを付け、簡単に作ってみました。


KATO 8035-2 ヨ3500(北海道タイプ)

ヨ4350風
本体無改造なので幌枠が解放てこに重なっています。
車番を書き換えていないのですぐに復元可能です。


ヨ4647風
見たことのある顔です。実車では二両ともデッキの左右が塞がれています。

こう繋げたい方もいると思いますが、製品そのままだと不可能です。解決方法はあります。


3.編成組換

かつてオハ14 519が編成の端だったことがあります。

元々はカフェカーのスハシ44 1が端だったのですが、利用が好調だったようで1999年夏頃に組換しました。(同時にヨ4350連結)

オハ14 519は貫通扉の上に簡易的に尾灯を増設し、異様な形相を見せていました。

2000年秋頃にヨ4647をオハ14 519の次に連結、簡易尾灯も撤去となりました。

アリイ製品だとこの1999〜2000年のわずかな期間を再現しています。(オハ14 519の尾灯は非点灯です)

ということで。

中間用カプラーなので機関車とも車掌車とも連結できないのが痛いですね。でもこの組成で走らせる気はないので痛くない。解決方法はあります、次へ。


4.カプラー交換

私は2022年にD51 498の現行品が発売されるまで、カトー製をろくに買ったことがありませんでした。

しかしカトーカプラーが増えて、密自連と密連に新種ができたことは聞いていました。

密自連はSL人吉のとき初めて手にし、一体成型パーツであることから摩耗が心配でした。

人吉も冬の湿原号もTN化しようとも思いましたが、2024年夏頃に「すいぺんにカプラー」というサードパーティが登場したので、これを使用します。


これは従来のカトーカプラー、ナックルカプラー、ケーディーカプラー(N用とZ用)、さらにTNカプラー、マイクロカプラーと、それなりの相手にに連結できる優れものです。純粋にパーツを付け替えるだけなので非常に簡単です。

※ちなみに交換前のカプラーとは連結できません。


11月に某所で設計者のすいぺん様にお話を伺いました。売れすぎて生産が追いつかないとのこと。


使い方はとても簡単。分解して中身を差し替えるだけです。

密着自動連結器と自動連結器、双頭連結器の3種類が製品化されました。左が密自連、右が自連です。
これを使うと、スハシ44だけ自連にできるという利点があります。

5.まさかの増結
14系に挟んだ画像が無いのでおそらく実車は連結不可だとは思うのですが……。
アリイのナハ29001が単品で出ています。過去にこのブログでもTN化していましたが、台車に直接接する方法だとやはり急曲線には対応しきれません。そこで台車と連結器を思い切って分離してしまい、床板にSCタイプのTNカプラーをネジ止めしました。

コメントでご質問があったので追記しておきます。
必ず必要なもの
ピンバイスΦ1.1(Φ1.0があれば大丈夫、用意できるならもっと細いものも別で欲しい)
+ネジ M1.4 長さ4.5mm 2本(5.0でも良さそう、床板も加工できるなら長くてよい)
TNカプラー(SCタイプ)もしくは相当のカプラー
ニッパー

1.台車のカプラーポケットと、センターピン近くにある小さな凸を切り落とします。迷いは要りません。
2.TNカプラーの穴にネジを入れて、孔あけ位置のイメージをします。
3.車体幅の中心になるように、デザインナイフなどで孔あけ位置の印をつけます。
4.その位置に孔あけします。細いものがあれば先に下穴として開けます。
5.1mmの穴にM1.4のネジでセルフタッピングします。相手がプラスチックなので、専用のタップは無くてもいけます。
※長さ4.5mmですと黒い床板を貫通できます。ただ強度上不安なら、オレンジの床板とウェイトを貫通してもよいでしょう。その場合は長いネジを買ってきてください。
6.SCカプラーをネジ止めします。他の車両と高さがだいたい揃うようにします。

画像ではC243のS字を、すいぺんカプラーの客車でサンドしています。余裕の通過でした。自動連結器になったことで、実車同様の形状となりました。
やはりSCカプラーは強い。


今回登場した車両を繋げてみました。長くなりましたね。

過去にはワム281395やチキ6366といったSL機材車、ホキ835が在籍し共に活躍しました。特にワムとホキはC11重連の営業列車に連結され、異彩を放っていました。

そういうネタを拾って更に長くできそうです。


それでは、道東のC11の列車でした。