#年越し最長大回り 「馬橋→北小金」完走レポート(2023.12.31~2024.01.01)
※最初に長い説明があります。本編は下記の目次から「1日目(2023.12.31)」に飛んでください。
はじめに
大回り乗車、という概念をご存知でしょうか。
前提として、仙台・東京・新潟・大阪・福岡周辺に定められたJR線の路線網においては、以下の条件をすべて満たす場合に限り「どのような経路で乗車しても最短ルートで乗車した場合で乗車したとみなし、運賃を計算する」という規定があります。
条件は、
1.指定された区間からはみ出してはいけない。
2.経路が重複してはいけない(例外はある)
3.途中下車(≒改札から出る・(無人駅であればその駅に)降りる)は不可(例外はある)
となります。例外については後述します。
例えば東京の場合はこの区間で適用されます。
東京近郊と名乗りつつ、北は福島県、南は静岡県、西は長野県までが含まれるこの範囲が対象になります。*1
その区間での初乗り運賃(150円)で乗れる最長経路は、有志による計算の結果下の赤線の通りとされています。
さらっと出しましたが、赤線の区間をたどると1035.4kmあります。東京駅からだと東海道・山陽本線経由で山口県の防府駅*2まで、あるいは東海道新幹線で東京と新大阪を往復した*3距離に匹敵します。そのため一日では回り切れず、どこかで最終列車が終わり駅から出ることになり成立しません。
これを解決するのが、年末年始に行われる初詣・初日の出への需要に応えるための終夜運転と以下の規定になります。
・入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、第147条(乗車券に記載された事項に従う)の規定にかかわらず、これを使用することができる。(以下略)(旅客営業規則*4第155条より抜粋。カッコ内は筆者注)
一般に最終列車がある駅では最終列車の到着・発車後に閉鎖され駅の外に出なければいけません*5が、終夜運転がある駅では閉鎖されることがありませんので、この年末年始大回りが実現可能ということになります。
この年末年始大回りはもちろん先駆者が何人もいらっしゃいまして、とくに有名なものをいくつか紹介しますと
・ネットニュース(pato氏)
・Twitterまとめ(海垣氏)
・YouTube(ヨルメロン氏)
他、多数のレポートがあります。
ただ、こうしたレポートはほとんどが「北小金→馬橋」となっており、逆ルートでたどったまとまったレポートは(軽く調べた限りでは)見たことがありません。
北小金発が有力な理由としては、
・一日目の区切りとしてちょうどいい成田駅は待合室あり。また翌朝の千葉行始発列車に充てられる車両が列車ホテルとして開放されており(ただしなかった年もある模様)、駅で待機するための手段として非常に有力
・大晦日の夜に終夜運転を行う区間に入ることができ、万一のリカバリーが容易。道中の駅ナカで多少の余裕時間もできる
・銚子方面への初詣・初日の出列車が毎年何本か設定されており、撮る方はもちろん乗る方としても年に一度の列車に乗ることが可能*6
等が挙げられるでしょうか。年末年始の寒い夜をどう明かすというのが重要になる以上、夜を明かす手段が確保されているのは非常に大きな点です。
では、なぜ私は北小金発ではなく馬橋発にしたのか。これは
1.北小金~馬橋の最長大回りでも、解釈次第で3パターンの解釈があり、その中の一つを選んだ結果馬橋発の方が目途を立てやすい
2.細かい乗り換えや終点まで行くと経路を外れる区間など、大回りを行う上で失敗要因となる事柄の大半を1日目で済ませることができ、睡眠不足がほぼ確実と思われる中でリスクを軽減できる*7
3.1日目の終了駅とする某駅は大晦日~元旦のNewdaysの終夜営業を確認しており、食糧の補給が容易。またホームに待合室がある
という理由になります。ただリサーチが甘かったことを後で思い知らされましたが…。
さて1について、
「北小金~馬橋の最長大回りでも、解釈次第で3パターンの解釈があり」と書きましたが、これは旅客営業規則の解釈およびその解釈に対するJRの見解の相違によるものです。端的に言えば乗る区間が多少変わり、距離にすると「1035.4km」「1049.6km」「1051.2km」のパターンがあります。
まず1035.4kmのルートについて。先に挙げた先駆者は全てこのルートでたどっています。ちなみに上の図の赤線もこのルートです。
「同じ駅を通ってはいけない」とするのが大回り乗車の鉄則であり、同じ駅については1度だけ通ってルートを成立させる、基本に忠実なルートと言えます。北小金発、馬橋発どちらでも可能です。
次に1051.2kmのルートについて。大回り乗車の中で「これは可能か否か」とされている項目が2つありますが、それを北小金→馬橋でどちらも「可能」とする回答があったことにより成立したルートです。
↓
— ア・ウ・ベオ (@a_u_beo) 2023年11月29日
今年さらに、大都市近郊区間内での6の字乗車の取扱いを確認したところ
乗車駅→降車駅の乗車券で乗車可能との回答を頂き
北小金→新松戸の1051.2㎞が可能と判明しました!!
(2/2) pic.twitter.com/8wJ7hfjzGp
一部の路線の分岐駅が絡む区間では、条件を満たせば「この区間では重複して乗車してもよい」という運賃計算上の特例があります。
これを大回り乗車に適用できる、という回答を得た上で、
「乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、営業キロ、換算キロまたは運賃計算キロは1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算」する、すなわちルートが「6」の字になる乗車券は「片道乗車券」とするという解釈を大回り乗車に適用してもよい、という回答が得られた上で得られたルートになります。馬橋から一駅伸ばした新松戸が大回りの乗車ルートにぶつかりますので、ルートは「北小金→新松戸」のみとなります。
そして1049.6kmは、1051.2kmの条件から2つ目の条件を抜いたものになります。
これは
年末大回りについてJR東日本様に公式見解を伺いました
— スーパーひたち (@lcL4O06tajVKf0O) 2023年12月14日
・年末大回りは◯
・日暮里〜東京と神田〜東京の折り返し特例は◯
・年末大回りの6の字乗車で北小金〜新松戸にするのは×
結論:年末大回りの最長距離は、従来通り北小金〜馬橋間で、折り返し乗車特例分の14.2km距離伸びて、1049.6kmみたいです pic.twitter.com/Ew5fmAMKBT
1つ目は問題ないようですが、2つ目は「適用できない」という回答もあり、同じJR東日本でもこれに対する解釈は一定ではないようです。これは北小金発、馬橋発がどちらでも可能です。
以上の理由から、3つ目の「1049.6km」を選択しました。本当は2つ目でやってみたかったのですが、駅の改札を出るときは駅員に説明しないと出られないため解釈の割れるルートでやりたくないというのが理由です。
なお、1051.2kmの回答を得られた方は実際に2023-24でこのルートを完走しており新松戸駅で問題なく改札から出ることができたようです。ただ、解釈が割れる≒グレーゾーンであることから改札から出る際には説明を求められても大丈夫な準備はしておいたほうがいいかもしれません。
さて理論はここまでです。後は乗り継ぎのプランを立て、実際にやってみます。
一応家を始発で出ても間に合いはしますが、万が一のことがあると予定が総崩れするため松戸で前泊しました。…向かっている最中に常磐線で人身事故があり、前泊してよかったと思いました。
松戸駅前のカプセルホテルに入ったはいいのですが、早めに布団に入ったにもかかわらずどういうわけか2時間程度しか寝られませんでした。一抹の不安はありますが、ともかくもまずはスタート地点の馬橋駅に向かいます。
・第0走者 松戸6:47→馬橋6:51 501S 東京メトロ16032F 我孫子行
北小金に向かうには中途半端な時間帯だからか、それらしき人は見当たりませんでした。ごく普通の朝の列車、というところです。
さて、馬橋駅です。流鉄流山線の乗換駅ではありますが、それ以外は住宅街の中にあるありふれた駅の一つです。ですがこの駅で150円の切符を買うと35時間ほど改札から出られなくなる権利を得ます。
券売機で北小金までの切符を買い、6:55に改札に入りました。2駅隣までの長い長い回り道のスタートです。
1日目(2023.12.31)
・第1走者 馬橋6:57→松戸7:02 616S 東京メトロ16003F 代々木上原行
今来たルートを引き返す形になります。こちらも空いていました。
小雨がぱらついており、空転しているようでモーター音が非常に荒ぶっていました。
年末年始首都圏最長大回り、通例とは逆の馬橋→北小金で挑みます。
— 78P (@j7ub8leep) 2023年12月30日
約34時間ほど改札からは出ることなく、1000km以上揺られてきます。#最長大回り pic.twitter.com/dDg7Mu9cZs
松戸で常磐線快速に乗り換えられます。もちろん北千住でもいいのですが、松戸の方が乗り換えが楽なのと、ここでちょうど快速が止まっているので乗り換えました。
・第2走者 松戸7:03→東京7:30 1124M K423+K470 品川行
10両編成側は赤電ラッピング車でした。かつての常磐線の車両の塗装を模した編成で、10両編成・5両編成で1本ずつラッピングが施されています。
座席がほぼ埋まり立ち客がちらほらいるくらいの混雑でした。
ここで大回りの正規ルートでは日暮里で降り、山手線に乗り換えることになります。ただ前述の特例を活用して東京まで乗ります。
東京で降りると何人か撮影している方がいらっしゃいました。一応私も記念撮影程度に。
・第3走者 東京7:39→新宿8:14 704G 47 山手線内回り
赤電を撮っていたら目の前で発車して行きましたが、ここからいったん余裕があります。ベンチで弁当を食べている人がいました。
大晦日の朝の山手線はびっくりするほどがら空きでした。1両10人もいない程度です。とはいえ秋葉原で多少拾い、池袋でほぼ席が埋まりました。
新宿に着きましたが、次の乗り換え列車はきっちり指定されており30分ほど時間があります。
大回りの時は食料以上に補給が厳しいのが充電とWi-Fiです。ここで駅ナカコーヒーショップ、BECK'S COFFEEに寄り列車を待ちます。ここでは店内各席にコンセントがあり、充電が可能です。ほぼ満席でしたが席を確保し多少なりとも充電しました。
・第4走者 新宿8:43→東京8:58 5102M S120 東京行 (特急かいじ2号)
大回り乗車では特急の乗車に制約はなく、特急券さえ買えば乗車可能です。もちろん新宿から乗る人はほとんどいませんでしたが…。
この後は秋葉原を目指すので、正規のルートでは神田で乗り換えることになります。ただ、前述のもう一つの特例を利用し、東京まで乗っても問題はありません。この場合は神田を通過する列車に乗る必要があり、必然的に特急に乗ることが指定されます。
ここが一番のネックで、大半の中央線特急は新宿止まりであり、東京行の本数は限られています。そして大回りをしようとするとこの列車を逃すと失敗となるのですが、これより前に東京行の特急がありません。*8
ともかくも2回目の東京駅に到着です。ここからシビアな乗り換えが続きます。
・第5走者 東京9:01→秋葉原9:05 806G 50 山手線外回り
ほぼ最短経路で乗り換え、先に来た山手線に乗って秋葉原へ向かいます。こちらは先ほどよりは多少混んでいました。
2駅で乗り換えます。
・第6走者 秋葉原9:11→錦糸町9:18 844B A527 津田沼行
次の乗り換えを考えて先頭で待機し乗り込みます。間に合えば多少楽に…なる…はず…?
両国駅の古い駅舎が見え、ここが千葉方面の玄関口であることをしのぶとともに、これからしばらく千葉県内をうろうろすることがふと頭の中をよぎりました。
・第7走者 錦糸町9:19→東京9:27 780F F-31+J-10 東京行
錦糸町は千葉寄りの端に乗り換えの階段があります。早歩き気味で向かうとちょうど入ってくるところでしたので、多少遅れていたようです。
成田空港始発だからかスーツケースを抱えた人が所々にいました。
地下に潜って本日3回目の東京駅。もう流石に今回は来ることはありません。
次は京葉線なのですが、他と離れた京葉線ホームの中でも横須賀・総武快速線からのホームは特に遠い印象があります。普通ならやりたくない乗り換えですが、ルートがそう指定されている以上やるしかありません。
とにかくひたすら歩き、11分ほどでホームに到着しました。
・第8走者 東京9:46→蘇我10:30 929A 513 蘇我行(快速)
細かい乗り換え続きでしたが、ここからはゆっくりすることができます。
車掌の喋りが何故か芝居のかかった話し方です。
「まもなくディズニーリゾート最寄駅、舞浜駅到着です。素敵な大晦日をお過ごしください」
(英語と中国語を挟む)
「それでは皆さま、行ってらっしゃいませ」
ダンディーぶった声質もあり、通勤電車よりも観光列車に向いていそうな印象を受けました。後よくしゃべるし…。
落ち着いたところで同業者をTwitterで確認すると、おそらく同じことをしている人がもう一人いるようです。逆回りは何人も見かけましたが、馬橋→北小金を回っている人は3人だけのようです。あと一人は特例なしのようで、既に房総半島を周回するルートに入っていました。
江戸川を渡って千葉県に入り、この先10時間くらいは県内を回ることになります。まずは房総半島を3/4周します。
蘇我で次に乗り換える方面の列車が見えましたが、間に合うかどうかは正直微妙です。
・第9走者:蘇我10:30→木更津11:02 153M C430+C447 君津行
間に合ってしまいましたので乗ります。おそらく接続列車ではないでしょう。
房総半島の周回ルート、まずは内房線で東京湾沿いに南下します。とはいえ工場の立ち並ぶ地域であり、また曇っていることもあり海は見えません。
車掌の声が小さく、モーター車に乗っていると放送がほとんど聞こえません。自動放送がないので、次の停車駅を知りたければドア上の停車駅を見ることになります。
次の列車が木更津始発なので、ここで降りて待ちます。
・第10走者 木更津11:17→上総一ノ宮14:37 3133M R07 上総一ノ宮行
この列車で房総半島を半周します。2両の短い列車で、木更津の時点で大半の席が埋まりました。
次の君津で14分停車し、後から来る総武快速線からの列車の到着を待って発車します。この折り返しは逗子行、こちらは東京湾を3/4周することになります。蘇我での乗り換えはこの列車が案内されていましたが、ここで乗り換えても座るのは困難でしょう。
君津からは単線になります。かつては行楽輸送の需要の高い路線の一つでしたが、道路網の発達により大幅に需要が減った路線でもあります。各駅とも長いホームがあり、その名残を見せています。
時折東京湾が見えますが、総じて狭い平地を縫うように走りトンネルも多々あります。晴れていれば三浦半島が見えて眺めがよいのかもしれませんが、曇っているので何とかかすんで見えているだけです。(ところで浜金谷で降りれば東京湾フェリーでリタイアできるな…という邪念はありました。まだ全体の1/6しか経過してませんが。)
館山で多少人の乗り降りがあった程度ですが空きはあまりなく、落ち着いてきたのは安房鴨川でした。ここまで立ち通しの人もいたかもしれません。
外房線に入ると海が見える区間はさらに少なく、切り通しの中を走る区間が増えます。相変わらず乗り降りはほとんどありません。
上総一ノ宮に到着し、向かいの列車に乗り換えます。この区間を含めた房総半島一周は首都圏の大回りの定番ルートではありますが、時期を選ぶ印象があるのかもしれません。ひたすら長い、単調だという印象を受けました。
・第11走者 上総一ノ宮14:39→大網15:00 4420A 516 東京行
京葉線直通の列車になります。京葉線から外房線・内房線直通の列車はそれなりにありますが、こういったところで見かけると違和感があります。2両から10両への乗り換えなので、当然ながら空いています。
先ほどまでとは異なり郊外路線といった趣で、住宅も多くみられる区間になります。東京都心への通勤もあるようです。
このまま乗り続けると蘇我で一筆書きが途切れるので、大網で乗り換えます。大網の外房線と東金線ホームはやや離れており連絡通路で繋がっています。イルカやマンボウの絵が施されていました。
・第12走者 大網15:11→成東15:28 651M C623 成東行
自動放送がないので車掌による放送が入ります。
「(前略)停車駅と到着時刻をお知らせします。次は福俵です。15:15に着きます。東金、15:18。求名、15:23。終点成東、15:28、午後3時28分の到着です。東金線の各駅に停まります。次は、福俵に停まります」
短い路線であることもあり、停車駅と各駅の停車時刻まで案内がありました。さわやかな声の車掌であり、聞いていて心地良い印象を受けました。
下総台地の畑の中を快走します。一方で単線であり、こうした路線は関東以外だとなかなかない印象があります。
成東はホーム向かい側への乗り換えになります。あらかじめ前寄りに行っておくとスムーズに乗り換えができます。
・第13走者 成東15:29→松岸16:19 359M C401 銚子行
意外にも?立ち客がちらほらいる程度には混雑していました。日がだいぶ傾いた中、引き続き畑の多い下総台地を東に進んでいくことになります。
銚子の一駅手前、松岸が乗り換え駅になります。周囲は住宅街、目立つようなものは特に見当たらない小駅です。銚子方面は特急列車が何本かありますが、松岸は止まらないので必然的に手前の駅で降りて普通列車に乗り換える必要があります。これが冒頭に触れた「銚子方面への初詣・初日の出列車」の乗車に向かない理由です。松岸の遥か手前で降りる必要があり、結果的に距離を稼げません。
ここはホーム上に狭いながらも待合室があります。2人先客がいました。禁煙のはずですが、なぜか吸い殻が落ちているしタバコの臭いもします。なんでなんでしょうね。
さて、ここは少し乗り換えに注意が必要なところです。当駅は総武本線の成東方面と銚子行、成田線の佐原・成田方面の分岐駅になりますが、どれも同じ形式の車両が使われる上、銚子からの列車は総武本線・成田線の分岐駅である佐倉より先の千葉行、という列車も少なくありません。一応方向幕*9で区別してありますが、ここは次に乗るべき列車の時間を確認して覚えてしまった方が楽かと思われます。実際、この時間だと次に来る列車は総武本線経由の千葉行であり、乗ると今まで来たルートを引き返す形になります。
1本後の総武本線経由の銚子行が来て、これの乗り換えを待っての出発となります。蘇我で乗り換えを急いだ意味がなくなってしまいましたね。
・第14走者 松岸17:18→千葉19:05 466M C434 千葉行
成田線経由の千葉行です。車掌の声からして、成東→松岸で乗った列車と同じ人のようです。
さて、日も暮れ、暗い車窓が続く路線です。こうなれば寝るしかない、いやむしろこの後のことを考えれば寝るべきタイミングです。
結果は…途切れ途切れ50分ほど寝たという感じでしょうか。割とすっきりしました。
成田で多少人が乗ってきました。すぐそばに座った学生2人がカップそばを持ちながら乗車し、これを年越しそばとする様子が印象的でした。お察しの通り私はまだ食べてません。
ちなみに成田は先述の通り大回り乗車の夜明かしスポットになっています。今年はここで何人が年を越すのでしょうか。
千葉に到着、手元の予定表ではこのまま乗り継ぐところですが久しぶりに駅ナカの充実した駅です。実際、充実した駅ナカ施設のある駅はこのルートだと蘇我以来となります。房総半島を回るときは食料の補給場所(と、人によっては固い椅子が続く行程。これは房総半島に限った話でもないのですが)に十分注意する必要があります。
ここで夕ご飯としてそばをいただきました。温かい出汁が体に沁みる…
ついでに飲み物と軽食も購入し、乗り換えに戻ります。今思うともう少し休憩しててもよかったかな?という気もしました。1時間半ほど余裕があるので…。
・第15走者 千葉19:26→船橋19:40 1830F Y-46+Y-145 逗子行
次の乗り換えは西船橋なので各駅停車で問題ないのですが、乗り換えを確認していないのでとりあえず先を急ぐため快速に乗りました。結果的には予定表にギリギリ追いつかない、というオチだったのですが。とはいえこの先は本数が多いためアドリブでもなんとかなります。
船橋で各駅停車に乗り換えます。
・第16走者 船橋19:42→西船橋19:45 1979B B14 三鷹行
一駅乗って乗り換え、続いて武蔵野線へ向かいます。長い千葉県区間ももうまもなく終了です。
・第17走者 西船橋19:51→南浦和20:35 1966E MU31 府中本町行
歯抜けに空き席がある中で乗ります。しかし固い椅子はつらい…。
20:07に新松戸を発車しました。ここは北小金と馬橋の間の駅で、ここからは房総半島を周回する輪から関東一円を大回りする輪へと切り替わったことになります。そして今日中のリタイアが(手持ちのきっぷだけでは)不可能となりました。
そして5分ほどで千葉県と埼玉県の県境を通り、ようやく3都県目となりました。千葉県には10時間ほどいたことになります。そして千葉県に戻ってくるのは21時間ほど後になります。
Twitterで大回りの様子を定期的に見ていましたが、この頃には北小金発の先頭集団は赤羽まで来ていたようです。この先徐々にすれ違うことになります。顔も知りませんが、なんとなく親しみを覚えてきます。
南浦和に到着しました。ここからの30分は大回りでしかまずやることがない、最高にバカバカしい時間になります。
乗り換え先のホームに行くと、カップルがしっかとハグをしていました。飲み会帰りでしょうね。いい光景だと思いますよ、ええ。なぜか東南アジア系と思われる外国人が遠巻きに眺めていましたが。
・第18走者 南浦和20:42→赤羽20:54 2077C 110 磯子行
南浦和のホーム上はそれなりに人がいましたが車内は空いていました。
荒川を渡り11時間ぶりに東京都へ、なお最初の駅の赤羽でまた大宮方面へ引き返します。
埼京線への乗り換えホームが意外と遠く感じました。やはり疲れているのは間違いなさそうです。
・第19走者 赤羽20:58→武蔵浦和21:12 2045K 126 大宮行
続いて埼京線で大宮方面へ向かいます。意外にも余裕で座れる程度の混雑でした。紅白歌合戦が後半戦のはずですが、150円+αでなんと格調のない大晦日を過ごしているんだろうな、とぼんやり思っていました。
そして武蔵浦和に着きました。乗り換えは武蔵野線府中本町方面ですが、武蔵野線で来ると南浦和と武蔵浦和は1.9km離れた隣駅でしかありません。そのためにわざわざ30分以上かけて回ってきたことになります。
・第20走者 武蔵浦和21:14→西国分寺21:39 1968E MU16 府中本町行
武蔵野線は元が貨物路線として計画されたこともあり、市街地を避けて線路が通されています。住宅街が続くこともあり、基本的に単調な路線です。まして夜だと本当にスマホをいじるしかやることがなくなります。
いつもいじってる?うん、まあ、そうねえ…。
この先は南武線に向かうため終点の府中本町まで乗りたいところですが、最長ルートは一度降りて立川を通る必要があります。
・第21走者 西国分寺21:45→立川21:51 2035T T4 青梅行
というわけで中央線に乗り換えます。武蔵野線の終夜運転がないため、もうそろそろ北小金発だと成田までの到着のリミットが近づいてきているはずです。
立川で中央特快の到着を待って青梅線に向かうようですが、それは関係なく南武線に乗り換えます。ここも駅ナカが充実していたはずですし、ここで少し時間を潰してもよかったかもしれません。
・第22走者 立川21:55→武蔵小杉22:39 2148F N8 川崎行
6両でいつも混んでいる印象のある南武線ですが、さすがにこの時間だと空いていました。細かい乗り換え続きの中で一息つける区間です。
Twitterで見ると北小金発が続々と千葉県入りしている中、特例なしの馬橋発の走者が南武支線の最終を捕まえようとしていました。最終が23時前と早く今回は断念しましたが、これをすると駅構内で比較的過ごしやすい大船まで向かうことができます。
武蔵小杉に到着、次の乗り換えは横須賀線です。
ご存知の方も多いでしょう。武蔵小杉の南武線・東急線⇔横須賀線の乗り換えは大変面倒であることを。疲れて眠い中、400メートルの連絡通路をひたすら歩きます。
ようやく、本日最後の乗り換えとなりました。
・第23走者 武蔵小杉22:57→品川23:07 2186S F-14 千葉行
平日の朝はいつも混んでいる武蔵小杉の横須賀線ホームですが、さすがに人影はまばらです。11両であっても、もちろん空いています。
2駅先の品川で1日目を終了とします。この先は川崎まで進めますが、川崎の駅構内はあまり長時間過ごすようにはなっていません。そこまでの各駅も同様です。
さて、品川駅は山手線・京浜東北線が終夜運転を行っていることから、それに合わせて改札内のNewdaysが終夜営業となっています。また9・10番線ホームの大井町寄りには待合室があります。
つまり、品川駅であれば始発まで(まだ)快適に過ごせる…
は ず で し た。
9・10番線は終夜運転のないホームであり、発着する電車がなくなったらロープが張られて入れなくなりました。そしてここ以外にホーム・コンコースを通じて椅子はなく、一番条件の良い座れるところは強いて言えば京急線の乗り換え改札に繋がる階段だけです(石造り)。なんてこったい!
4時半の始発までここで時間を潰さなければいけません。あと…5時間か…
というわけで2024年は品川駅のコンコースで迎えました。Bon Joviの"It's My Life"のサビ入りのタイミングに合わせて迎えました。サビの歌いだしに合わせたい場合は23:59:26から流し始めましょう。23:59:59にバスドラムの2音も聴けます。
それはさておき、乗り換え改札の階段は冷たく、17時間の移動の後には尻に堪えます。横にはなれますが寝るには色々とマズそうなので、適度にうろつきつつ時間を潰します。ちなみに京急の終電を逃した友人と会いましたが、その後当てが見つかったらしくしばらくして離れました。
しかしまあ、1時を過ぎても人の行き来が多いですね。どこへ向かっているのかさっぱり見当もつきません。酔客が階段から転落し、救急隊に搬送されていく様を見たり、京浜東北線南行ホームで非常ボタンが押されたりと、なかなかに混沌とした様相です。
1時半ごろに東海道線と横須賀線の始発電車、すなわち次に乗る電車が表示されました。まだ3時間もある…うーん成田の列車ホテルがここにも欲しい…。
ところで階段に戻るとなんとなく素振りで気づいていましたが、同じルートをたどっていた方とようやく話す機会を得られました。1日目はこまめに時間を潰しつつ、松岸~千葉以外は私の後を進んでいたようです。品川の滞在があまりに辛いことを考えると品川に終電くらいで着くのが正しい戦略になるでしょう。
夜明け前の一番寒い時にようやくホームに降りられるようになります。温かい飲み物は基本的に好きではありませんが、この時ばかりは自動販売機で温かいミネラルウォーターを買い込み湯たんぽ代わりにしました。それでも寒くてコンコースに戻っていたら座れるところがなくなってしまいましたが。
4:15にこれから乗る列車が入線してきました。柱に貼られた業務用時刻表によればこの日に限り東海道線と横須賀線の入線を5分早くしているようです。どうせなら前の日から入線して列車ホテルにしてもいいのよ?
2日目(2024.01.01)
・第24走者 品川4:35→川崎4:44 721M U-584+U225 熱海行
通常、品川駅の東海道線下りは12番線を使用して発着しますが、始発に近い時間帯は発着番線が異なり、この列車は日中だと上野東京ライン→常磐線が発着する10番線から出発します。ちなみにこの5分前に出発する横須賀線の下り1番列車はひたち・ときわ号が発着する9番線から出発します。
発車電光掲示板には常磐線の表示のところにこれらの列車が表示されています。
ほとんどの座席を埋めて品川を出発しました。終夜運転の混雑を見ているとこの混雑も納得…でしょうか。
大回りのルートはこの先南武線に向かうので次の川崎で降ります。ようやく得た暖を取る権利をすぐに手放さなければならないのが辛いところです。京浜東北線だと川崎での待ち時間が長くなるため致し方ないのですが…。
・第25走者 川崎5:06→尻手5:08 519F N35 立川行
川崎では南武線を1本見送り、少しでも着席時間と暖を確保したうえで1駅で降りました。
・第26走者 尻手5:16→浜川崎5:23 500H ワ4 浜川崎行
次は南武線浜川崎支線に向かいます。先日車両の置き換えが発表され、旧型車は運用を離脱したとのことですが…ホームに滑り込んできたのは旧型車でした。ここ半年で南武支線の乗車は3回目ですが、毎度旧型車なのはどうしてでしょうか。
旧型車のいいところはJRの全車両でも屈指の鋭い加速でしょうか。前後の揺れが大きいのは少し気になるところですが。あと座席のモケット柄が綺麗ですね。
広告は全て取り外してあったのでもうすぐ運用離脱かなあ、と思いきやまだ執筆時点でも運用に就いているようです。置き換え車両は新車ではなく元は新潟で運用されていた中古車なのですが、よほど状態が良くないのでしょうか。
乗り換える浜川崎では乗り換えに余裕があるので、折り返し列車を見送りました。
さて、このホームには前寄りにしか出口がありません。次に乗り換える鶴見線も一度敷地外に出る必要があります。路線敷設の経緯から、駅前の道路を挟んだ向かい側に鶴見線の入り口があります。ICカードの読み取り機はありますが、乗り換える際はタッチせずに乗り換えるよう案内されています。今回は紙のきっぷなので、特に何もせず次に乗り換えて構いません。
先ほど乗り換えに余裕があると言いましたが、むしろあり過ぎるといった方が正しいくらいです。周りは工場地帯、当然朝早くなので何も時間を潰せるところはありません。とはいえ南武支線を一本後にはずらせないので、こうせざるを得なかったのですが…*10
歩いて10分ほどのところにコンビニがあります。食料を買い込んで戻ってもまだ余裕があります。*11
ようやく乗り換える列車が来ました。鶴見線ホームは狭く風が通り抜けやすいので、時間を潰すにしても跨線橋でぎりぎりまで待った方がよいでしょう。
・第27走者 浜川崎6:04→鶴見6:17 604 T16 鶴見行
鶴見線も乗車当時は車両置き換えの真っ最中でしたが、乗車したのは旧型車でした。
浜川崎では数えるほどしか乗客がいませんでしたが、武蔵白石・安善でどっと乗ってきました。工場夜勤の明けでしょうか、外国人が多いので技能実習生だったかもしれません。お疲れ様です。
40分待った後で15分弱の乗車、次の乗り換えは急げば2分、間に合えばあとの予定が1時間巻ける…とりあえず細かい乗り換えはもうすぐ終わりますが、そろそろしんどくなってきたところです。
鶴見では新型車と今まで乗っていた旧型車が並びました。決して本数の多くない鶴見線では数少ないタイミング、これを撮るために大勢の人がカメラを構えていました。去り際に私も一枚…
第28走者:鶴見6:19→大船7:00 509A 149 大船行
下見の時点では2分乗り換えは厳しいのでは、と思い1本後で計画していましたが間に合いました。浜川崎で同じルートをたどっている方と合流し、その方が手際よく通りそれについていきました。
半分以上席は埋まっていましたが、横浜で正面に誰もいなくなるくらいの空き具合になりました。同業者の彼もここで降り一度休憩するとのこと。お互い頑張りましょう。
横浜~大船は東海道線と根岸線で二手に分かれますが、最長大回りのルートは根岸線経由になります。徐々に白む空をぼんやりと見つつ、大船で乗り換えました。
第29走者:大船7:06→茅ケ崎7:18 1821E U630+U222 小田原行
特例なしの1日目終了地点を過ぎました。特例なしで進行している人は大船で夜を明かしたようなので、2時間ほど先を進んでいるはずです。
大船を出たあたりで空が黄金色に光り始めました。日の出は7:10ごろなので、これを2024年の初日の出とします。今年はどんな一年になるかなあ…というのを年の瀬に書いているのは言ってはいけない。まあぶっちゃけあんまりいい一年ではなかったような気がします
3駅先で乗り換えます。
第30走者:茅ケ崎7:27→橋本8:28 765F G-02 橋本行
茅ケ崎からは一路北関東を目指します。普通に行くなら東海道線を上るのが絶対楽なのですが…
鶴見で2分乗り換えに成功したのでこの列車に間に合いました。この先は本数が比較的少ない路線が続くのを考えると蓄積しつつある自身の疲労を考えても楽になると信じたいところです。
相模線は相模川の左岸を北上する、神奈川県内のJR線では比較的地味な存在の路線です。今日はよく晴れており富士山がよく見えますが、撮れるタイミングはつかめませんでした。
途中社家という駅があります。しゃけと読みます。ローマ字書きしたら"Shake"…シェイク!?
そんなことを考えていたら、いつのまにか寝落ちてしまっていました。起きた時は終点橋本、次の乗り換えは3分で乗り換えなのですが…
第31走者:橋本8:38→八王子8:49 743K H002 八王子行
横浜線ホームに降りた時には無情にも発車していってしまいました。とりあえず次を待つのですが、これだと八王子での乗り換えがかなり厳しくなります。もちろん致命傷ではないのですが…。また異音の確認の影響で多少ダイヤが乱れているのも気がかりです。
疲れが溜まってくるとこういうのが怖いところです。茅ケ崎以降は概ね終点まで乗っていれば問題ないのですが、かといって決して油断できるわけでもありません。
ともかくも次に来た横浜線に乗ります。八王子駅の構造を確認し、とりあえずほぼ最短で乗り換えられるところに乗りました。
とりあえず八王子に着き、急いで八高線のホームを目指します。乗り換えは駅構内をほぼ横切る形になりますが、階段の上で発車メロディがなり始めました。これなら間に合う…?
第32走者:八王子8:50→川越9:58 865E 55 川越行
一度ドアが閉まりかけましたが、階段を下りてくる私を見てドアを開けていただきました。大変申し訳ない…。
とりあえず相模線の居眠りによる横浜線の乗り逃しはチャラにはなりましたが、なんともはや。
当然この列車同士の乗り換えを想定しているダイヤではないのでしょうが、隣の北八王子で反対列車を待ち合わせるため3分止まります。3分ずらしていただければ…ダメですかそうですか。
さて、多摩丘陵を北に駆けていきます。首都圏の外縁を通る路線らしく単線で回りがのどかな風景を快走…というのは半分正解で、拝島~箱根ケ崎では横田基地の縁をかすめます。よく晴れており、眺めとしてはいいです。ただし椅子が固いのが…そろそろ堪えてくる…。
埼玉県内に入ると森が増えてきます。都市が見えると街も変わる、といった光景になり、秩父から延びる山辺を通っていることが分かります。
高麗川で八高線と別れ、東に向きを変えて川越線に入ります。八高線の高麗川以北は非電化の1両、乗るにはこちらの方に乗りたいのですが大回りのルート上はそうはならぬとなっているため引き続き乗り続けます。
左から東武東上線の線路が寄ってくると川越に着きます。乗車位置の表示がサツマイモになっているのですが撮り忘れました。
第33走者:川越10:05→大宮10:29 1006F 116 新木場行(快速)
埼京線・りんかい線直通の10両編成、池袋や新宿で見かけるといつも混んでいますがさすがにここではガラガラです。単線で20分に1本、都心から1時間程度離れるとまだまだのんびりとしたところが残っています。
成田で夜を明かしたところはそろそろ房総半島の周回に入っているはずです。おそらく2両でしょうから混んでいるのは間違いないでしょう。
徐々に混んできたところで大宮で降ります。川越線・埼京線ホームは他と離れた地下にありますが、ここは少し余裕があります。
駅ナカは非常に混雑していました。中の店を目当てに買い物に来ている人も多くいます。
タオル屋もあります。たとえ大回り乗車中に急速に汗をかき、また肌触りを追求したい方であっても、改札を出ることなくタオルを購入し事なきを得ることができます。
次は高崎線へ乗り換えます。高崎へ先着する特別快速を待つため1本見送りました。
それ以外にもスペーシアきぬがわが発着したり、むさしの号が入ってきたりと、久しぶりにひっきりなしに列車が行き来する駅に来た感があります。
第34走者:大宮10:45→高崎11:58 4820Y K-30+S-20*12 高崎行(特別快速)
グリーン券を買い乗り込みましたが、なんと満席で立ち客多数とのこと。高崎での乗り換えはタイトではないので、先発の普通に乗ったほうが良かったと後悔しましたが後の祭りです。(とはいえ桶川で乗り換えられるので10分程度の辛抱ですが)
混雑する理由が今一つ分かりませんが、ともかくもしばらくデッキで我慢…と思いきや次の上尾で席が取れました。一眠りすることにします。
起きた時は前5両の切り離しもとうに終わった神保原でした。大宮での混雑は終わっていましたが、座っている平屋席はほぼ満席のようでした。
高崎では40分弱の待ち時間があります。ここで昼飯としました。
意外と辛めの味付けでした。
第35走者:高崎12:37→小山14:24 447M A56 小山行
続いては両毛線に乗ります。ここは首都圏でも最古参の車両が走るエリアになりますが、弱冷車*13に限り座席が柔らかいのでそこに座ることを強く推奨します。
伊勢崎までは細かい乗り降りが続きましたが、そこを過ぎると混雑も車内も落ち着きます。よく晴れていますが少しばかり退屈な路線でもあります。
高崎から1時間ほどで栃木県に入ります。大回りで未到達の都県も残すは茨城県のみとなりました。県境を超え、桐生、足利と少しずつ混み始め佐野で立ち客も出始めました。
高崎に続き小山でも多少の待ち時間があります。吉野家は元日休業ですが、BECK'S COFFEEは開いていたのでここで休憩と充電をしました。
第36走者:小山15:06→友部16:14(16:21) 753M K453 友部行
小山は宇都宮線や東北新幹線が行き交う駅ですが、大回りのルートは引き続き東へ、続いては水戸線に乗ります。BECK'S COFFEEで少しのんびりし過ぎていたようで、3分前に乗り込んだ時にはロングシートは1/3程度、ボックス席もほとんど(といっても1ボックス1人ですが)埋まっていました。
両毛線に引き続き、関東平野の縁近くを快走する地方路線です。違うのは車両が新しいこと、ワンマン列車であること、下館のあたりから右側に見える筑波山がよく目立つことくらいでしょうか。
何事もなく各駅に止まっていき、乗り換える友部の手前、宍戸に到着しようかというところで地震があり急停車がかかりました。1分近い長い揺れだったように思います。
Yahoo!の速報の通知では石川県能登地域で震度5強とのことですが、ここは茨城県の中央部、明らかに震度3はあったように思います。
少しづつ情報が更新されていき、能登で震度7かという通知が入りました。
この電車は7分ほどで運転を再開し、友部に7分遅れで到着しました。乗り換えは6分しかありませんが、向かいのホームに待っていたので急いで乗り換えます。
第37走者:友部16:20(16:24)→柏17:39 422M K416+K480*14 上野行
数えるほどしかいないグリーン車に乗り込みました。
地震の影響で東北・上越・北陸新幹線は全線で運転見合わせ、という運行情報がひっきりなしに流れていました。少なくとも常磐線は若干の遅れが出ている程度なので、完走は問題なくできそうです。
土浦で後ろに5両連結する間に特急列車を待避します。こちらも多少遅れが出ているようでした。
取手の手前で日が暮れました。取手を出ると間もなく利根川を渡り、1日目の夜以来の千葉県に戻って来ました。ゴールまであと少しです。
さて、降りる北小金はこの列車は止まりません。取手からは並行して各駅停車の線路があり、北小金(に限らず馬橋もですが)はその中で各駅停車しか止まらない駅です。取手や天王台に来る各駅停車の本数は少ないので、我孫子か柏で降りそびれると大回りが失敗となってしまいます。疲れがピークの中で、ここが最もコースアウトの危険性が高いと言えるでしょう。
無事に柏で降りました。地震の遅れはいつの間にか回復していました。
第38走者:柏17:41→北小金17:46 1760E 小田急4064F 成城学園前行
最後の乗り換えは常磐線各駅停車では少し珍しい小田急車の運用でした。千葉県内で箱根や江ノ島の広告は少し場違いな感じもします。
次の南柏を出ると、
ようやくこの放送が聞けました。聞いたときに感慨深くなる自動放送も珍しいものです。
さて、このきっぷは改札内にいた時間が明らかに長いことから自動改札には通せません。駅員のいる改札を通ります。
私「大回りです、お願いしまーす」
駅員「はい確認しました、押していきますか?」
無効印を渡されたのできっぷに押し、
駅員「お疲れさまでした!」
とかけられて通路を通りました。結局2日目はこれが一番早かったと思います。横浜で別れた同業者は1時間ほど後を進んでいたようです。
名残惜しいですが帰ります。滞在時間は20分ほどでした。
年末年始首都圏最長大回り、馬橋→北小金で完走しました。
— 78P (@j7ub8leep) 2024年1月1日
所要時間34時間49分、移動距離1049.6kmでした(神田〜東京、日暮里〜東京折り返し特例適用)
最後は北小金駅駅員に「お疲れ様でした!」と声をかけて通してもらいました。#年越し大回り#年越し最長大回り pic.twitter.com/omQHRHUfme
おわりに
所要時間は34時間49分、移動距離は1049.6km、乗り継いだ列車は38本となりました。なお、一般的には馬橋と北小金は所要時間は5分、移動距離は2.9km、常磐線各駅停車でたった2駅で移動できることを付け加えておきます。
完走した感想ですが(激ウマギャグ)、
「2回目やるにはちょっと…」って気持ちと「機会があれば逆回りでもやりたいなあ」って気持ちと「エリア内最長ルートの浪江→川岸*15もやってみたいなあ」って気持ちがごちゃ混ぜになりました。なんにしても2日もしんどかったので年末年始の最低3日ないし4日潰す苦行であることには変わりありませんが。
関西版は…おおさか東線新大阪延伸前に塚口→加島でやったことがあるので勘弁してください…。
個人的には房総半島+αで固い座席が延々続くのがしんどいところです。JR東日本の普通列車は全般的に椅子が固く長時間乗車にあまり向いていない印象が強いのですが、JR初期ごろに導入された車両はクッション性がほぼないだけによりその印象を強く感じます。また全般的に特急や普通車グリーン車などで逃げられる区間も多くないので、総じて座れましたが決して楽ではないように思います。
逆回りだと成田以降は寝過ごし・折り返しによりちょくちょく脱落している方がいたようです。車内で寝るときは計画的に行いましょう。
また不測の事態に備え、モバイルバッテリーは大容量の物を用意しておきましょう。私は30000mAhの物を持って行っていましたが、2日目の高崎で空になってしまったので…。*16
*1:ちなみにこの区間のほぼ全域で交通系ICカードが使用可能であり、ICカードで乗車した際の最短経路で計算される仕様と券売機で買える紙の切符とで平仄を合わせた形になります。
*2:1030.9km
*3:1030.8km。建設時の歴史的経緯により、運賃計算上の営業キロと実際の路線の長さにあたる実キロに差異がある
*4:JRにおける運送契約、すなわち鉄道を利用する際の切符の販売などの条件を定めたルール
*5:これに対する規定もありますが今回は影響しないため省略
*6:可能ではあるのだが、ある理由により乗るには多少不向き
*7:実際に北小金発のレポートでは、2日目朝に100人いた大回りerが5時間後には40人になっていたという状況があったようです。なお、この区間では駅ナカ施設は特になく、ひたすら次の列車へ乗り換えを続けることになり同じ列車での移動になるはずです
*8:平日ならもう少し楽なのですが、大晦日を含む年末年始は曜日に関わらず休日ダイヤとなります
*10:日中もあまり接続は考えられていないようです
*11:これがセーフかどうかは諸説あるようですが…まあ次に乗り換える列車に乗ったので特に問題ないと判断しています
*13:高崎寄りから2両目
*14:K480は土浦から
*15:6の字適用の場合は岡谷、2025年以降のSuica長野エリア拡大に伴う近郊区間拡張後は浪江→長野、ダイヤの関係上逆ルートは不可と思われる