昭和自動車（昭和バス）では、前原・周船寺～九州大学伊都キャンパス間で路線バスを運行しておりまして、中型車両を中心に活躍する姿を見る事ができております。

 

　この運行路線は、「糸島市コミュニティバス」の１つとして運行されているものでありまして、元々は「糸島市コミュニティバス」の一部として運行されておりまして、旧福岡昭和タクシー（現・昭和自動車タクシー事業部福岡西部）時代より小型バスによりまして運行されておりました。

 

　そして、平成３０年に九州大学伊都キャンパスに「イーストゾーン（文系学部）」が設けられた（旧箱崎キャンパスから移転した）事から中型車両化された事に伴いまして、旧志摩営業所に移管されておりましたが、翌令和元年７月末に旧志摩営業所が廃止された事に伴いまして、現在は伊都営業所担当路線として至っております。

 

　尚、運賃は「糸島市コミュニティバス」として運行されている事もありまして、２００円の均一運賃となっております。また、この路線は当初は前払いでしたが、現在は後払いという形に変わっております。

 

 

　使用車両は、昨年から新車が伊都営業所にも導入されておりまして、日野レインボーが上の画像の車（福岡２００か４７－８７、２ＫＧ－ＫＲ２９０Ｊ５）を含めまして今年まで４台が導入されておりまして、これまで日野ポンチョしか見られなかったこの区間のノンステップバスに新たな車が見られております。

 

　これに伴いまして、以下画像の「九大線」で活躍しておりました富士重工８Ｅ架装の車が今年全廃となっておりますし、東武バスからの移籍車でもありましたいすゞジャーニーＬＲも姿を消しております。特に富士重工架装車の大幅削減には驚かされる所ではありますが、それだけ低床化に世代交代も進んでいる事も伺えるのではないかとも思います。

 

　（福岡２００か４１－２６、日産デＫＫ－ＲＭ２５２ＧＡＮ）

 

　（福岡２００か４１－２７、日産デＫＣ－ＲＭ２５０ＧＳＮ改）

 

　（福岡２００か４５－４６、日産デＫＫ－ＲＭ２５２ＧＡＮ）

 

　（福岡２００か４１－２９、いすゞＫＣ－ＬＲ３３３Ｊ）

 

 

　さて、この路線の使用車両には平成８年式の日野レインボー（ＫＣ－ＲＲ１ＨＪＡＡ）も使用されておりまして、その車に加えまして唐津営業所にも１台の計２台が存在しておりましたが、今年までに全廃となっております。今回は、その２台の日野レインボーに関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

　この２台の日野レインボーは、ＪＲ東海バスからの移籍車でもありまして、平成１７年に移籍導入されたものであります。ＪＲ東海バス時代は、愛知県の瀬戸地区・岐阜県の中津川地区を中心に運行されていたのではないかと思われますが、相次ぐ路線廃止・移管もありまして、廃車売却を余儀なくされたようであります（その後平成２１年に一般路線バスは全面撤退に至ります）。

 

 

　昭和バスに移籍しますと、福岡２００か１０－９６・福岡２００か１０－９７に再登録されまして、旧前原営業所に配置されました。配置されますと、福岡地区の路線で運行されておりまして、福岡～前原間などの路線で使用されておりました。

 

 

　しかし、翌平成１８年に行われました福岡地区再編に伴いまして、福岡２００か１０－９７は唐津営業所に転属します。転属後は佐賀２００か・４７６に改番されまして東松浦半島内の路線に転用されておりまして、唐津～（切木・有浦）～入野～鷹島間などで使用されておりました。

 

 

　また、平成２５年に担当路線の一部大型化に伴いまして、福岡２００か１０－９６も伊万里支所に転属しまして、佐賀２００か・７４４に改番されておりました。転属後は唐津～伊万里間に加えまして、現在は廃止されております伊万里～武雄間や伊万里～畑川内～黒川間などで運行されておりました。

 

　（平成２７年撮影、伊万里～武雄間運行時）

 

 

　けれども、相次ぐ伊万里支所担当路線の廃止、そして冒頭ご紹介しました「九大線」の新系統新設もありまして、平成３０年に旧志摩営業所に転属しまして福岡２００か４１－３１に改番、その後は伊都営業所に所属しながら、先述のように前原・周船寺～九大伊都キャンパス間の路線で運行されておりました。

 

 

　私自身も、これまでもこの２台に乗車しておりましたが、車内は画像のようになっておりまして（画像は佐賀２００か・４７６）、非公式側は特に２人掛けのハイバックシートが並んでいるのがお分かりいただけます。また、座席も座り心地はよく、この乗車時も深く座っていたほどでもありました。

 

 

　しかし、唐津営業所に所属しておりました佐賀２００か・４７６が令和５年に廃車、伊都営業所に所属しておりました福岡２００か４１－３１も今年新車導入に伴い廃車となっております。

 

　しかも、この昭和バスの日野レインボーに関しましては、このタイプはＵ－規制の自社発注車も所有しておりまして、トップドア車・中乗り車２種類が所有しておりまして、当初は福岡地区で多く見られていたこのタイプも、再編で佐賀県内に移りまして活躍しておりましたが、残念ながら自社発注車が先に全廃となっておりまして、ご紹介しております移籍車でもあります２台の廃車によりまして、そのタイプ自体も昭和バスから全廃に至っております。

 

 

　今回は、ＪＲ東海バスから移籍しまして、残念ながら全廃となりました日野レインボーＲＲ２台に関しましてご紹介しましたが、福岡２００か４１－３１で移籍から１９年と、かつてのＪＲ東海バス時代よりも長く在籍しておりましたので、それほどこれら車自体の使い勝手も良かった所が伺えるのではないかとも思います。ただ、相次ぐ新車導入によりまして世代交代の時を迎えてしまった事には致し方ない部分ではなかったとは思いますが、とにかくこれら車に関しましてはお疲れ様と言いたいとも思いますし、過去にそうした車が存在していた事に関しましても存じていただければとも思っております。