長崎県佐世保地区・佐賀県伊万里地区を中心に運行しております、西肥自動車(西肥バス)は、これら地域及び上五島地区(新上五島町)・平戸地区で一般路線バスを運行しておりますし、福岡へ「させぼ号」や長崎~佐世保線と言った高速路線バス、そしてハウステンボス・川棚・長崎空港へ特急バス「空港特急」も運行しておりまして、様々な姿を見る事ができております。
また、平成31年春には佐世保市交通局(佐世保市営バス)の路線を全面移管、こちら移管路線ではさせぼバスの委託のもとでも運行されてもいまして、最近ではこれまでの旧佐世保市営バスのカラーの姿も徐々に姿を消してきております。
そんな西肥バスでは、「新型コロナウイルス」以降、利用者減に加えまして乗務員不足が深刻となってきておりまして、各地の路線では廃止や減便が相次いでおります。中でも当ブログでもご紹介しました松浦市福島で運行されておりました「福島循環線」などと言った路線も姿を消してもいまして、こうした路線では廃止後もコミュニティバスやデマンドタクシー化などを行うなどしまして利用者の足を確保する姿を見せております。
(「福島循環線」、F522・三菱KK-MK25HJ)~現在は矢峰営業所に転属、「させぼバス」委託塗装に変更
さて、このほど令和7年3月末で廃止となる路線について、以下のようにHPにおきまして掲載がありました(以下は西肥バスHPより引用)。
これによりますと、これまで運行されてきておりました路線におきまして廃止となる所が見られておりますが、やはり平均利用人員も8名以下、中には0.*台の路線・系統もありまして、利用者の少なさが伺わせております。
この中では、最も少ない「TAOYA西海橋」は、元々は「西海橋コラソンホテル」への路線でもありましたが、その西海橋コラソンホテルが「大江戸温泉物語」系列となりまして、さらに名称も「TAOYA西海橋」となりましたが、本数は一部西海橋西口方面へ本数を分けた事もありまして、2往復4本に減便されておりました。しかし、利用者が望めないと言う事から今回廃止を決めるに至ったようであります・・・。
(西海橋コラソンホテル(現・TAOYA西海橋)行き、H201・U-HU2MMAA)~現在廃車
(TAOYA西海橋)~その下の画像は西海橋と
尚、西海橋東口、橋を渡って西海橋西口へは引き続き運行が継続されます。やはり先述のように西海橋西口へ本数を分けた分もありますので、その分維持される事にはなりますので。
また、西海橋系統と同じ管轄が東部営業所であります佐世保~川棚線も廃止が予定されておりますし、川棚~内海線の一部も廃止が予定されておりまして、運行形態も変化が見られるようにはなりそうでもあります。
(Z911・いすゞQPG-LV234N3)~撮影場所・川棚バスセンター
尚、一般路線バスは廃止予定ではありますが、こちらの長崎空港線「空港特急(F698・三菱BKG-MS96GP)」は引き続き運行は継続となります。したがって、佐世保~川棚間をバス利用する際にはこの「空港特急」を利用する事にはなりますが、途中区間利用に関しましては今後コミュニティバスと言ったものに移管と言う事になるのでしょうか?
そして、最も驚きましたのが、伊万里~松浦線でありまして、廃止キロは25.3キロに及びますが、この路線に関しましても今回廃止予定路線として発表されております。今回は、この路線に関しまして、これまでの画像より皆様にご紹介してまいります。
(H274・日野PJ-KV234N1)~元阪急バス
伊万里~松浦線は、元々は伊万里~平戸口桟橋・平戸桟橋間一つの路線でありまして、伊万里バスセンターからも直通が運行されておりましたが、のちに松浦駅前にて系統が分断されておりました。以下画像は、旧伊万里バスセンターにありました路線図でありますが、平戸方面まで運行されていた事がお分かりいただけます。
(消された運賃表示)
また、バス停でもかつては直通便が運行されていた証も見られておりまして、画像の伊万里市になります久原駅前バス停でも松浦より先の御厨・平戸口・平戸の文字も見られていた事で直通便が運行されていた事を伺う事もできておりました。
この系統も、普通便から急行・特急までも存在していたようでしたが、最も最優等系統として快速特急の系統も存在しておりまして、画像の西肥バス以外にも昭和自動車(昭和バス)も福岡・唐津方面から直通便も運行されていた事がありましたが、急行以上の優等系統も後に廃止、普通系統のみが残るに至っておりました。
(快速特急、F499・三菱U-MS726S)~後に「させぼ号」に転用後も廃車
けれども、ご紹介しておりますように、画像の松浦バスセンターで系統は分断されるに至っておりまして、結果直通が廃止された事で、伊万里~松浦・松浦~平戸と分かれるに至っておりました。また、本数も伊万里方面・平戸方面とも7往復(のちに伊万里方面は平日のみ8往復)と大きく本数を減らすに至っておりました。
【いずれも平成24年撮影】
(時刻)~伊万里方面は左側です
旧バスセンター裏にありました車庫です。この松浦車庫は伊万里営業所の現地出退勤と言う形を取っておりまして、佐賀ナンバーの車が見られておりますし、松浦~伊万里・平戸間以外にも松浦~佐々・佐世保・世知原間と言った路線を担当しております。画像は伊万里駅前行きの日野ブルーリボン(H231・U-HU2MMAA~元旧大阪市交通局(現・大阪シティバス))でありますが、現在まで運用上大型から中型まで様々な車がこれまでも運行されております。
その後、平成24年には松浦バスセンターは閉鎖、伊万里バスセンターもさかのぼる事平成20年には閉鎖となっておりまして、伊万里側は伊万里駅前より、松浦側も松浦駅前と呼ばれるようになっております。そのように、発着場所にも変化が見られておりました。
(松浦駅と松浦駅前バス停)
(駅東側に設けられた松浦車庫)
ここからは、伊万里→松浦間乗車時の模様です。画像は令和元年6月に乗車したものでありましたが、その時の車は画像の日野ブルーリボン(H241・ KC-HU2MMCA)でありまして、名古屋市交通局(名古屋市営バス)からの移籍車でもありました。
(側面行先)~見にくい件はご了承ください
この時の乗車数は、日中でもありましたので、利用者も多くはなく、空席が見られておりました。やはり普段から多くの利用者でしたらこのような大型車では必要かなと思う所ですが、やはり利用者が少ないとなりますと完全中型化と言う所にはなる所ですが、佐世保など需要がある路線も担当となるとこうした車を使用するのもわからなくもないでしょうか。
こうして、松浦駅まで乗車しましたが、この時には、松浦駅前にて画像の車が拝見されておりました。この日産ディーゼルRM(N815・KC-RM211GSN)は、世知原から運行されていたものでありますが、上の画像からもわかりますようにこの世知原への路線も来年廃止される予定にもなっております。
現在は、この路線では以下画像・上の画像11にもありますようにノンステップバス(Z974・いすゞPJ-LV234L1~元京浜急行バス)も運行されておりまして、この路線の低床化にも貢献しております。
こうした流れもありながらも、今回の廃止予定リストに入っていた事には正直驚きしかありませんでした。やはり沿線の少子化・高齢化、そしてマイカー普及と言った流れは、バス離れにもつながりますし、さらに乗務員不足も重なりますと、尚の事残念な方向へと進む事になるでしょうか。それに加えまして、並行しますMR(松浦鉄道)線もこの区間では減便を余儀なくされましたが、駅が多くある中で代替としての姿はバス廃止後見られるようにはなるでしょうか?
今回は、西肥バスの令和7年4月廃止予定区間、そしてその中でも特に残念な廃止予定線でもあります伊万里~松浦線に関しましてご紹介しましたが、利用状況に関しましてはどうであれ大型車両が運行する場合もある路線ですので、この存在は大きいと言えましょうか。それでもかつては優等路線も運行されてきた訳でもありますので、そういった伝統がなくなるのも残念としか言えない所ではあります。ご覧の皆様の中には、来年3月末までの間にこの路線の乗車する方もいらっしゃるようですが、もちろん私も何度か乗車したいとは思っておりますので、その際は当ブログでもご紹介したいとは思っております。