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北海道の廃線跡探訪 第89回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)(10/10) 北光社~北見間


1.ごあいさつ

ご訪問ありがとうございます

北海道の廃線跡探訪第89回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)その10 北光社ほっこうしゃ~北見間です。

北見市内に入り、近年まで路盤や橋はほとんどそのまま残っていましたが、いまでは訓子府川くんねっぷがわ以外の橋は撤去され、市街中心地の路盤は、ほとんど宅地化などで消失してしまいました。

これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。

2.北光社~北見

1/5万地形図「北見」平成7年第2回編集に加筆

北光社も1948(昭和23)年5月設置の仮乗降場出身だが、北見市街南端の住宅地のなかにあった。
道路には、「北光乗降場」の案内板が残り、その道をたどると、低い築堤となった路盤に出た(看板は2024年にはなくなっていた)。

①北光乗降場の案内板が残っていた 2017年9月撮影

駅跡には茂みに覆われた錆びたフェンスがあっただけで、ここにも駅を感じさせるものはなくなっているが、近くの家に、国鉄時代の上常呂かみところの駅名標が置いてあった。

①北光社駅跡を望む 2024年9月撮影
①北光社駅跡近くの民家の庭先にあった上常呂の駅名標 2024年9月撮影

北光社の北見方にあった北光跨線橋は平面化され、道道(「とん田通り」!)を渡った先の路盤は作業道となっているが、訓子府川までは行けず、ほどなくヤブに覆われていた。

②北光跨線橋跡附近から北見方を望む 2017年10月撮影

訓子府川には手すりが設置されたコンクリート橋があったので、架け替えられたのではないかと思ったが、桁にある橋梁名や1967年10月塗装などの標記から国鉄時代の橋とわかる。上流方には旧橋のレンガ造橋脚の下部が見えた。橋は北海道が河川管理用に使っており、路盤は林のなかの散策道といった趣となり、散歩している人も見かけた。

③訓子府川橋梁 2023年10月撮影
③旧橋橋脚の下部 2023年10月撮影
③堤防道から北光社方を望む 2023年10月撮影

訓子府川を渡った路盤は広明公園を過ぎ、住宅地のなかを築堤となり北東へ進んでいく。それほど草は生えておらずバラストが見えるところさえあり、やがて北へと大きくカーブし無加川むかがわ橋梁へ至る。

④踏切跡から北見方を望む 2023年10月撮影
⑤踏切跡から北光社方を望む 2023年10月撮影
1/5万地形図「北見」平成7年第2回編集に加筆

無加川橋梁もコンクリート橋で、橋上にはバラストもそのまま残されているが、こちらは通行禁止となっていた。

⑥在りし日の無加川橋梁 2017年10月撮影(タイトル写真も同じ)
⑥同 北見方を望む 2017年10月撮影

1975年10月竣工の銘板がついていたから、すでに40年以上経っているのに、手すりに錆びが浮いている以外まだきれいに見えた。
しかし、2017(平成29)年12月撤去工事が始まり、姿を消してしまった。

⑦無加川の北見方堤防道から無加川橋梁跡を望む 2023年10月撮影

無加川橋梁からは北見の中心市街地となり、築堤が崩され幅広い空き地になった旧路盤には新しい家が建ち並んでいる。

⑦無加川の北見方堤防道から北見方を望む 2017年10月撮影
⑦同上地点から北見方を望む 2023年10月撮影

南大通り架道橋もコンクリート橋だったが、道路とのクリアランスが必要なため下路式となっていた。
桁には、銀河線の線名のほかマークやイラストも描かれ、橋台にも北見駅旧駅舎や鉄道管理局などの版画風のイラストが薄れながらも残っていたが、これも撤去、道路も平面化されている。

⑧南大通り架道橋 2017年10月撮影
⑧同 北見方を望む 2017年10月撮影
⑧同上地点から北光社方を望む 2017年10月撮影
⑧上写真とほぼ同地点から北光社方を望む 2023年10月撮影

南大通りからも路盤はなく、北見市下水道局の庁舎や駐車場となっているが、右手に北見市の公共車輌車庫に転用された、銀河線の検修庫だった大きな建物がある。
2017年には北見方の正面にはバラストとともに線路が2本残っていたが、これもきれいに撤去舗装され、側面に掲げられた北海道ちほく高原鉄道のマークだけが唯一の名残となっている。

⑨元検修庫 2017年10月撮影
⑨元検修庫に残る北海道ちほく高原鉄道のマーク 2023年10月撮影
1/5万地形図「北見」平成7年第2回編集に加筆

路盤は小町泉通とクロス、北見ハッカ記念館の遊歩道となるが、そこには銀河線のレールを使った照明灯があり、車止め柵にも銀河線の気動車が描かれている。

⑩北見ハッカ記念館の遊歩道の起点 2017年10月撮影
⑩ハッカ記念館の照明灯 2023年10月撮影
⑩同説明板 2023年10月撮影
⑩遊歩道の車止めに描かれた銀河線の気動車 2017年10月撮影

遊歩道の先で宅地や道路となった路盤は、西4丁目通跨線橋下から線路も敷かれた状態で復活、北見トンネルを出た石北本線と並び、北見構内へと入っていく。

⑪西4丁目跨線橋の下から北見方を望む 2017年10月撮影
⑫歩道橋から北光社方を望む 右は石北本線の北見トンネル 2017年10月撮影

かつては堂々たる木造駅舎だった北見駅は、1983年現在の駅舎に改築、転車台や扇形庫のあった機関区、客貨車区、側線類はすっかりなくなり、北見芸術文化ホールや北見市立中央図書館などが建っている。
駅舎のとなりには北海道ちほく高原鉄道本社があったが、2018年解体されている。

⑬北見駅舎 2017年10月撮影

現在の構内は、銀河線用だった切り欠きホームなどが撤去されている以外、銀河線廃止時と大きく変わっておらず、銀河線の気動車庫もJR北海道が使っている。

⑬北見駅構内 北光社方を望む 2017年10月撮影

北見には季節的だがコンテナ列車も発着、訪問時はちょうとタマネギ収穫の最盛期とあって、DF200が先頭に立った貨物列車が荷役中だった。

⑬北見駅で荷役中のタマネギ列車 2017年10月撮影

今回はここまでです。

おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回は夕張線支線(通称登川支線)です。


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