東北線が宇都宮止まりのダイヤだからこそ、烏山線全列車の宇都宮直通化が望まれます
烏山線はJR東日本の所管で、東北線宝積寺-烏山間20.4キロの路線です。
宝積寺から宇都宮まで乗り入れている列車がほとんどですが、一部は宝積寺で折り返しています。
宇都宮発着列車は、宇都宮→烏山の列車が11本、烏山→宇都宮の列車が10本です。
宝積寺止まりの列車は、宝積寺-烏山間で3往復あります。
現在の東北線(宇都宮線)列車は、すべて宇都宮までの運転で、黒磯までの直通列車はなくなりました。
そのため、上野・大宮・小山方面から普通列車で烏山へ場合、宝積寺止まり列車の時間帯に当たると、宇都宮と宝積寺の2回の乗り換えを要します。
宇都宮-宝積寺は11.7キロ、途中駅は岡本の一駅のみで、所要11分です。
宝積寺-烏山は、途中の大金での列車行き違いがない場合、最短で所要33分です。
車両は、蓄電池電車のEV-E301系(ACCUM)で、終着駅で折り返す際はパンタグラフを上げて最短16分の充電を行なっています。
宝積寺止まり列車のダイヤ状況をみる
以下の3往復となっています。
併せて、宇都宮への接続列車時刻を併記します。
宇都宮発(東北線列車)→宝積寺着→乗換→【宝積寺発→烏山着】
16:42 →16:53 17:01 →17:34
17:54 →18:06 18:11 →18:45
18:51 →19:03 19:17 →19:51
【烏山発→宝積寺着】→乗換→宝積寺発東北線列車→宇都宮着
15:38 →16:19 16:22 →16:35
17:02 →17:42 17:55 →18:07
18:13 →18:53 18:55 →19:07
宝積寺での待ち時間は最短2分、最長14分、全体の平均では7分です。
宝積寺での接続時間としては適当と言えますが、宝積寺での乗り換え自体が億劫であり、さらに東北線小山側から烏山へ行く際、宇都宮-宝積寺間の2回乗り換え、12分乗車はさらに億劫です。
宝積寺→宇都宮→宝積寺の理論上の往復時間は31分
宝積寺止まりを宇都宮乗り入れにした場合、宝積寺→宇都宮で12分、宇都宮折り返しで7分、宇都宮→宝積寺で12分、計31分あれば宝積寺止まり列車を宇都宮まで持ってくることはできそうに思います。
烏山線宝積寺止まり列車の、宝積寺折り返し3往復の停車時間は24分、29分、42分となっています。
宝積寺止まり列車は夕方から夜の時間帯です。
烏山発の上り列車時間の最短24分を最大7分間調整し、宝積寺→宇都宮→宝積寺で戻ってくる時間の31分を生み出し、3往復の宝積寺止まりを宇都宮直通にすることはできるのではないでしょうか。
烏山線の利用状況
JR東日本の2019年度から2023年度まで5年間の路線別利用状況で、烏山線宝積寺-烏山間は、2019年度1,430人、2020年度1,148人、2021年度1,140人、2022年度1,120人、2023年度1,144人となっています。
また、2023年度の駅別の乗車人員で、烏山駅は446人、宝積寺駅は2,027人となっています。
烏山駅以外の途中駅の乗車人員データはありません。
烏山線は以上のような状況ですが、宇都宮・宝積寺の2回乗り換えは、上越線下り列車における高崎・新前橋の2回乗り換えとイメージ的には似ているところがあります。
新前橋には車両基地があるという事情が絡みますが、宝積寺はその点で異なります。
烏山線の宇都宮直通列車は以前よりは増えていて、宝積寺止まりが3往復に減ったのは前進ではありますが、全列車宇都宮直通を前提にしたダイヤを組む体制が持ち望まれるところです。
(※ 筆記にあたり、JR東日本の路線別ご利用状況データを参考にさせていただきました。)
※ 写真は本文と無関係です。