去る10月3日、JR九州の交通系ICカードであります「SUGOCA」が、これからご紹介します区間におきまして拡大されておりまして、これによりまして、その区間ではICカード1枚で利用する事もできるようになっております。
もちろん、他の交通系ICカードとも相互乗り入れできるようにもなっておりまして、例えば西鉄グループが発売しております「nimoca」や、福岡市交通局(福岡市地下鉄)が発売しております「はやかけん」、JR西日本が発売しております「ICOCA」、そしてJR東日本が発売しております「Suica」なども相互利用できておりまして、区間によりましてはカード1枚での利用も可能となっております。
これまで、そんな「SUGOCA」と言いますと、JR九州では以下の区間で使用する事ができておりましたが・・・
【北部九州(福岡・熊本・大分)区間】
鹿児島線 門司港~八代間、
山陽線 門司~下関間
日豊線 西小倉~幸崎間
「福北ゆたか線(筑豊線 折尾~桂川間・篠栗線全線)」
「若松線(筑豊線 折尾~若松間)」
香椎線全線
筑肥線 姪浜~唐津間
唐津線 唐津~西唐津間
長崎線 鳥栖~佐賀間
久大線 久留米~善道寺間・向之原~大分間
豊肥線 熊本~肥後大津間・中判田~大分間
【長崎地区区間】
長崎線 諫早~(長与・市布)~長崎間
大村線 竹松~諫早間
【宮崎地区区間】
日豊線 佐土原~田野間
日南線 南宮崎~田吉間
宮崎空港線 田吉~宮崎空港間
【鹿児島地区区間】
鹿児島線 川内~鹿児島間
日豊線 国分~鹿児島間(竜ヶ水駅使用不可)
指宿枕崎線 鹿児島中央~喜入間
今回10月6日から拡大されましたのは、長崎線の佐賀駅(画像1)~江北駅(以下画像)間、佐世保線の全線となります、江北駅~佐世保駅(画像3)間、大村線の早岐~ハウステンボス間でありまして、途中の西九州新幹線の接続駅でもあります武雄温泉駅(画像2)ももちろん使用可能となっております。
(江北駅)
実際これら駅では、「SUGOCA」の読み取り機も設けられておりまして、既に自動改札機が設けられました駅では読み取り機能も追加されておりますし、自動改札機がない駅でも新たな読み取り機が設けられておりまして、ICカード利用区間らしい所を見せてもいます。
(自動改札機設置駅、武雄温泉駅)~詳細は後述
(上有田駅)~詳細は後述
また、この区間では10月末~11月頭まで開催されます「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」の臨時駅でもありますバルーンさが駅にもICカード読み取り機が設けられるようになっております。尚、今年は台風→低気圧接近がありまして嘉瀬川河川敷も冠水する事が想定されたため(実際冠水しましたが・・・)、今年の駅としての営業は1日(10月31日)のみでありました・・・。
尚、今回の交通系ICカードでは、唐津線の唐津~久保田間、長崎線の江北~諫早間、大村線のハウステンボス~竹松間は対象外(非対象区間)となっております。既に西唐津~唐津間が筑肥線(東線)の絡みで、長崎地区も諫早駅・竹松駅以南が、それぞれ対象区間となっておりますが、これら非対象区間をまたいでの利用はできませんので注意が必要であります。
また、松浦鉄道(MR)西九州線は既に「nimoca」が導入されておりまして、カードとしては相互利用はできるようにはなっておりますが、導入種類が違っている事もありまして、接続駅の有田駅・佐世保駅で一旦清算を行いまして利用するようにもなっておりますので注意が必要であります。
(MR車は車内読み取りの形です)
ここまで、佐賀~佐世保・ハウステンボス間の導入に関しまして簡単にご紹介しましたが、今回ここからは、実際に佐世保線の佐賀県内の区間で導入後に利用しておりましたので、その模様を皆様にご紹介してまいります。
今回の導入後、私は上有田→有田間の1区間、そして三間坂→武雄温泉間でそれぞれ所用の際に利用しておりました。まずは、上の画像・以下画像の上有田駅から有田駅間の利用の模様であります。
上有田駅は、例年4月末~5月頭までの、いわゆる「ゴールデンウィーク」時に開催されます「有田陶器市」では、有田駅とともに中心駅ともなっておりまして、そう言った事から特急「みどり」・「ハウステンボス」はこの駅に臨時停車も行っております。また、この駅止まりの長崎方面からの列車も運行されておりましたが、昨年より運行は行われておりません。
そんなこの駅の駅舎は108年前の大正5年に竣工しておりましたが、駅自体はさらにさかのぼる事126年前の明治31年に中樽貨物駅として有田焼の輸送拠点駅としての姿が見られておりましたが、明治40年に上有田駅に改称、旅客営業も行うようになりまして、その後駅舎が竣工するに至っております。
(駅の年表)~さらに詳しくご覧になりたい方は画像をクリックしてご覧ください
そんな伝統あるこの駅にも新たなICカード読み取り機が設けられました。今回はこれまでのタイプとは違っておりまして、古い駅舎の中で新しい姿が見られております。
尚、この駅では券売機は設けられておりません。そのため、乗車券は駅前の商店で購入する形も取られております。既に佐世保線ではワンマン化されてはいますが、それでもICカードを持たない方でも乗車券を購入するだけでも降車の際安心する部分ではありましょうか。
読み取り機で読み取りまして、ホームにやってまいりました。2面2線のホームのつくりではありますが、基本的には駅舎側の1番ホームを使用する形になりますが、この駅での折り返しは元々設定されていない武雄方面側からのみで、先述の長崎方面からの列車は後述の三間坂駅で折り返しておりました。それにしても、駅も案外広い所もかつての貨物駅としての存在もあった所でもありましょうか。
(早岐方)
(鳥栖方)
この後、早岐行きの最終列車(811系電車運行・959M)で、わずか4分で隣の有田駅へとやってまいりました。この959Mは、2953Mとして吉塚駅から運行されていた編成の後4両が江北駅で切り離された編成での運行でありまして、もちろん車掌も乗務する列車でしたが、この乗車時は数名しか乗客が見られませんでした・・・。
(959M)~この時はPM2010編成での運行
この時は、別件で私の車で上有田駅へ来ておりまして、私が959Mに乗車しまして有田駅へ、そして車は同行していた妻が運転で有田駅へ迎えに来てもらう形となっておりました。その迎えを待つ間に「新しくなった姿」を収めておりましたが、まずは上有田駅と同様新たなタイプのICカード読み取り機でありますが、先述のように松浦鉄道利用の場合は車内で読み取る形となっておりますので、こちらの読み取り機は使用できませんので注意が必要であります。
「SUGOCA」が導入されておりますので、チャージ機も設けられております。このチャージ機も最も新しいタイプのようでありまして、これまでのタイプとは違った形となっております。尚、他の交通系ICカードのチャージもできますので、松浦鉄道利用者向けなどのICカードチャージももちろん可能となっております。
こちらは券売機であります。この券売機は、クレジットカード対応の券売機となっておりまして、今年更新されたものでもあります。もちろん、特急券も自由席券の購入は可能ではありますが、最近見られる指定席券の券売機(「みどりの券売機」~後述)ではありませんので、この場合は駅の「みどりの窓口」で購入するようになります。
そして、「QRチケレス」読み取り機であります。当ブログでもご紹介しましたように、JR九州では9月26日より「QRコード」のチケットレスサービスであります「QRチケレス」が導入されまして、「みどり」・「ハウステンボス」運行区間の佐世保駅・ハウステンボス駅までの区間で導入されておりますが、この駅では自動改札機がありませんので、駅窓口の所に読み取り機を置く形を取っております。
(乗車用)
(降車用)
ここからは、上有田駅の隣にもなります武雄市の三間坂駅から、武雄温泉駅まで利用した模様をご紹介してまいります。まずは、乗車駅でもあります三間坂駅であります。
三間坂駅は、現在は武雄市でありますが、旧山内町の中心駅として今年で127年になる駅でもあります。駅舎はそれ以降に設けられた駅ではありますが、それでも古い木造駅舎である事がお分かりいただけます。
そんな三間坂駅は、上有田駅と同様無人駅ではありますが、こちらの駅に関しましては乗車券売機が駅内に設けられております。また、こちらにも「SUGOCA」などに対応しました交通系ICカードのチャージ機も設けられておりまして、今回私もこの駅でICカードのチャージも行いました。
さて、入場であります。先述の上有田駅では入場時の画像を収めておりませんでしたが、三間坂駅ではこのように収める事ができました。また、その下の画像のように反対側になります出場の読み取り部分も収めましたが、それほど入場・出場とが一体化している事がお分かりいただけます。
(反対側)
読み取りまして入場しましたのでホームの画像をご紹介します。この駅は2面3線の配置となっておりまして、ホームの中央には中線が設けられておりまして、毎週月曜日には佐世保行き「36ぷらす3」が運転停車も行っております。したがって、ホームも1番ホーム・3番ホームと言う配置となっております。
(早岐方)~手前が1番ホーム
(鳥栖方)~奥が3番ホーム
三間坂駅の別の出入口です。こちらは基本駅内に入らないで直接ホームに行く事ができますが、定期券をお持ちの方が利用する所であると言ってもいいでしょうか。ですから、先述のように券売機もある訳ですし、ICカードの読み取り機も駅内に設けられておりますので、定期券をお持ちの方以外は駅舎側を利用していただきたいと思います。
ホームに行く前に収めていた、三間坂駅の時刻表です。黄色で書いてある部分がワンマン列車を表しますが、ワンマン列車の場合は817系電車・YC1系気動車・上下分離区間向けのキハ47形気動車が使用されておりますし、先述の959Mを含む上下各2本ずつの非ワンマン列車は811系電車が使用されております。
(全体)
この駅では、早岐方面も1番ホームに停車する場合があります。実際に時刻表にも1番ホームに停車する列車がある事がわかりますが、3番ホームの場合も「のりば注意」とも表示されておりまして、注意を促している事がわかります。ちなみに、その下の画像にありますように、早岐方面の下り特急列車は3番ホームで通過しております。
(3番ホームを通過する「ハウステンボス」・「みどり」)
三間坂駅から、YC1系気動車運行の江北行きに乗車しまして、武雄温泉駅2番ホームにやってまいりました。ちなみにこの列車(撮影時6938D)は1番ユニットでありまして、江北方に-1001、早岐方に-1(最後の画像)が連結されておりました。
この武雄温泉駅と言いますと、西九州新幹線との接続駅でありますが、在来線ホームは1・2番ホームのみで、ほとんどが2番ホームに停車しております。また、2番ホームの反対側が10番ホームでありまして、こちらは「リレーかもめ」専用ホームでありまして、2番ホームから直接乗車できず、後述のように新幹線ホームから乗車するようになっております。
(右・1番ホーム、左・2番ホーム)
(10番ホーム「リレーかもめ」)~2番ホームからの乗車はできません、撮影時・787系電車BM-1編成
在来線改札口に降りてまいりました。ここには自動改札機が設けられておりますが、こちらにもICカードの読み取り機が設けられている事がお分かりいただけます。
在来線口となります北口(楼門口)から、新幹線口にもなります南口(御船山口)にやってまいりました。移動の際には以下画像のエスカレーターを使ってやって来る事にもなります。
その御船山口こと南口の構内です。こちらには券売機が3基、左から在来線向けのクレジットカード対応乗車券売機・新幹線の自由席券売機・そして予約した切符なども発券できる「みどりの券売機」の各1種類であります。
こちらが改札口であります。この券売機は、左側の青い部分が新幹線、右側の黄色い部分が在来線向けとなっておりまして、在来線向けにはICカードの読み取り機も設けられております。尚、「QRチケレス」読み取り機は精算所側に設けられておりまして、「QRチケレス」の場合は左端を通る事にもなります。
(黄色の部分が))
そして、武雄温泉駅では改札口が2箇所ある事を促しております。その結果は上の画像にもありますように、北口・南口それぞれある事がわかると思いますが、特に上の画像の南口の改札機を見ますとICカードの読み取り機もありますので、そういった所ほど共同にしている事も伺えるのではないかと思います。
(南側改札口にある発車標)
今回は、10月に導入されました佐世保線「SUGOCA」佐賀県内区間体験リポートをご紹介しましたが、やはりICカード1枚で行く事ができるようになった事は大きいのではないかとは思います。しかも、他に今回ご紹介しましたMR線、そして一般路線バスも利用できておりますので、より1枚で利用できている事もわかるのではないでしょうか。現在は、キャッシュレス化が進んでいる世の中ではありますが、この回でもご紹介しました「QRチケレス」なども当てはまる部分でもありますので、カード1枚・スマートフォン1台でいいと言う世の中になっている事にも間違いないでしょうか。