先日は、丸の内TOEI2で11月7~22日までの期間で開催された「没後10年 高倉健 特別上映 銀幕での再会」を観に行ってきました。
今年11月10日で亡くなってから10年となった高倉健を偲び今までの出演作を一挙上映するもので、今回は15:40から上映の「野性の証明」(1978)を観ることにしました。
映画を観ること自体が久々ですが、確かここには子供の頃に映画を観に来たこともある場所です。なお、建物の老朽化に伴う建て替えが決まり来年夏頃を目途に閉館となり、同時に東映直営の映画館も消滅することになるそうです。
地下1階が受付で地下2階が映画館になっていますが、受付の周囲やロビーには上映作品のポスターが多数展示されています。
また、ヤクザ映画で描かれた入れ墨の原画のコピーも展示されているほか、「新幹線大爆破」の上映直前に国鉄から届いた上映中止を求める要望書とそれに対する東映の反論の手紙も展示されていました。
「新幹線大爆破」といえば爆破予告で始まることで知られますが、当時の国鉄にはただでさせ爆破予告が相次いでいて、こういう映画が模倣犯を呼びさらに助長させるとしてクレームを入れていたそうです。
現在でも爆破予告で迷惑をかける愉快犯が度々問題になりますが、この時代というかいつの時代にもこういう困った人がいるのですね。
そして15:40から上映開始。
「野性の証明」の映画版を観るのは初めてですが小説版を読んだことがあり、実家を離れて札幌で働いていた頃にインフルエンザに罹り、近くに身寄りがいないという理由だけでインフルエンザごときで理不尽に1週間くらい入院させられてしまったことがあるのですが、その際に何もやることがないから病室に置いてあった本を読み漁り、その一つがこれでした。
ちなみにこの映画は薬師丸ひろ子がデビューするきっかけになった作品(デビュー作は別のものだそうです)であるほか、刑事役の夏八木勲(1939~2013)が何故かこの頃に一時的に夏木勲を名乗っていた頃でした。
原作の小説と映画では若干異なる展開があったりもするのですが、東北地方の架空の自治体で福島県にあるという設定の「羽代市」を舞台としているのは同じでした。
そして、劇中で羽代市に紅白塗装の路面電車や気動車らしき単行の列車が出てきたのですが、金沢でロケが行われていたそうで、これは今はなき北陸鉄道市内線、金名線だそうです。なお、劇中での会話に「羽代交通」という社名が出てきたので、この路面電車はその会社という設定なのかもしれません。
その「羽代交通」は、この羽代市の経済界を牛耳る悪徳商人的存在で高倉健演じる主役の命をも狙う人物の会社の一つとなっているので、ビッ◯モーター、電◯、タ◯ホーム、野村◯券、い◯げや、ベ◯ッセ、サ◯ーライフ、Beeク◯ニックもびっくりのこんな真っ黒けっけの悪徳企業で働かされている人の労働環境はさぞかし(以下略)
それ以外にもグリーン車に帯が入った急行列車や最後の方で登場するトロッコなど、鉄道趣味的に興味深いシーンの多い作品でした。ちなみにトロッコのシーンは、一部は大井川鉄道井川線で撮影されたけど、大部分はアメリカのコロラド州で撮影したものだそうです。
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