今回の【駅】シリーズは、
神奈川県小田原市の市街地南寄りに位置する箱根登山鉄道線【箱根登山電車】の駅で、駅前を通る国道1号線は箱根駅伝のコースになっている、
箱根板橋駅 (はこねいたばしえき。Hakone-Itabashi Station) です。
駅名
箱根板橋駅 (OH 48)
所在地
神奈川県小田原市
乗車可能路線
箱根登山鉄道【箱根登山電車】:鉄道線(平坦線)
隣の駅
小田原方・新宿方………小田原駅
箱根湯本方・強羅方……風祭駅
訪問・撮影時
2021年7月
駅概要
駅形態……………地平駅(1935年開業)。
駅舎………………北側に2018年改築のレトロ調駅舎があります。
出入口……………北側のみ。南からは約180m東or約130西の踏切を渡り北側へ。
バリアフリー……×(跨線橋は階段のみ。車いすの場合は事前に箱根登山鉄道へ連絡を)。
点字ブロック……駅舎出入口~改札~跨線橋~ホーム間に設置。
駅前広場…………×(駅舎前は通路ゆえ駐車不可。但しバス停留所・タクシー乗り場あり)。
駅舎です。南を望む。
箱根登山鉄道線に並行する国道1号線の南側にあります。国道より若干高い場所にあります。
レトロ風の外観ですが、2018年に改築された新しい駅舎です。2階建てではなく、中央の高い部分は吹き抜けです。
出入口に段差はありません。
駅前広場があるように見えますが、実際は左奥にあるタクシー会社・箱根モビリディサービスへの出入口通路扱いで、一般車は立入禁止になっています。その関係で駅舎前にタクシー乗り場が設けられています。
また写真手前右側には電話ボックスと西行きのバス停留所があり、待合所が併設されています。東行きのバス停は国道1号の北側にあります。
駅舎出入口の左側にはタクシー乗り場があります。
飲料自動販売機があり、その右側にはタクシー配車用の直通電話が設置されています。
ベンチはありません。
駅前です。駅舎出入口前より北を望む。左前方にはバス停留所があります。
正面を国道1号線が左右方向(東西方向)に延びています。かつては国道上を箱根登山鉄道小田原市内線(路面電車)が通っていました。現在は箱根駅伝のコースとして有名です。
駅周辺は市街地で、国道沿いを中心に商店が立ち並んでいます。
一方、駅南側は住宅街で、約60m南を西湘バイパスが東西方向に延びていて、その南側では早川が西から東へ流れています。
早川の対岸(南)も住宅街が広がっています。
約1km南には東海道線の早川駅がありますが、東海道線との乗換は小田原駅が便利です。
駅前です。東を望む。右手に箱根板橋駅があります。
国道1号線が奥方向に延びていますが、大昔はこの狭い道路に小田原市内線のレールが敷設されていました。
国道の左側には東行きのバス停留所があります。
東側は小田原市の中心市街地方面です。約200m先で東海道新幹線をくぐり、約400m先で箱根登山鉄道線とJR東海道本線をくぐります。
約1.2km北東には小田原城があり、一応、徒歩圏内です。
駅前です。西を望む。左手に箱根板橋駅があります。
左前方に西行きのバス停留所と待合所が写っています。
国道1号線が奥方向に延びています。奥が箱根方面で、箱根の山々が駅近くまで迫っています。国道1号は箱根登山鉄道線と同じく箱根湯本まで緩やかな上り坂が続き、そこから先は急坂になります。
また、私が訪問したのは金曜日だったので国道1号は比較的空いていましたが、これが土休日になると渋滞が酷くなります。土休日に小田原駅前から路線バスで箱根へ行こうとすると、箱根湯本までの時間がかかりすぎて私はヤキモキしてしまいましたw バスで箱根湯本より先へ行く場合は座席確保もあり小田原駅前から乗車した方がいいと思いますが、箱根湯本までの駅近くが目的地の場合は箱根登山電車を利用した方がいいかもしれません(但し伊豆箱根鉄道のフリーパス「箱根旅助け」を利用の場合はバスを使わざるを得ませんが)。
改札口です。出入口より南方向を望む。
駅員配置………あり(有人駅)。但し無人時間帯あり。インターホン無し。
自動改札機……簡易PASMO改札機のみ(入場用・出場用とも1台設置)。
ICカード………『PASMO』のエリア内。
有人通路………右側(紙のきっぷで入出場時は駅員に声を掛けてください。
無人時間帯はそのまま通過するしかありません)。
幅広通路………あり(左側通路。点字ブロック設置)。
窓口……………あり(改札窓口のみ。出札窓口は閉鎖)。
自動券売機……あり(窓口の右側。ICチャージ可。小田急線との連絡乗車券も発売)。
自動精算機……なし(乗り越し、IC残額不足の場合は窓口の駅員まで)。
改札外設備……ベンチ(左側)、飲料自動販売機(駅舎外タクシー乗り場前)。
トイレ…………改札内(車いす対応トイレ併設)。
売店……………なし。
コンビニ………なし。
改札口とホームとの間は改札の前方にある跨線橋のみで結ばれています。
但し、跨線橋は階段のみです。箱根板橋駅はバリアフリー非対応です。
車いすで箱根板橋駅をご利用の場合は事前に箱根登山鉄道へお問い合わせ下さい。
階段の右側から奥へ延びているホーム行きスロープ通路へ案内されます(途中に遮断機無しの構内踏切があります)。
改札内跨線橋より改札口を撮影。北方向を望む。
改札口の手前右側にはトイレと車いす対応トイレがあります。
跨線橋上にて撮影。南方向を望む。
右手に改札方面の階段があり、左前方にホーム方面の階段があります。
実は正面の扉の先にも跨線橋が延びていて、旧1番線ホームに通じているのですが、旧1番線は使用停止になったため、扉付きのパネルで通路が塞がれている状態です。もちろん一般客は扉の先へは行けません。
建植式駅名標です。非電照式です。
箱根登山電車・箱根登山ケーブルカー・箱根ロープウェイ・箱根海賊船で同じデザインが採用されています。
標高16mで、小田原駅からまだ2mしか登っていません。次の風祭駅は標高36mで、箱根板橋駅から本格的な登りに入ります。
駅ナンバリングは小田急小田原線からの続番となる「OH 48」ですが、この駅名標には反映されていません。
ちなみに「OH」の「O」は小田急、「H」は箱根(登山鉄道)の頭文字かと思われます。
上屋支柱に掛けられている縦型の駅名標です。
こちらには駅ナンバリングが併記されています。大型駅名標に駅番号を書かないのは、他にJR西日本で見受けられます。
駅構造……地平駅(東南東~西北西方向)。
配線………単式ホーム・島式ホームとも各1面、計2面2線。交換可能駅。
右端の単式ホーム(旧1番線)は小田原駅へ乗り入れていた標準軌を走行する箱根登山電車(下り強羅方面)専用ホームだったのですが、登山電車(箱根登山鉄道所有車両)の小田原乗り入れが廃止され、標準軌の線路が撤去されたため、旧1番線は使用停止となり、旧2番線が1番線、旧3番線が2番線へと番線が振り直されました。しかし旧1番線ホームは残存していて、立入禁止の措置が取られています。そのため、箱根板橋駅は実質島式ホーム1面2線の構造と言えるでしょう。
島式ホームの右側(南)が1番線で下り箱根湯本・強羅方面、左側(北)が2番線で上り小田原・新宿方面です。
ホーム有効長……5両強分(奥の小田原方1両強分は柵により立入禁止)。
ホームドア………なし(2021年7月時点)。
ホーム幅…………標準レベルですが、駅の規模を考えるとやや広いかも。
上屋(屋根)………中ほどの約2両分。
ホーム上設備……ベンチ・飲料自販機・空調無しの待合室(いずれも島式ホームのみ)。
中ほど箱根湯本寄り(手前側)に跨線橋があり、左側にある駅舎・改札口と結ばれています。
1枚目は2番線より、2枚目と3枚目は1番線より、全て小田原方を望む。
1枚目は2番線(右)より、2枚目と3枚目は1番線(左)より、全て箱根湯本方・強羅方を望む。
左端の旧1番線は有効長が短く、かつホーム幅が狭いです。
また、各番線のPC枕木を見ると、標準軌を併設した三線軌条に対応した物が今も使用されています(各番線とも左端に標準軌のレールを敷設していました)。
2枚とも1番線より小田原方を望む。
ホーム端の点字ブロックが無い部分は柵により立入禁止になっています。
また、ホーム端の先では東海道新幹線が箱根登山鉄道線をオーバークロスしています。
この先、東海道新幹線をくぐり、市街地の中を大きく左へカーブして築堤に上がり、右から来た東海道線に寄り添う形で進路を北北東に変えると国道1号線を乗り越してトンネルに入ります。トンネルで小田原城などがある丘陵地帯をくぐり抜けると再び市街地に出て、箱根登山鉄道線の起点駅かつ小田急小田原線の終着駅である小田原駅へと至ります。小田原駅は5社の路線が乗り入れるターミナル駅となっています。
1枚目は2番線(右)より、2枚目と3枚目は1番線(左)より、全て箱根湯本方・強羅方を望む。
跨線橋の先にもホームが延びています。
そしてホーム端にはスロープ通路があり、遮断機無しの構内踏切を経由して駅舎・改札口に通じていますが、この通路は危険であるため係員に使用したい旨を伝えないと使用できません。跨線橋階段前にあるインターホンでお知らせ下さい。但し無人時間帯があるため、車いすにて箱根板橋駅で下車される場合は事前に箱根登山鉄道へ問い合わせた方が無難です。
この先、上り勾配で住宅街の中を西北西へ走り、さらに築堤へと上がる過程で左側車窓に早川を望めます。その後は国道1号をオーバークロスして北側へ回ると住宅が途切れ、国道1号と並行して早川沿いの断崖区間を西へ走ります。そして小田原厚木道路をくぐると断崖区間が終わって住宅地に入り、国道1号が左へ離れると風祭駅へと至ります。
あとがき
下車(乗車)時・・・2021年(駅訪問の為)。
単式ホームと島式ホームが各1面の計2面2線ですが、単式ホームは小田原駅に乗り入れていた標準軌の登山電車専用だったため現在は使用されておらず、実質島式ホーム1面2線です。駅舎は北側にあり一見レトロですが、実は2018年に改築されていて、全く新しいです。駅前は昭和の雰囲気が漂う市街地が広がっています。駅前を通る国道1号線では、例年1月2日と3日に箱根駅伝の熱戦が繰り広げられます。
鉄路のみでのアクセス(ルートは一例です)
東京から・・・当日到達可、日帰り往復可。
小田急線の特急ロマンスカー(特急料金必要)などで小田原駅へ。
箱根登山電車の各駅停車・箱根湯本行きに乗換。
大阪から・・・当日到達可、日帰り往復可。
東海道新幹線に乗車。小田原駅で箱根登山電車の各停に乗換。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (約300m南西にヤマザキショップはあります)
飲食チェーン店・・・なし (最寄店舗は約700m南西の「夢庵」)
大阪からの到達難易度もそう高くありません。箱根登山鉄道線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は箱根板橋駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:箱根ナビのHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)
テーマ:関東の駅(東京都を除く)