エコーモデルの50年 | 書斎の汽車・電車

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 今回は、書評です。

 『鉄道模型ひとすじ50年 エコーモデル総合カタログ』(発行エコーモデル 発売ネコ・パブリッシング)をご紹介します。

 

 東京板橋区のエコーモデルといえば、16番日本型の車輛用、情景用パーツを数多く発売するメーカーであり、ショップとしても各社の16番完成品、キットを多数取り揃えていることで知られた存在です。本書は、エコーモデルの創業50周年を記念して出版されました。

 

 かつてネコ・パブリッシングからは、エコーモデルの製品の魅力を紹介するとともにカタログも兼ねた2冊本が刊行されていまして、本書はその改訂版でもあります。今回は1冊にまとめたことから、前半の「読み物」部分は前著に比べると少々寂しいのですが、後半のカタログは1冊になっており、かえって便利になったと思います。このカタログ、情景関係は写真、車輛関係はイラスト主体というのも、エコーモデルを主宰する阿部敏幸氏のこだわりの一つです。

 

 改めて本書を眺めてみますと、エコーモデルがとにかく多種多様な、モデラーにとっては必要不可欠なパーツ類を作り続けてきたことがわかります。そして、特筆すべきは、欠品、絶版がないということでしょう。鉄道模型をやっていて、何が一番困るかというと、パーツの「品切れ」なんですよ。自身も優れたモデラーであった阿部氏は、自らも経験したであろう「品切れ」をモデラーに味あわせたくないということで、自社のパーツはとにかく常時全品在庫を心掛け、他社製品についても極力在庫を切らさないようにされているとのことですが、これは並大抵のことではないでしょう。

 

 実は小生、エコーモデルの「良いお客」ではありません。模型活動のメインはNゲージですので、都営三田線本蓮沼のお店に行くのも年に1度あるかどうかです。ただ、トロリーモデルを中心に、16番も本当に細々ではありますが続けてはいますので、全くお世話にならないという訳ではありません。そんなへっぽこ16番ゲージャーにとっても、エコーモデルの品揃えはとても助かる存在です。また、模型製作資料としての鉄道書の在庫も豊富です。特に鉄道史資料保存会の刊行物などは、ここで購入したものが多いです。我が蔵書の中にも「エコーモデル経由」の本が結構あるのでした。

 

 本書は、16番日本型を楽しんでおられるモデラーなら必携、それ以外の方も車輛のデティール関連の記事などは有益かと思います。また、情景パーツの写真など見ていますと、Nゲージャーの方でも、80分の1のミニジオラマを作ってみようかという気になるかも知れません。