全国各地で開催されているマラソン大会の当日に運転される臨時列車のダイヤなど、最新情報も交えてまとめております。実はブログ筆者も過去に全国各地のマラソン大会に度々参加しており、マラソンの大会臨時列車には全てではないものの乗車経験があります。年に1日しか運転されない特別な列車ですので、可能な限り過去の運転履歴も追いました。鉄道好きのマラソンランナーの方がおりましたら、ブックマークお願いします!

 

  勝田全国マラソンとは?

 

大会公式ページ

大会の概要:フルマラソンをメーンとして、10kmレース(男女別スタート)

 

スタート/ゴール:スタート 表町商店街/ゴール 石川運動ひろば

 

 2025年大会で72回を数える、マラソン大会のなかでは大御所の位置に君臨する大会の一つです。特に関東地区のランナーにとっては、他の大会の比べて参加費がリーズナブルであることと、遠方からの参加者を考慮した(と思われる)遅めスタート時間という各種設定は、マラソン翌日の月曜日に有給休暇取得を拒まれるような会社の皆様にも優しい大会と思われます。この大会もコロナウィルス感染症まん延防止の観点で2年連続中止(厳密に言うと1回は中止、1回は延期)になっていますが、関係者の方々の努力の結果、2023年から復活開催されて今に至ります。

 

 私も過去3〜4回完走している大会で、この大会を振り返ると様々な想いが去来します。サブフォーペースで攻めながら後半大失速だったり、弱気にスタートしながらも、結果サブフォーまであと5分という好タイムを出せたのもすべてこの大会です。コース全体が市街地ですが、前半の海側を北上するコースで寒風の洗礼を受け、なだらかながら、確実に脚を削ってくるアップダウンのあるコースはランナーの体力を消耗させます。天気の良い日なら容赦なく日差しも照りつけるため、20km前後の給水ポイントでは真冬とはいえ、水の含んだスポンジが飛ぶようになくなっていきます。後半は単調な市街地、田畑の間を、心を無にして走るなか、突然公民館での宴会のような歓待をうけてレースを続ける闘争心を砕かれつつ、ボロボロになってゴールを目指します。ゴール手前に来ると、後半のランナーは「歩道を走る指示」が下り、ランナーが信号で足止めを食らう風景が見られるのも、この大会ならではでしょうか。とはいえ、季節柄大雨にあたったことがないので、一番冷え込む季節ではありますが、ランナーとしてはベストコンディションで開催される好大会といえ、70年近く続いている理由もうなづけます。

 

 

  2025年の勝田全国マラソンの臨時列車

 

特急 ときわ号(勝田全国マラソン号)

運転区間

【ゆき】

9035M 35号 品川発6:25 → 勝田着8:11

9037M 37号 品川発6:52 → 勝田着8:41

9039M 39号 上野発7:45 → 勝田着9:13

(【ゆき】の途中停車駅:東京(品川発のみ)、上野、柏、水戸)

 

【かえり】

9034M 34号 勝田発15:27 → 上野着16:57

9036M 36号 勝田発16:27 → 上野着17:55

(【かえり】の途中停車駅:水戸、柏)

 

運転日: 2025年1月26日(日)

 

運用に入る車両:E657系10両編成(全車指定席)

 

指定席の販売開始日:2024年12月26日(木)10:00〜

※えきねっと会員は「えきねっと事前受付」を利用することで、販売開始より1週間前となる12月19日14:00から12月26日(木)9:54までの間、事前のお申込みが可能です。この場合でも実際に手配を行うのは、乗車日1ヶ月前の2024年12月26日 10:00からです)

 

 

  勝田全国マラソンの臨時列車 過去の運転状況

 開催日は私の知る限り、毎年1月最終週の日曜日に開催されています。スタート地点は勝田駅から南に延びる通りである表町商店街が一時的に封鎖され、ゴール会場はスタート地点のすぐ近くにある石川運動ひろばとなります。こう書くとスタート、ゴールは別地点のようですが、ランナーは石川運動ひろばに集合して、着替え、荷物預けをして、数分歩いてスタート地点に向かうという、大変便利な会場となっています。

 

 このスタート/ゴール地点の最寄りは勝田駅となり、大半のランナーは勝田駅到着後徒歩で会場に向かいます(ひたちなか海浜鉄道工機前駅からもアクセス可能ですが、運行本数が少ないので勝田駅から利用される方は極小かと)。なお、ゴール後は石川運動ひろばから勝田駅まで無料の送迎バスがピストン運転されていますので、弱ったランナーも無事駅までは到着できる「やさしさあふれる」大会です。

 

 

 運転日と運転区間

 大会自体は毎年1月最終日曜日に開催され、その臨時列車はマラソンの開催日当日のみ運転されます。歴史を振り返ると、はじめて専用臨時特急列車の設定が確認できたのは、2013年大会から。2014年からはゆき、かえりの往復での設定となりますが、他の大会と異なり臨時列車の普通列車は確認できませんでした。また、東京上野ライン開業後の常磐線特急の終日品川乗り入れ(2017年10月)以降は、品川発の臨時列車設定も定番化していますが、かえりの品川行きは一度も設定されていません。日曜日のダイヤとはいえ、夕刻の品川駅に臨時列車を滑り込ませるダイヤの隙間がなかったのか、車両運用上の都合なのか、定かではありません。

開催年 開催日 運転区間
2024年 1/28 特急 品川→勝田、上野〜勝田
2023年 1/29 特急 品川→勝田、上野〜勝田
2022年 翌年延期  
2021年 中止  
2020年 1/26 特急 品川→勝田、勝田→上野
2019年 1/27 特急 品川→勝田、上野〜勝田
2018年 1/28 特急 品川→勝田、上野〜勝田
2017年 1/29 特急 上野〜勝田
2016年 1/31 特急 上野〜勝田
2015年 1/25 特急 上野〜勝田
2014年 1/26 特急 上野〜勝田
2013年 1/27 特急 上野→勝田(片道のみ)
2012年 1/29 設定なし
2011年 1/30 設定なし
2010年 1/31 設定なし

※勝田全国マラソン自体は、第1回(1953年)から開催されています。

 

 

 往復の始発・終着駅発時刻

 次に現地行き、現地発の列車のダイヤのトレンドです。改めてこのマラソンの概要に触れておくと、フルマラソンのスタートは10:30、マラソンのゴール制限時間はスタートの6時間後となる16:30となります。前述の通り、大会会場最寄りの勝田駅からスタート/ゴール地点まで1km弱、徒歩で10〜15分を要します。
 

現地行き列車(往路)

 この大会の臨時列車にJR東日本水戸支社が総力を上げている様子は、大会ホームページに入るオリジナルの告知、大会当日の勝田駅での加勢に入る駅員さんの数などからひしひしと感じられます。臨時列車の勝田到着時刻は8時台から9時台まで30分間隔で設定されています。特にこだわりがなければ、9時台の到着で十分だと思います。会場到着後の荷物預けも時間を要する作業ではなく、その真横がスタートの会場に続く道なのです。
 強いて言えば、1万人近く参加する大会なので、トイレが心配な方、早めに会場入りしておいたほうがいいかと思います。当日の天気次第ですが、基本は「冷え込む」ので、トイレが近くなりがちですからね。

 

現地発列車(復路)

 ゴール後の混雑は毎年恒例ではありますが、すべて勝田始発であることで、入線後速やかに乗車開始し、その数分後には静かに出発していく、大変スマートな運営をされていることを、私自身も乗客として体感しています。このあたりは長年開催されている大会のメリットですね。さて、全車指定席なので、前もって予約しておくと安心です。

 

 ゴール時間と予約列車の目安についてですが、4時間少しでゴールした2023年大会の事例ですと、実際に乗車したのは、36号(16:27発)でした。事前に座席指定はしておりましたので、ゴール後に駅に向かうだけでしたが、15時前にゴールして、記念品や荷物の受取、着替えを済ませて15:30過ぎ。そこからバスに乗車して5分ほど。16時前には勝田駅に着いていました。

 そこで、かえりの列車の中での「お疲れ会」用に、コンビニで缶ビール等を調達していたら、ほどなく発車5分前くらい。

 サブスリー〜サブフォーのランナーなら、15時台の列車の乗車は可能。サブフォー以降は16時台の予約をお勧めします。とはえい、これは臨時列車に乗車しようとする場合で、常磐線には定期のひたち号、ときわ号が等間隔で運転されており、かつ勝田の上野東京ラインの普通列車には普通車グリーン席もあるため、混雑と行列だけ多少我慢することができれば、かならず列車には乗車できます。予約できなかったとしてもがっかりせずに、当日のレースに打ち込んでください!!

開催年 始発・終着駅発時刻
2024年 特急 ときわ号(勝田全国マラソン号)

35号 品川発6:23 → 勝田着8:11

37号 品川発6:52 → 勝田着8:43

39号 上野発7:45 → 勝田着9:20

34号 勝田発15:27 → 上野着16:58

36号 勝田発16:27 → 上野着17:55

途中停車駅:東京(品川発のみ)、上野、柏、水戸

2023年 特急 ときわ号(勝田全国マラソン号)

35号 品川発6:23 → 勝田着8:11

37号 品川発6:52 → 勝田着8:43

39号 上野発7:45 → 勝田着9:20

34号 勝田発15:27 → 上野着16:58

36号 勝田発16:27 → 上野着17:55

38号 勝田発17:24 → 上野着18:56

途中停車駅:東京(品川発のみ)、上野、柏、水戸

2022年 翌年に延期
2021年 中止
2020年 特急 ときわ号(勝田全国マラソン号)

41号 品川発6:24 → 勝田着8:11

43号 品川発6:50 → 勝田着8:42

48号 勝田発15:32 → 上野着16:57

50号 勝田発16:26 → 上野着17:55

途中停車駅:東京、上野、柏、水戸

2019年 特急 ときわ号(勝田全国マラソン号)

41号 品川発6:24 → 勝田着8:11

43号 上野発7:07 → 勝田着8:42

48号 勝田発15:32 → 上野着16:57

98号 勝田発16:26 → 上野着17:54

途中停車駅:東京(品川発のみ)、上野、柏、水戸

2018年 特急 ときわ号

41号 品川発6:24 → 勝田着8:11

43号 上野発7:06 → 勝田着8:42

48号 勝田発15:32 → 上野着16:57

98号 勝田発16:26 → 上野着17:54

途中停車駅:東京(品川発のみ)、上野、柏、水戸

2017年 特急 ときわ号

41号 上野発6:39 → 勝田着8:10

43号 上野発7:13 → 勝田着8:47

48号 勝田発15:32 → 上野着16:57

98号 勝田発16:26 → 上野着17:49

2016年 特急 ときわ号

41号 上野発6:39 → 勝田着8:10

43号 上野発7:13 → 勝田着8:47

48号 勝田発15:32 → 上野着16:57

98号 勝田発16:26 → 上野着17:49

途中停車駅:柏、土浦、水戸

2015年 特急 フレッシュひたち号

91号 上野発6:39 → 勝田着8:11

98号 勝田発16:25 → 上野着17:47

途中停車駅:柏、土浦、水戸

2014年 特急 フレッシュひたち号 
9091M 91号 上野発6:39 → 勝田着8:11
9098M 98号 勝田発16:25 → 上野着17:47
途中停車駅:柏、土浦、水戸
2013年 特急 勝田全国マラソン号 上野発6:39 → 勝田着8:11
途中停車駅:柏、土浦、水戸
2012年 設定なし
2011年 設定なし
2010年 設定なし

 

 

 使用車両、編成

常磐線の特急列車と共通運用なので、その当時に定期運用についている形式がそのまま充当されているようです。2024年については理由は不明ながら、E653系が運用についています。
開催年 使用編成と編成両数
2024年 E653系7両編成(35号のみ)、E657系10両編成
2023年 E657系10両編成
2022年 延期
2021年 中止
2020年 E657系10両編成
2019年 E657系10両編成
2018年 E657系10両編成
2017年 E657系10両編成
2016年 E657系10両編成
2015年 E657系10両編成
2014年 E657系10両編成
2013年 E657系10両編成
2012年 設定なし
2011年 設定なし
2010年 設定なし

・運用に入った形式は各種情報サイト、情報誌を参考にまとめたもので、運転日次第では異なっていた場合があります。

 

本日は、以上です。

 

参考ページ:JR東日本プレスリリース、大会公式ページ、鉄道コム、鉄道ホビタス

参考資料:JR時刻表、JTB時刻表(各年)

カバー写真:ブログ筆者撮影(68回勝田全国マラソン会場)

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