前回の記事の続きです。
土砂降りのなかロンキヤを見送った後はいよいよ秋田でのメインイベントへ。舞台は秋田総合車両センター、約7年ぶりの訪問です。
土崎駅から10分ほど歩いて秋田総合車両センターに到着。受付を済ませてヘルメットを受け取り待機所へ。ここで概要と諸注意について説明を受けまして、会場へ移動。
会場の建屋に入ると正面に主役たちの姿が見えました。「サヨナラ ホキ800形貨車撮影会@土崎」のはじまりです。この手の有料撮影会は越中島貨物駅以来2回目の参加、今回の主役は新旧の砕石輸送車です。
まず向かって左側。EF81 136にホキ2車が連結されています。
後ろのホキはホキ1751と、
ホキ1755。どちらも秋田貨物駅常備のホキです。歴の長い方にはもと川部ホキと言った方が早いかもしれません。2021年10月に常備駅が川部から秋田貨物に変更となり、2024年9月4日の入場をもってその役目を終えた車両です。
長らく砕石輸送に使用されてきたJR東日本のホキ800形も続々と廃車が進み、秋田エリアの車両については秋田貨物駅常備ホキの入場をもって消滅となっています。秋田地区で活躍したホキ800形を撮影できる最後の機会として、今回の撮影会が開催されました。

そんなホキの前に連結されているEF81 136も2024年7月4日の入場をもって一休車となり、どうやらこのまま廃車となるようです。
旧青森機関区組の中で最後まで東北地区に残り続けた136号機。現役最後の三菱製EF81でもありました。
晩年は見かける機会の少なかった136号機、意外な形での再会となりました。
続いて向かって右側。新型砕石輸送気動車GV-E197系です。
2024年2月より本格的な運用が始まったGV-E197系ですが、撮影会への出演はこれが初となります。秋田運用車のTS04編成がその大役に抜擢されました。

秋田運用車のGV-E197系は南秋田センターに常駐しているため、前日の20日に秋田→土崎間の回送が運転されています。土崎の方の秋田総合車両センターへの入場もこれが初となりました。
個人的なメインはどちらかと言うとGV。間近で撮影できる貴重な機会ということで、色々と観察してきました。まずDT87台車。Generating Vehicleの先輩にあたるGV-E400系で使用実績のあるボルスタレス台車です。
双頭連結器。砕石輸送のほか非電化区間を中心とした入換・回送等の牽引も想定されており、今年5月から6月にかけては上越線内で12系客車の牽引を行いました。

そして話題になったBP管。赤色のコック部分の延長改造が施されています。
続いて後ろに連結されたGV-E196系。ホキ800形の正式な後継車です。
開閉ハンドルや落口扉の開閉レバーなど、砕石散布に係る基本的な構造はホキ800形を踏襲していますが…、
スクリューコンベヤ式軌間内散布装置や砕石散布量の自動調整機能などの新機能が詰め込まれた、まさに次世代の砕石運搬車です。
落口扉を下から。ホキ800形とは異なりこの部分にも配管が通っています。
新旧の砕石輸送車の競演、激アツです。
さて、この撮影会ですが実は主役がもう1両いまして…、
それがこのホキ1739。ホキ1751・1755と同じく秋田貨物駅常備のホキです。今回は撮影のみではなく、ホキ800形のハンドル操作体験をさせていただくことができました。

作業員さんが散布現場でぐるぐる回しているコレです。ハンドルに触れるのはもちろん、作業台に上がったのも初めてです。
実際にハンドルを回してカラーボールを散布する体験をしたのですが、想像の数倍は重かったです。いい経験をさせていただきました。

全参加者の体験が終わったところで、作業台で少し写真を撮らせていただきました。
さらに散布箇所を変えるレバーを動かして落し板の向きを変えていただきました。

軌間内外側に散布できる状態です。
貴重な姿を見ることができました。
ところで…、
撮影会用なのかたまたま居合わせたのかわかりませんが、仮台車を履いたキヤE193-1の姿もありました。
撮影・体験含めて約90分、長過ぎず短過ぎずでよかったです。
最後は引きで撮影して終了。砕石運搬車への理解が深まった良きイベントでした。関係者の皆様、ありがとうございました。
終了後はヘルメットを返して解散。あれだけ土砂降りだった雨もいつの間にか止んでいました。
秋田最後の夜は天然温泉ホテルこまちで疲れを癒しまして、翌日東京へと帰りました。帰りの新幹線は機関車不具合で遅延していたカシオペアとのデッドヒートを繰り広げまして、仙台到着時点で5分前に宇都宮を発車していたカシオペアをぶち抜き大宮に先着するという激アツ展開にて〆。楽しい4日間でした。
以上です。