一時期は廃止が検討された熊本市交通局。廃止が回避されて以降は新型車両が断続的に投入されてきました。そんな熊本市交で、九州新幹線開業を見据えて投入されたのが超低床車両の0800形です。先代の9700形に続く2両1編成のスタイルで、A系統・B系統問わず運用されます。一応超低床車の固定ダイヤもあり、ロケーションシステムで超低床車がどこを走っているかは確認可能です。
車内です。先に登場した9700形では座席数が少ないことが乗客の意見として挙げられていたことから、座席数が増やされています。
ドアです。こちらは車体中間のもので、「トラムガイド」こと車掌さんが乗務されている時は乗降どちらも可能です。そうそう、熊本市交の超低床車では国内の路面電車では珍しくツーマン運転が実施されている事業者です。しかし、労務費の都合か夜間になると超低床車両はほとんどが入庫、ワンマン運転のハイデッキ車両しか来なくなるのがデメリットです。超低床車両こそ、朝から夜まで走るべき車両だと思うのですが…。
運転台方向のドアです。ほぼ全面が窓、二段式で下段にはカラーフィルムが貼られています。恐らく、見えてしまうのを防止するためなんでしょうね…。両側にボタンがありますが、開閉のためのものではなく降車ボタンになっています。
最前面です。ドアはやや後ろ側、運賃収受の面では運転士さんが各駅で後ろを見るなり体ごと移動するなりしないといけないので、少し無駄が増えてるようにも見えます。その代わり、従来車よりも乗務員スペースは拡大されており、運転士さんの居住性は改善されてるんでしょうね。仕切りには2面式のLCDディスプレイがあり、各種案内を実施しています。
ドアとの間にはスロープが格納されています。非常用なんでしょうね。
天井です。照明はカバー無しの蛍光灯ですが、やや埋め込むようなソケットに入っており、光の拡散を極力抑えることと、視覚的な天井高さを作り出しています。
運転台付近のにはダウンライトが2灯設置されています。
そして車端部にはダウンライトが1灯。連結面上にはLED表示機があり、次駅案内などを流しています。
窓です。一枚物の固定窓、眺望はよいですがこのご時世では換気が気になるところです。日除けはフリーストップタイプのロールカーテンが備えられています。
座席です。超低床車は輪軸が収まる部分がタイヤボックスになっていることからその部分に関してはクロスシートが備えられております。
2人掛けと4人組ボックス配置となっています。ただあくまで書類上の着席定員でして、大人がキッチリ想定通りの座り方をするとかなり窮屈です。そのため他人が通路側に座る場合、窓に背を向けてロングシートのように使うケースがそれなりに見受けられます。肘掛けが無いからこそ可能な座り方ですね。
進行方向後ろの車両、運転台方向を向いて右側の2人掛けは、ツーマン運転の際はトラムガイドさんの乗務スペースとなります。その際トラムガイドさんは座席は使わず、立ちながら乗務しております。
中間ドア向かいの優先座席です。こちらはロングシートで、3人掛けとなっています。モケットは青系で区別しています。クロスシートもそうですがクッション薄めで、長時間の乗車には向きません。
運転台後部のロングシートです。ここは折り畳み式で、車椅子スペースとしても使われます。
昼下がりの一時、発車を待ちます。