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阪急電車未乗区間に乗る(後編) 千里線 北大阪急行とか大阪モノレールもセットで完乗

箕面駅でミスド1号店を訪問後、阪急バスも乗り放題の1日乗車券を活用して、大阪北部の路線を回収しながら回る計画。しかし11月末ということもあって日が短い。まだ17時なのにかなり日が落ちてしまっている。

阪急バス36系統、17:03発。粟生、間田というのは北部の新興住宅地を結ぶ主要路線、箕面萱野駅の区間は15分に1本程度と本数もなかなか多い。

下車したのは箕面萱野駅前。10分程度の乗車時間。

乗客のほとんどがここで降りて、家族連れなどたくさんの人が乗ってきた。都心と郊外を結ぶ二つの駅と、さらにその先の住宅街を結ぶ路線ならでは。この道路も大阪最大級の南北幹線道路である国道423号、新御堂筋。通称しんみどう。

箕面萱野駅は北大阪急行電鉄南北線の北の起点駅。2024年3月23日に隣の箕面船場阪大前駅と共に新規開業、まだ開業1年もたっていない区間。今回の1日乗車券には含まれていないけれど、折角箕面方面に行ったのでこれを機に普通に乗車しました。

この北大阪急行電鉄は先述の箕面市の箕面萱野駅から江坂駅を結ぶ8.4kmの南北線があり、一般的に北大阪急行=北急線とも呼ばれている。江坂駅からはOsaka Metroの御堂筋線に全列車が乗り入れていて、基本的に中百舌鳥駅(なかもず)行きとして運行される。元々は1970年の大阪万博の会場への輸送のため、当初から当時の市営地下鉄御堂筋線を北に延伸する形で建設され、万博開催中は万国博中央口駅が終点となっていた。閉会後に現在の千里中央駅が終点となり半世紀が経過し、2024年に箕面萱野駅まで延伸され現在の形となる。実は阪急電鉄が株式の50%以上を保有するグループ会社で、開業時に大阪北部を地場とする阪急が路線建設のノウハウを提供していることに始まっている。

真新しい箕面萱野駅。ここから大阪最大のターミナルの梅田駅まではラッシュ時でも30分と、東京圏では考えられない通勤環境と言える。
北大阪急行9000系、大阪を南北に突っ切り堺市の中百舌鳥駅まで。御堂筋線は大阪最強の地下鉄路線ですべて10両編成。大阪市内方面は基本中百舌鳥駅行き、御堂筋線側からは、平日ラッシュを除くと新大阪駅行と箕面萱野駅行が交互に来る。

休日の夕方の都心方面ということでそこまで混雑はしていないものの、到着した列車からは多くの人が下車してきた。折り返しに乗車してあっという間に江坂駅に到着し、北大阪急行電鉄南北線を制覇。江坂から先はOsaka Metro乗りつぶしで制覇しています(江坂自体は何度か行ったことありますが)。

下車したのは西中島南方駅。乗り換えで向かうのは阪急京都線の南方駅。1時間ぶりくらいに阪急電車に戻ってきた。

反対側にちょうど箕面萱野行きの、Osaka Metroの30000系でした。
西中島南方駅から南を見ると淀川をはさんで大阪のビル群が見える。御堂筋線も西中島南方駅から淀川を渡ると地下に入る。御堂筋線と並走するのは箕面萱野駅からずっと並走している新御堂筋。

阪急の南方駅は3分くらいで連絡、地下鉄の御堂筋線は高架。阪急の南方駅は上下線のホームが改札内でつながっていない、踏切で行き来が必要になる。今回私が向かいたい京都方面は踏切を渡ることになる。ちなみに南方駅は阪急京都線の前身の北大阪電気鉄道開業時の町名を取っていて、御堂筋線の西中島南方駅の「西中島」は後に合併でできた町名から来ていて、それを組み合わせてできた駅名。なので南方駅があるのは西中島3丁目。

京都方面から降りて駅の北側に行きたい人は改札を出て踏切を渡る。開かずの踏切ながら渡りたい人はかなり多い。前にも何度か来たことあるけど、毎回たくさんの人が行き来している印象。

南方駅から向かうのは淡路駅。淡路駅は阪急京都線と、阪急千里線がクロスする駅、阪急京都線の特急も停車する主要駅となる。今回の目的は阪急千里線の方。阪急千里線の前身は、前述の北大阪電気鉄道線で、1921年に豊津駅から十三駅の区間で開業したのが始まりで、十三駅で阪急宝塚線と神戸線に乗り換え大阪中心部へ接続していた。同年千里山駅まで延伸している。その後、自前で大阪中心部へ乗り入れるため淡路駅から南下して天神橋駅を目指す計画のところ、京阪電鉄が新京阪線計画に活用するため北大阪電気鉄道を買収し、淡路から天神橋の区間と、後の阪急京都線となる淡路から高槻、京都方面の路線を開業させている。その頃は、京都方面から淡路経由の天神橋が本線扱いで、千里山方面と十三方面が支線扱いになっていた。

戦時体制で京阪電鉄と阪急電鉄が合併し、戦後の1949年に再分社化する際に新京阪線系統とされていた天神橋~淡路~京都方面の本線、淡路~千里山の千里山線、淡路~十三の十三線が京阪から分離され阪急の方へ属することになった。その後しばらくは、阪急京都線(京都本線)は天神橋駅が大阪側のターミナル、阪急宝塚線と神戸線が梅田駅がターミナルという体制となっていた。1959年に十三駅から梅田駅の区間の宝塚線が複々線化し、淡路駅から十三線経由で梅田に向かう運行が中心となり、十三~淡路の区間が京都本線になり、千里山~天神橋を千里山線という現在と同じ区分に整理される。以後、1967年に千里山から北千里駅間が延伸開業し千里山線から千里線に改称、1969年に天神橋駅を地下化し、天神橋筋六丁目駅となり大阪市営地下鉄堺筋線と直通運転するようになって今に至っている。

大阪市東淀川区の淡路駅。阪急京都線と千里線が平面クロスする駅で、ポイント通過で停車時間が伸び、ホームも狭いのに乗り換え客がごった返す明らかな運行上のネック、さらに周辺の踏切も開かずの踏切となっていることから連続立体交差事業として工事が進められている。ここ数年数か月に1回見ているけど少しずつ工事が進んでいるように思う。隣の駅含め立体交差、京都線と千里線も2階層になる。完成は2032年予定とのこと。
淡路駅で北千里方面の列車を待っていると、準急のトムとジェリー号が来ました。先頭にトムとジェリーのぬいぐるみが乗っててて可愛い。

千里線が面白いのは、今まで乗車してきた阪急の支線達と異なって、淡路駅を境に北千里から梅田まで直通したり、北千里~天神橋筋六丁目経由でOsaka Metro堺筋線へ乗り入れたり、堺筋線方面から高槻市まで乗り入れたりと複雑に絡み合った運行形態がとられていること。歴史にも阪急の本流である宝塚線や神戸線系統とは思想が異なる感じが面白いのです。

北千里駅行の普通列車。千里線は淡路以北は全列車が普通列車で全駅停車する。
北千里駅。堺筋線へ乗り入れる天下茶屋行きと、京都線に乗り入れる大阪梅田行きが並ぶ。
阪急らしい木目調に緑の座席。

北千里駅へ到着。これをもって阪急の143.6km(花隈駅~新開地駅の第2種鉄道事業を含む)全線乗車達成しました。

吹田市の北千里駅。千里ニュータウンの中心拠点の1つ。北千里まで延伸が1967年、北大阪急行電鉄が千里中央駅まで開業したのは1970年と、千里ニュータウンと呼ばれるエリアは豊中市と吹田市にまたがり1960年台から開発された日本で最初の大規模ニュータウンと呼ばれている。
やはりこの時間なので大阪方面への利用は少なめ。

北千里からすぐに戻り、次は大阪モノレールへ。大阪モノレールは大阪空港駅から門真市駅の本線と、途中の万博記念公園駅から分岐して彩都西駅に至る支線の彩都線をあわせて28kmのモノレール路線。モノレールとして日本最長で、2番手が東京モノレールの17.8kmなので大きく差を話している。大阪の外縁を環状に連絡していて、大阪空港駅の一部が兵庫県伊丹市にせり出しているのを除いて豊中市、吹田市、茨木市、摂津市、守口市、門真市を連絡している(彩都線の一部が箕面市に被るけど駅はない)。

運営会社の大阪高速鉄道株式会社(現 大阪モノレール株式会社)の設立が1980年、最初の区間が開業したのは1990年、千里中央駅と南茨城駅からスタートし、1997年には本線に当たる大阪空港駅から門真市まで開業。意外と昔からありそうで平成の開業。彩都線の全線開業は2007年となる。会社の株式の半分以上を大阪府が保有する第三セクターの鉄道会社になる。

大阪空港側から蛍池駅で阪急宝塚線、千里中央駅で北大阪急行線、山田駅で阪急千里線、南茨城駅で阪急京都線、大日駅でOsaka Metro谷町線、終点の門真市駅で京阪本線に連絡している。交差する路線で乗り換え駅がないのはJR京都線と東海道新幹線。特に阪急京都線と京阪本線を淀川を渡って接続する唯一の鉄道路線でもある。大阪空港(伊丹空港)へ鉄道でアクセスする唯一の手段でもある。

千里線山田駅へ戻りモノレールに乗り換える。
大阪モノレールは蛍池駅と大阪空港駅の1駅区間しか利用したことが無いところで、初乗車。
全線完乗が目的なので、一度蛍池方面へ行って戻ってこようと。奥に見える青紫の光は万博記念公園の観覧車、左のオレンジの光が太陽の塔。
大阪モノレールの本線区間は蛍池駅と大阪空港駅の付近を除いて、ほとんどが中国自動車道と近畿道に並走する形で用地を確保している。
蛍池へ到着。ガンバ大阪ラッピング。本拠地のパナソニックスタジアム吹田万博記念公園駅が一応の最寄なので。
これが今朝、到着したときの蛍池駅。ここから阪急、のせでんに向かいました。
昼間だとこんな感じで千里丘陵と住宅街を行く。
右下に見えるのが阪急宝塚線。
大阪空港こと伊丹空港へは大阪都心部からだとバスが楽で速いです。
万博記念公園駅は大阪モノレール唯一の2面3線で真ん中の1線は彩都線方面と、車両基地への出入りで使用している。この日は万博記念公園でイベントがあったらしくこの駅を挟んで本線はかなり混んでました。
太陽の塔が不気味に光る。
彩都線の沿線はひたすらのニュータウン。
彩都西駅の折り返し。
彩都線の終点、彩都西駅。休日の夜とはいえまだ20時くらいなのになかなかの閑散。彩都線自体も各車両数人しか乗っていない状況だった。
彩都西駅は千里ニュータウンと言われるエリアでもかなり北の端。
万博記念公園駅前にある商業施設ららぽーとの観覧車。
門真と言えばパナソニックこと旧松下電器の最初の大規模工場が設置されたお膝もと。
Panasonicミュージアムは無料で松下幸之助に関する展示やNationalブランドの古い家電があったりめちゃくちゃ面白いのでお勧めです。
京阪線の町のイメージが強い門真市。乗換駅ですが京阪の特急は停まりません。
駅前にある1973年開業の昭和の香り豊かな施設。住宅、商業、公的機関の大規模施設のようで再開発計画中とのこと。
ミャクミャク様ラッピング。1970年の大阪万博時には開業していないけど、万博記念公園には行く路線だし、新旧大阪万博が邂逅する。
今回利用したのはQRコード利用の休日満喫1dayモバイルチケット700円。通常運賃が最長片道が500円なのでかなりお得。改札でスマホをかざすのは利用者多いと混みそうなシステムではある。
門真市駅から南へ延伸工事が進んでいる。

この先門真市駅から南への延伸事業が進んでおり、2033年頃を目標に瓜生堂駅まで8.9kmの区間が開業する見込み。これによってOsaka Metro長堀鶴見緑地線、JR学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線へ接続することになる。さらに言うと元々の構想ではさらに堺市、反対は兵庫県西宮市への計画もあったりと壮大な環状鉄道も。

門真駅から引き返し、南茨城駅へ。
南茨城駅から阪急京都線に戻ってきました。乗換駅と言えど阪急京都線の方は特急は停まりません。
この日は阪急乗り放題を利用して最後の目的の上新庄駅へ。なんてレトロな駅ビルでしょう。
レトロな案内
上新庄駅で降りて向かったのは前から気になっていたつけ麺でした。正直この手のつけ麺って美味しい店はだいたい同じ味ですわ・・・。






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