昨日のエントリでご紹介いたしました仙台発青森ゆき下り「くりこま1号」と同様の事由で、上りの青森発仙台ゆき「くりこま2号」も全区間全車指定席で運転されており、こちらも盛岡駅には「くりこま2号」が印刷された常備券の設備がありました。
こちらは通常期料金の券で、淡黄緑色地紋券となります。
盛岡から下り「くりこま1号」の終着駅の青森までは、200kmを僅かに越えて「201km以上」の普通急行料金が適用されましたが、上り「くりこま2号」の終着駅の仙台までは200kmを越えませんので、普通急行料金は「200kmまで」となっています。
当時の上り「くりこま2号」は、途中で同一種別である普通急行列車を追い抜く事で有名でした。
日本交通公社刊行 国鉄監修時刻表の昭和50年12月号の抜粋です。
「くりこま2号」には全車指定席の記号が記載されています。
秋田発田沢湖線経由仙台ゆきの急行「たざわ2号」と急行「くりこま2号」は盛岡を37分差で発車しますが、「たざわ2号」は当時の東北地区に多かった分割と併結を繰り返す多層建て列車で、花巻と一ノ関で4分停車して分併作業を行っており、一ノ関発車の時点で両列車の差は20分縮められて17分差となり、瀬峰で同じ種別の普通急行列車である「くりこま2号」に抜かれ、仙台到着は「くりこま2号」の18分後となっています。
石越~瀬峰間の所要時間は普通列車でも20分弱のところ、「たざわ2号」は31分もかかっており、「くりこま2号」に追い抜かれる瀬峰では10分以上停車していたものと推察され、それならば小牛田まで先行出来そうですが、小牛田は1番線~4番線までしか無く、上り列車が待避出来そうな4番線は石巻線の発着ホームであるため、「くりこま2号」が停まらない瀬峰の停車時間を延ばしてでも、小牛田での追い抜きを回避しているように見受けられます。