おらが街「東大阪市民美術センター」で今夏に開催された、特別展「みんな大好き!近鉄電車のデザイン展」訪問記をお送りしています。


引き続き、さまざまな展示を拝見しています。
そんな中、ショーケースで厳重に保管されているこれを発見。鉄道友の会「ブルーリボン賞」受賞を記念したプレート類。

我が国最大の鉄道愛好者団体「鉄道友の会」が前年にデビューした、国内の鉄道車両の中で最優秀と認定した車両に対して贈呈する賞です。
従って、受賞は国内で最も優れた車両だという証。大変な名誉といえます。

こちらで展示されていたのは、くだんの「ブルーリボン賞」を受賞した5車種に取り付けられていた記念のプレートでした。いずれも特急車両。右端の「30000系」がこれを受賞した1979(昭和54)年のもの、と思われます。

最初に受賞したのは、1960(昭和35)年の「10100系(ビスタカー2世)」。続いて、1963(昭和38)年には、団体専用列車の「20100系(あおぞら号)」。

「10100系」は1959(昭和34)年12月にデビューした車両。
同年の「伊勢湾台風」からの復旧に合わせて「名古屋線」の軌道幅を「大阪線」の標準軌(1,435mm)に合わせて改軌したことで、長年の念願だった名阪直通特急の運行開始のシンボルとして登場しました。


そして、1967(昭和42)年には「18200系」。
先日記事でも触れましたが、まだ路線規格が小さかった「京都・橿原線」から伊勢志摩方面へ直通運行するために、車体は小柄ながら複電圧方式を採用するなど、画期的な多機能車両でした。2024(令和6)年11月24日アップ。

後者は先ほどの「10100系(ビスタカー2世)」の後継車両としてデビュー、2階建ては中間車両2両に拡大され、現在も近鉄特急を代表する車両のひとつです。
しかし、最優秀に当たる賞をこれほど受賞しているだとは。近鉄特急のクオリティの高さをあらためて感じます。

ところで、近鉄のホームページを見ていましたらこのようなプレスリリースを見つけました。
「桑名駅(三重県桑名市)」で、来年のカレンダーを兼ねた台紙付き記念入場券や、卓上カレンダーなどを発売する、というもの。


なんと、これと同時に「ブルーリボン賞」を受賞した特急車両と、記念プレートを模したキーホルダーを限定発売するという。これは欲しいわあ…ラインナップは、先ほど触れた5車種。

さらに、その後には4車種が続いています。
1979(昭和54)年の「30000系」以降にも、4車種が「ブルーリボン賞」を受賞していたのでした。
さらに、それまでの近鉄特急車両が行き先によってその用途を必ずしも決めていなかった中、「名阪ノンストップ特急」という近鉄特急の看板列車専用、としてこれを登場させたことは画期的なことでした。大好きな車両です。
個室やカフェ車両を連結、座席も革張りの豪華な設えで、いまなお予約の取りにくい人気列車です。大和西大寺にて。
ビジネス需要の多い名阪特急ですが、先ほどの「しまかぜ」を範にした豪華な設えがいまなお話題です。近鉄名古屋にて。

右下、12月の「22600系」は2010(平成22)年「ローレル賞」受賞だということ。
この賞もやはり「鉄道友の会」によるものですが、こちらは「ブルーリボン賞」の選外になった車両から、優秀なものを選出するという賞。
「南大阪・吉野線」を除く、特急が運行されている全路線、さらに乗り入れ先の阪神電車にも入線が可能で、短編成単位での増結が出来るという優れた性能を持つ車両です。隠れた名車なんですね。五位堂検修車庫にて。
同時に、通商産業省(当時)の「グッドデザイン賞」も鉄道車両としてはじめて受賞(1986年)するなど、デザイン性に秀でた車両なのでした。「生駒トンネル」に向かう。新石切にて。


ところで、近鉄では今年10月には最新型通勤車両「8A系」がデビューしました。老朽化した旧型車両を一手に代替する目的だそうですが、高い省エネルギーに、従来よりさらに使い良さを考慮した車内が話題になりました。

とかく、魅力的な車両を次々と登場させていることが、近鉄が鉄道趣味的に大変な人気を博しているゆえんなのは、違いなさそうです。
次回に続きます。
今日はこんなところです。