『脱出ゲーム 香川県からの脱出』に登場する歴史上の人物を訪ねる旅。
吉備津彦神社で桃太郎こと大吉備津彦命に必勝祈願。ここからは摂末社を巡ります。
- いよいよ岡山。桃太郎線に乗り、桃太郎伝説の地へ向かう
- お色直しした(珍!)桃太郎像と、岡山のウユニ塩湖?がある吉備津彦神社
- 「吉備津神社」と間違えがちだけど、「吉備津彦神社」も由緒ある立派な神社
- お稲荷様も菅原道真公も、鬼もまつられる吉備津彦神社の摂末社
- 備前一宮駅の風景と、香川県から来た電車と、岡山駅前のクリスマス
備前一宮 ('23.12.25)
引き続き、備前一宮の吉備津彦神社。
本殿のある区域の外側、左右に摂末社が多数あります。
まずは向かって左側(南側)、稲荷神社の赤い鳥居が並ぶエリアの摂末社に参拝しましょう。
吉備津彦命に退治された温羅(うら)の和魂(にぎみたま)をまつる「温羅神社」がありました。
温羅は桃太郎の鬼にあたる存在ですが、吉備国に製鉄などの技術や文化をもたらし、吉備津彦命(五十狭芹彦命)に討伐された際には、吉備冠者の名を献上したとも伝わります。
温羅神社の左に並ぶのは、吉備海部直祖などをまつる十柱(とはしら)神社、保食神(うけもちのかみ。食物を産んだ神)をまつる牛馬(ぎゅうば)神社、吉備津彦神社社家の祖霊をまつる祖霊社。
さらにその先に広場があり、大正時代に建てられた、巨大な忠魂碑がたたずんでいました。
温羅神社まで戻って、やや長い石段を上った高所に、稲荷神社が建っていました。
倉稲魂命(うがのみたまのみこと)をまつっています。
石段の途中にある卜方(うらかた)神社の祭神は、輝武命(てるたけのみこと)と火星照命(ひほしてるのみこと)。
輝武命は池田信輝(織田信長・豊臣秀吉の家臣で、長久手の戦いで戦死した池田恒興)、火星照命は池田輝政(恒興の次男、姫路藩主)のこと。初代岡山藩主・池田忠継、2代藩主・忠雄は輝政の子、3代藩主・光政は孫にあたります。
続いて、本殿向かって右側(北側)の摂末社へ。
写真右手の社は、菅原道真公をまつる天満宮。
道真が太宰府へ流される途中、この神社に立ち寄ったと伝わっています。
石段の奥に建つ子安神社は、縁結び、子授け、安産、育児の神。
祭神は伊邪那岐命、伊邪那美命、木花佐久夜姫命、玉依姫命。
池田輝政の嫡男・利隆が、子宝に恵まれなかった頃に祈願し、その後まもなく光政が生まれたといわれています。
ちなみに光政が生まれたのは、利隆が数え27歳のとき。
現在の社殿は1672年(寛文12年)の建築。光政が隠居して、嫡男・綱政に家督を譲った年です。1697年(元禄10年)に再建された本殿や随神門より古い建物のようです。
子安神社の右側に、小さな7棟の末社がずらりと並んでいます。
下宮(倭比売命)、伊勢宮(天照大神)、幸神社(猿田彦命)、鯉喰神社(鯉喰明神こと楽々森彦命(ささもりひこのみこと)の荒魂)、矢喰神社(矢喰明神こと吉備津彦命御矢)、坂樹神社(句句廼馳神(くくのちのかみ。木の神))、祓神社(祓戸神)。
鯉喰、矢喰は吉備津彦命と温羅の戦いに由来する神。楽々森彦命は、桃太郎の猿のモデルとされています。(備中の吉備津神社には、楽々森彦命は吉備津彦命の家来で、猿飼部だと伝わる)
(「備前一宮駅の風景と、香川県から来た電車と、岡山駅前のクリスマス」へ続く)
※『脱出ゲーム 香川県からの脱出』のヒット祈願で、ゲームの登場人物ゆかりの地を巡る旅は、以前にも何度か行なっています。よろしければこちらも御覧下さい。
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(※関西・岡山ダイジェスト) 大津・建部大社と堺・大鳥大社(日本武尊)、神戸・須磨寺(尾崎放哉) 岡山・吉備津神社と吉備津彦神社(桃太郎) 安倍晴明神社と、あべのハルカス、道頓堀、特急ひのとり
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俳優・八名信夫氏の著書『悪役は口に苦し』(小学館)の中で、それぞれの時代背景について補足説明する文章を、少しだけ書いてます。
※これまでの「日本縦断紀行」はこちら。